暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

西成で働く。1日目~①手配師を探す

西成労働日記・一日目①

2020年12月26日、土曜日。

いよいよの西成労働デビューをもくろんだ僕は、朝4時にスマホのアラームをセットしておいた。

どうやら、日雇いの仕事を得るには、あいりん地区あちこちの道路に泊まっているワゴン車やバンを見つけ、その周囲にいる手配師と呼ばれる人に声をかけられる必要があるようだ。

その時刻がなんと早朝4時~6時。
なんたる早起き!西成の夜が早い原因は、西成の朝の早さにある。

前日の宿「緑風荘」で4時にアラームが鳴った。
確かに鳴った。偉いぞ、スマホ
ただ、二度寝してしまった。2時頃まで眠れずにウダウダしていたから、寝た気がしない。アラームリセット。30分後。

もうこの時点で
「今日はいいかな。寝てようかなぁ」
というふらちな考えが首をもたげてくる。

4時半ふたたびアラームが鳴る。でも、やるんだよ。洗面場に行き、顔を洗い、歯みがき。

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まだ暗い宿の廊下を、カバンを下げた先輩たちが、作業着姿で出発していく。
ちなみに僕は、作業着ではない。オレンジ色の上着ビビットないでたち。汚れてもいい服装ではあるが、完全に浮いている。安全靴でもないし。手袋だけは用意している。

前日の準備

なにを用意していけば良いのか、わからなかった。

オレンジのアノラックはアウトドア対応の頑丈なモノ。チノパンもヘビーデューティ。防水ではあるが、鉄板など入っていないスニーカー。手袋は、以前引越し作業で使ったモノを用意。財布もいつものカードが大量に収納してあるモノをやめ、3000円と交通系カード、「臓器提供意思表示カード」だけを入れる。死んだら、誰かの役にたちたい。
きっと、身分証など要らないはずだ。

ザックをコインロッカーに預けておくことも考えたが、無駄な出費はダメだ。
昨日使ったフライパンも持って帰らねばならんし。

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まったく声をかけられない

宿を出たのは5時少し前。
車や手配師らしき人の姿はチラホラ見かけるが、一切声をかけられない。ビビットなカラーが浮いてんのか。

困った。(ホントは困ってない)

これじゃ、働けないじゃないか!(働きたくない)

()内が本音である。やっぱり、作業着バッチシで来ないとダメかも知れない。

今日はあきらめて帰ろうか、残念!(早く帰ろう、最高!)

すっかり帰宅して、朝風呂モード。
しかし、来るべき次回に備えて情報ぐらいはつかんでおかねばならない。

こっちから声をかける

停まっているバンの横で、ファイルみたいな冊子を持って立っている40代くらいの人に声をかける。

「今日は、日雇いありますか?」

「ああ、ないねん!コレは決まっとる人待っとるだけやから。もう5時やから現金は出払ったんちゃうかな?」

 

「現金」
パワーワードが飛び出した。
西成での労働は「現金」と「飯場に分かれるという。
その日だけの日雇い労働は「現金」と呼ばれ、10日あるいはひと月など、ある程度の期間同じ現場で働き、宿舎やご飯が用意される労働形態は「飯場」。

一応、年内は29日まで昼の仕事がある。いきなり、遠方の飯場に連れていかれ何日もぶっ続けで働く訳にはいかない。なにより、そんな覚悟ができてない!シベリア強制労働みたいな絵が頭をよぎるまくる。

そして、5時では遅いという。
何時に寝ればいいんだろう。これまで泊まった西成安宿が、おおむね21時を過ぎると静まり返っているのも納得。


続いて、手配師っぽくはないが小道の真ん中でたたずんでいるオッチャンに尋ねてみる。

「今日はもう現金はないですかね?」

「そうやな、もう遅いわ。4時ころいくつかあったで!」

「そうなんですね」

「そこの角にバンが、三菱かなマツダかな?今年は29日まで来るって言っとったで。また、おいで!」

さっそく覚えたパワーワードをサラッと使うあたり、自分で自分を褒めてあげたい。


テナントっぽい場所でも聞いてみよう。
待合所ぽくなっており、表には求人票のような貼り紙が貼られた場所に灯りがついて、中ではオッチャン2人が話しこんでいる。路註の車ではなくて、こういう場所でも仕事がもらえそうに見える。

「すみません。コチラで日雇いとか募集してますか?」

「いや、ないわー。今日、働きたいん?」

「ええ、まあ(働きたくない!)」

「だいたいもう現金は終わったと思うけどねぇ。もう、ほら年末やし。もう少し回ってみられたら?」

「やっぱり、4時に来とかなイカンのですね」

「だいたいそれくらいかなぁ」

「わかりました!ありがとーう(本当にありがとー)」

「頑張りやー」


これは、もう終了と言っていいでしょう。
せっかくなので朝早く開いている喫茶店なぞで、西成モーニングでも決めよかな?そんなウキウキ気分。残念でした。

西成のオッチャンたちは、みなフランクで優しい。
あきらかな新参者の僕に対しても優しかった。その気持ちだけ持って今日は帰ろう。

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最後にひと声かけてみる

一旦、コンビニに行ってホットスナックでも食べたい。
歩き始めると、またバンが停まっている。そばには手配師とおぼしき40代くらいの黒ずくめの男性がおり、なにか声を発している。「仕事あるよ」と聞こえないこともない。やる気なさげ。

まっすぐ行けば、その手配師
左に入ればあたたかいコンビニ。からあげクン

なんの使命感か。僕は直進した。

「現金ありますか?」
一瞬いぶかしげに僕の風体を確かめた手配師は、

「はい。大丈夫よ。名前は?」
と答えた。

からあげクンよ!さようなら!
はじめての西成労働。「現金」仕事を見つけた。

 

¥1100「緑風荘」 西成安宿探訪 15日目

西成ホテル探訪・十五日目

うぃうぃっしゅあめりくりすます。世界中のすべての人が楽しくクリスマスを迎えられることを祈念しながら、今晩も西成。

大阪の繁華街である梅田にも難波にも、キタにもミナミにも、出かけていない。昼の仕事を終えて、いつものように「動物園前」駅で降りただけなので、街場のクリスマス感がわからない。
西成あいりん地区は、いつもの景色。

めんどくさそうな人

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今夜は、宿でクリスマス調理もしたいので、なる早で宿を決定したい。

「緑風荘」

は、アパートめいた名称で実際隣接するアパート、コインランドリーとつながったつくり。さっそく、一泊交渉。

「今晩、一泊お願いします!」

「え?あー、大丈夫。105ね。1100円ね」

受付には、中国人とおぼしき40代くらいの女性。後ろには老齢の男性の姿もある。
名前を告げ、当たり前のようにカギはくれない。保証金制度自体がないのか。館内の説明もまったくされない。かなりめんどくさそうに対応される。

1100円の売上では、その程度のホスピタリティしか期待できない。
とは、思わない。これまで、たとえ1000円を切る宿であっても従業員の方の対応が一様に悪いわけではなかった。

西成安宿を評価する基準は、清潔さや設備など多くの要素があるが大きなポイントは「人」。客として扱ってもらえる、丁寧に説明してもらえることはなにより大切だ。ホテルや宿に求められるのは、その誠実さではないか?受付の人の対応しだいで、その夜気持ちよく眠れるかどうかが決まる。この説明のなさでは、僕がドヤ初心者なら困惑しまくっただろう。
まあ、実際は、眠れるかどうか?は、畳と布団のキレイさのコンビネーションなんですけどね。

珍しかったのは、土足で館内に入れること。
これまでの西成安宿は、館内土足厳禁であった。考えればほとんどのホテルは、土足で個室内まで入れる。この地に宿に土足という概念が残っているのは、日本的な旅館文化の名残りなのかも知れない。

思わず、いつものクセで靴を小脇に抱えてしまったが、よく見ればスリッパもない。

「土足のままでいいんですね?」

中国人の女性には完全に無視される。なんかイヤなことあったんかい?負のオーラを振りまきなさんな!

なんらかの匂いに苛まれる

「じゃ、コッチ」

と、女性にうながされ部屋まで案内される。入口から伸びる通路沿い。扉の高さは180cmに満たない。

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畳みの色のくすみ方!い草パワーゼロ!

室内の天井はある程度の高さが設けられていて、三畳あるし圧迫感はない。
しかし、この香ばしい匂いはなんだろう。
汗臭さとも、加齢臭とも、アンモニア臭とも違う。その全部をかきまぜて濃縮したような淀みきったヘドロチックな香り。ある程度、この空間に身を置いておけば慣れるのだが、一度トイレなどに立って部屋に戻ると、一瞬「ウッ」となってしまう。まあ、慣れるけど。
ウンコが臭いときには、思い切ってウンコを鼻に詰めると臭くなくなるよー!的な。往年のツービートのネタである。完全に思考がオッサンである。

窓を開けても、すぐ隣の壁。喚起だ空気の入れ替えだ、と言ってもおそらくはこの匂いは消えないだろう。積年こびりついた香り。

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地上波のみが写るテレビ、布団、小机、灰皿、ハンガー、ゴミ箱。
最低限の備品。机があるだけ良心的か。
しかし、こんなに所有者を主張するテレビがあっただろうか。あらゆる場所に「緑風荘」。

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 床の黒ずみがスゴい。
お酢重曹を用いた自然派の掃除ではもう、おっつかない。畳表ごと変えるべき。

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ただ、意外なほどホコリや毛はない。掃除はキチンとされている。 
布団もキレイ!動物たちがさまざまにポージングするにぎやかお布団。そして、西成安宿で絶対にやってはイケない「布団の下チェック」も合格。汚く見えるかも知れないけど、掃除してる感はすごくあるんです。

今回は合格したからいいけど、コレやってさらに落ち込むパターンもある。いつだって、己が試される場、それが西成。

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汚いが、キレイ。というパラドクス

気になったのは、やたらコンバットやホウ酸団子みたいなゴキブリ対策グッズがスタンバっていたこと。このあたりは、土足宿の弊害かも知れない。しかし、幸いなことに奴らを見かけることはなかった。南京虫系も、いなかった。

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畳みの縁がガムテ―プで補修されている。せめて、紙ガムテではなく、布ガムテにして欲しいところではある。

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そして、暖房がガンガンに効いている。
壁のつまみも生きていて、夜中も動き続けていた。暑すぎて、切ったくらい。冬にはありがたい、夏場もこれぐらい冷房を効かせてくれるのだろうか。

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「写真撮ったでしょ?」

いつものごとく、館内を巡る。
この共同手洗い場を撮ったあと、

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受付から女性が飛んできて、

「あなた!写真撮ったでしょ?あなた、105でしょ?なにしてるの?」

と責められる。

「泊まった記録。記録用です」

と返す。

「キロク?何のため?105でしょ?部屋にいなさいよ!ウロウロ禁止!」

「思い出ですよ」

「はー?ま、いいわ。静かにしといてよ」

と去っていった。廊下の真上を見ると、ドーム型の監視カメラ。受付でチェックしているのか。

たまたま、その場に居合わせた仕事帰りらしき男性が、

「こんなとこ写真撮っても、しゃあないやろ(笑)」

とひと言残してエレベーターで消えていった。

という訳で、今回は画像少なめです。シュンとしてしまったので。共用スペースはあんまり撮ってません。

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はじめてのガス玉クッキング

「緑風荘」では、コイン式ガスコンロを使って、はじめての調理から食事を体験しました。クリスマスだから鶏肉を焼いた。
詳細は、以下で。

nishinari-lives.com

 明日に備えて。早めに眠、れなかった夜

土曜日に「どろぼう市」をのぞいたりしていると、平日でなくても日雇いの仕事はありそう、ということがわかってきた。

なので、明日、土曜日は「西成の日雇い仕事」を経験してみる。つもり。
早く寝よう。
と考えて、22時には布団に入った。

ただ、眠れない
試験の前日に、眠れないパターン。
でも、よく言います。「緊張して眠れなくても、横になっているだけで、休息にはなっていますよ!」みたいな受験生へのアドバイス
確かに緊張していたんだと思う。

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天井を見上げて、ため息をついてしまう。
なんで、こんなことしているんだろう…

部屋の壁には、誰かの手形が残っていた。

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はたして、翌朝、無事に起きて西成初仕事ができたのかどうか?

次回を待て!

(結局、2時頃寝ました)

 

 

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緑風荘

Google マップ

宿代:¥1100

三畳/コンセント4口/トイレ共同/風呂無/布団(キレイな動物園)/鍵無/内鍵/喫煙/灰皿/小机/一泊OK/夜間外出可(0:30まで)/ハンガー/棚/下足で入館/自販機(ジュース)/エレベーター/電子レンジ共同/ガスコンロ共同(コイン式)/TV/カーテン/個別空調/ゴミ箱/なんらかの匂い強め

 

清潔度 ★★★

フロント

サービス★★

価格  ★★★

総合  ★★

 

食費

若鶏ムネ肉  135円

味の素・オリーブオイル   308円

ハチ食品・塩こしょう   171円

コカコーラ・爽健美茶   84円

雑費

フライパン14cm   220円

アルミホイル   75円

ガス玉×2   40円

 

 

西成に落とした金額

計:2133円

 

クリスマス in 西成〜西成安宿で鶏肉を焼いて食う

クリスマス気分を西成で高める

2020年12月25日。
メリークリスマスです!

MerryChristmasの「メリー」って、「陽気な・愉快な・楽しい・浮かれた」という意味があるのですね。「ハッピーメリークリスマス!」などと言ってしまうと、「朝の朝刊」みたいな重箱表現になってしまう。来年からは気を付けたい。

クリスマスという日に予定が入ったことのない人生を送ってきたので、今年こそは何か思い出に残るメリーなクリスマスを過ごしたい。

そう考えながら、今日も西成安宿に泊まりました。

コイン式瓦斯焜炉

今晩の寝ぐら「緑風荘」には共同台所があり、「ガス玉」という一枚20円で購入できるコインを投入し、火を点すコイン式ガスコンロが設置されている。

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「ガスコンロ」と書くよりも、「瓦斯焜炉」と書く方がしっくりくるたたずまい。

少し、ロイヤルな雰囲気で王族の王冠にも似た風貌。ススだらけですが。
以前にも一度、着火をさせてみる、ことだけは試したがまだ料理をしたことがない。ここは宿の住人や宿泊客たちが、火と戯れ、思い思いの食事を作り、その日の腹を満たすためのアペリティフのお供をこしらえる場。火を使うようになって、人類は文明生活を手に入れた。ドミトリースタイルのゲストハウスならば、ここで恋とか友情が生まれる。のでしょ?

果たしてコイン玉一枚は、何分持つのか?

宿の受付で、宿泊料金を支払う際にコイン玉も購入したのだが、コイン玉一枚あたりの燃焼時間が不明。

「これコイン一枚で何分持ちます?」と受付の女性に聞いたら、

「はっきり、わからないね!5分?ラーメンは作れるから3分?わからないね!」

とハッキリ言われた。わからないのか!
なので、念のため二枚購入。

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ダイソー」で買い出す

西成あいりん地区から、JR新今宮駅の方に向かうと、ドン・キホーテのはす向かいに僕らの味方「ダイソー」がある。

はたして100均にフライパンってあったろうか。

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袋麺の焼きそばを、ふた玉いっぺんに作れるようなサイズのフライパンは500円もする。マーブルコートとか要らない。しかも、コレ持って帰るのか。要らない。

最小サイズ14cmのフライパンなら200円。
こんなサイズのモノ買ったことがない。14cmといえば、ナイススティックの半分にも満たない。しかし、このサイズなら持って帰るのもギリ許容範囲。

蓋も必要だ。
鶏肉の内部まで確実に短時間で火を通すためには、密閉するべきだ。しかし、14cm用の蓋などない。あきらめる。

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宿に戻ってから、持ち手にくくられたポップみたいなのを見たら「品質を見直しました」とある。200円で得られる安心感。

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スーパー玉出」で買い出す

地下鉄で職場から西成に向かっているときには、「クリスマスケーキ」を作ろうと思っていたのだが、さすがにハードルが高い。安宿の共同台所で、粉こねて生クリームをホイップするのか?何時間かける気か。
「ローストチキン」を焼くか。七面鳥仕入れるのか?下味とかどうするのか?そもそもガスコンロで作れるのか?何時間かける気か。

という訳で、ただ「鶏肉を焼く」ことにする。

宿から歩いて数分。いつもの「スーパー玉出」で若鶏ムネ肉。

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油はどうする?
ごま油が安価だが、ここはオリーブオイル。

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味つけはどうする?
塩コショウで十分だ。塩とコショウがいっしょになってるヤツ。

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フライパンの蓋がわりになるモノはないか?
アルミホイルにする。フライパンに巻き付ければ上手くいくだろう。

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今夜の宿代が1100円なのに、食材や調理器具で1000円近く使ってしまった。バランス!

ただ鶏肉を焼く

トイレや洗面場とガスコンロ設置場所が隣接しているのが西成安宿のスタンダード。
しかし、「緑風荘」は別!これだけでも調理意欲が増す。

電子レンジと調理場があるスペースがあり独立しているので、集中できそうだ。

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シンク下にガスメーターがあり、ガス玉の投入口があるので投入物と書かれたコインを投入。

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0〜5までの目盛りが刻まれている。
ガス玉を入れると1のところまで針が触れる。おそらく、この針が左回転していき0に達するまでガスが放出されるのだろう。しかし、単位がわからない。もし、1分だったら終わりだな。

ガス栓をひねり、オレンジのレバーを倒すとガス臭が漂いはじめる。
これまでコイン式ガスコンロを設置している宿には、チャッカマン的だったり、マッチだったりが付近に置いてあったので容易にスタートできたのだが、「緑風荘」にゃない!
仕方なく手持ちのライターで着火。火の勢いで右手親指を負傷したので、水にさらして冷却。ヤケドも料理の醍醐味。

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14cmフライパンを載せて、オリーブオイルを。
一応、フライパンは洗いました。手持ちのハトムギ洗顔料で洗って、手持ちのポケットティッシュで拭く。水滴を飛ばすために貴重なガスコンロからの火を使うわけにはいかん。

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鶏ムネを入れる。
少しはみ出す。けど、肉って焼くと縮みますから。きっとジャストになります。
昔、毎日見ていた『郁恵・井森のお料理BAN!BAN!』で、鶏肉を焼くときには皮目から!と言っていたのを思い出して実行。知識が人を助く。

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塩コショウで味をつける。
しかし、デカい塩コショウだ。西成安宿探訪を5年くらい続けないと使いきれない。

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アルミホイルで蓋をする。
内部まで効率よく火を届けて欲しい。

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ただ鶏肉が焼き上がる

どの程度ほったらかしておくべきなのか、わからないので度々アルミホイルをはがして、焼き色を見てしまう。絶対にキャンプで飯盒炊爨をしくじるタイプである。

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メーターの目盛りを確認しつつ、焼き色を見つつ、5分が経過。ガス玉一枚でけっこう持つ。
気付いたら火が消えていた。目盛りが0にはなっていない。目安かな、この目盛りは目安かな。

予熱に期待して、放置。
なんか宿中に匂いが回ってしまった。横の窓を開けて必死に換気。すみません。

焼き上がりです!

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ただ焼かれた鶏肉を食らう!メリー

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しっかり中まで火が通っていました!
美味しくいただきました!

この言葉を使うと、そう言っといてじつはゴミ箱に放り投げたかのように、この後スタッフが美味しくいただきました感が出てしまいますが、実際美味しかったです。

数週間前まで、西成安宿の空気にやられてこの空間で食事をすることも、あまつさえ眠ることすら出来なかった自分がいまや、肉を焼いて食っている。
みるみる成長している自分を感じます。成長と言わせて欲しい。

余ったガス玉は次の調理で、別の安宿で使います。
多分、どこの宿でも共通。フライパンとか油とか持って歩くのか。また荷物が増えた。

よく外国に行った時に、使いきれなかった現地のコインを持ち帰ることあるますよね。あの感じで財布にガス玉が入っていると、旅の上級者みたい。ぜひ、皆さんも西成観光したら実践してください。

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¥1800「ビジネスホテル 加賀」 西成安宿探訪 14日目

西成ホテル探訪・十四日目

 一泊2000円もしてしまったら、「西成安宿」というタイトルに反してしまう。
2000円つったら、だいぶと高いですよ。
「旅館 かなめ」三泊分。「新世界国際劇場」二泊分。「ヒルトン 大阪」1時間分。
しかし、今日はこの「ビジネスホテル 加賀」に泊まる。

そうなった経緯は、コチラでご確認を。

nishinari-lives.com

あらためて考えると、単純に僕の注意不足なんでしょうか。カルシウムも不足しているのでしょうか。気を付けます。イカサマとか言ってごめんなさい。

ただし今日は西成ダイエットとか関係なく、夜メシ抜き。なぜなら、宿代が高いから。ちょっと前まで、ホテル代に5000円とか払うのが当たり前だと思っていたのに、取り込まれると弱い人間。

反省しきりで、今夜の寝ぐら「ビジネスホテル 加賀」到着。

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看板には、1600円の設定もあるが楽天トラベルにはなかった。「1600yen~」の「~」の部分には上限を吸収する意味合いがある、と聞いたことがある。

ノーマルホテル式受付

入って右手には、ベンチがある。必ず持参した上履きと、ホテル内で履くスリッパを履き替える必要がある西成ドヤでは、嬉しい配慮である。

左手にある受付で、一般的な宿泊施設と同様、名前や住所など必要事項を書く。西成安宿探訪をはじめる前までは、当たり前におこなっていたこの記入作業だが、「お名前は?」と名字を聞かれて、即入館の西成スタイルに慣れてくると面倒極まりなし。
匿名性高く暮らすって、ラクです。
都市生活者の孤独を感じられる、というのか。

コロナ対策への同意をうながす書面にもチェックする。検温もおこなわれた。「新世界国際劇場」以来のこと。アレは純粋なホテルではないので、西成安宿では初被検温。35.8度でした。

LINE友達登録で安くなるプランだったので、その場で登録。その場で削除。
各種電子マネー決裁にも対応しているようだ。結果、楽天トラベルのクーポンも効いて、今夜の宿代は1800円。最高ランクの価格帯。1500円以下で抑えて行きたかったなぁ。

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クリスマス一色ショック

従業員の方がみなさん(翌朝の受付の方も含めて)、サンタクロースやトナカイが縦横無尽に駆け回るような総柄のシャツやセーターを着用。

この季節の街の風物詩、ピザ配達員の赤白コスプレに代表される「本人のやる気がともなっていないクリスマス装束」を西成安宿でも目にするとは!

ロビーには、クリスマス的な背景をバックにサンタの恰好ができる撮影スポットも設けられている。館内全体にも、22時までは古今東西のクリスマスソングがうすーく流され続けていた。
しかし、ホテル内ですれ違うのは、ジャージ姿で片手にカップラーメンを持ったオッチャンばかり。訴求のほこさきが迷子になっている現場を見ました。

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西成安宿的コスパとは何か?

マンションライクなエレベーターと廊下。三畳プラス玄関スペース、畳敷き、のしごくスタンダードな西成ドヤ。掃除は行き届いているし、布団やシーツも大変キレイだが1800円という価格に見合う部屋や設備か?と問われるとむずかしい。

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テレビ棚の白い汚れは、ホコリでもカビでもなく化粧材が研磨によって剥げている。
それだけ、掃除をしている証拠。表面塗装を重ねてメンテしていればベストだけど、仕方ないと思う。

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 ああー、棚の上とか汚いぞ!
とか、粗探ししないと欠点を見つけられないレベルでキレイです。

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テレビはCSやBSも受信。
アダルトチャンネルやギャンブル系の番組が見られる。アダルトチャンネルでは『笑点』や『大相撲中継』が放映されている訳ではなく、裸がぶつかり合うようなコンテンツが。裸でぶつかり合うのは相撲も同じか。画像は自粛。

温泉の無料券が付く

受付で説明されたのだが、このホテルが経営している銭湯が近くにあり、宿泊客には当日有効の入浴券が1枚もらえる。

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あいりん地区の近隣には、スーパー玉出が4軒も密集しているが、銭湯も多い。確認できただけで5つ。全国的に公衆浴場が減っていることを考えれば、驚異的な密集率。入浴料は大人450円だから1800-450で、宿泊料の価値を高めているという考え方もできる。

「ビジネスホテル 加賀」にも、21時まで入れる風呂と、23時まで(早朝は6時から)使えるシャワールームはあった。

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せっかくなので、銭湯「入船温泉」へ。
場所は知っているのだが、試しにホテルの人に行き方を尋ねると、大変丁寧に教えてくれた。ミステリーチェッカーみたいなやり口。
あんまり丁寧なので、「知っとるわい!」と怒鳴りそうになったが、まったくお門違いである。ありがとうございました!

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22時近くに訪れたのだが、男湯の客は10人程度。
洗い場の数も多く、湯舟も大きいので、ソーシャルディスタンス入浴。
男性客の4人がモンモン入り。和彫りの老人から、現代タトゥーの若者まで、上気した肌に美しい刺青が輝いていた。居合わせた僕が、銭湯内で必要以上に卑屈に振る舞ったのは言うまでもない。

入浴を終え、脱衣場のロッカーの前でウダウダしていると、背後の腰掛けに現代タトゥーのアンちゃんが不自然にコッチを見ている。
「アレ、僕もいつの間にか墨入れてたっけ?」と思っていたら、どうやら僕のロッカーの真下に彼の荷物が入っていたらしく、ウダウダを待っていた様子。

「ああ、すません!すません!すみませんでした!」と、卑屈に畳みかけると。現代タトゥーのアンちゃんはひと言、

「問題ねえよ!」と。
ありがとうございました!


帰り道の弁当屋が出したとおぼしきダンボール群が、昭和のスタント映画の撮影後のようであった。

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コイン式IH調理器と冷水機

ホテルに戻ると、「おかえりなさい!」とやる気ゼロサンタファッションの受付の人が声をかけてくれる。「ビジネスホテル 加賀」の受付は24時間対応してくれるようだ。これはもう受付ではない、フロント。

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6階まで客室があり、上層階ほど宿泊料金が高いようだ。
便所と調理場兼手洗い場がつながっている西成ドヤスタイルは貫かれている。が、ガス玉で火を点すコンロの代わりに、コイン式のIH調理器が!
これは進化なのか。停滞なのか。タイムパラドックス

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廊下には、冷水機!
なつかしい。飲んでみたが、青春の味がした。市民プールみたいな味。

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2大ミステリー

散策を終えて、部屋にもどってアダルトコンテンツなどをチェックしていると、首筋に何かが入りこんだ感触が!

わ!虫か!虫だわ!細長いタイプの!

と、着ていたアノラックをバタバタして、異常な恐怖を振り払う。

よく見たら、天井から伸びた電気のヒモだった。

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もうひとつ謎めいたことがあった。

僕の部屋は2階の廊下中央付近だったのだが、廊下の奥の部屋が少しドアを開けている。トイレや外出のたびに見るのだが、開けている角度が少しずつ変わっていた。
で、夜中にトイレに向かう時に見たら、
生白い足が見えていた。
単純に怖かった。

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ご覧いただけるだろうか?

血の気の引いた生青い足が。

ウソです。写ってません。スマホ取りに部屋に戻ったら、消えてた。

なんか怖かったです!ありがとうございました!

これからは1500円アンダーで回りますね

怖くてチビりそうになったが、大人なのでトイレに行きました。大人なので小便が近いです。

翌朝、フロントにカギを返すと「いってらっしゃいませ!」と声をかけられた。
ちゃんとしてる。ただ、僕の西成安宿探訪基準では高すぎた。

これからは、1000円前後の宿を狙っていきます。

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昨日お世話になった「入船温泉」は、もう営業開始してる。
「入船あれば出船あり」
この銭湯も宿と同じく、多くの人々を迎え、見送ってきたのだろう。

師走の1日が今日も始まる。

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ビジネスホテル 加賀

Google マップ

宿代:¥1800

三畳/コンセント5口/トイレ共同/風呂共同(21時まで)/シャワー(23時まで)/布団//鍵有/内鍵/喫煙/灰皿/小机/一泊OK/夜間外出可/Wi-Fi(やや効き)/ハンガー/棚/下足棚/自販機(ジュース・タバコ)/翌朝10時まで/エレベーター/喫煙所/お湯ベンダー/電子レンジ共同/IH調理器(コイン式)/TV(BS、CS )/フック/カーテン/エアコン/ロビー/異常にクリスマス感/Instagram・LINEフォロー登録でクーポン/コロナ対策/冷蔵庫/冷水機/受付終日/禁煙室あり/BGMもクリスマス感/銭湯無料券/個別空調

 

清潔度 ★★★★

フロント★★★★

サービス★★

価格  

総合  ★★★

 

食費

グリコ・マイルドいちごオーレ 108円
サンガリア・ポストニックウォーター レモン   90円
タバコ・アメリカンスピリット   570円

 

西成に落とした金額

計:2568円

 

【不泊】¥1000「ビジネスホテル 加賀」

年の瀬。年末。M-1終了。

人と関わらないまま、人と交わらないまま、2020年も暮れ行く気配。
敗戦処理めいた昼の仕事を終えてから、今晩も西成に向かう予定。

今日も、楽天トラベルで予約済み。
税込み1000円の宿、確保。

しかし、少し気になるウソみたいな部屋だったのです。
以下、スクショでご確認ください。

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「テレワーク喫煙室 布団無し」

そして、

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「このプランは宿泊ではございません」

との文言。一応、「ビジネスホテル 加賀」の宿泊プラン最安で出てくるんですけど。
「布団無し」だから、泊まる前提ではないのか?
もしかすると、夜中に放り出されたりするのではないか?

そんな一抹の不安を感じながら、昼の仕事の休憩時間に寝ていたら、電話が鳴った。
「ビジネスホテル 加賀」より着信。

「お客様、本日お泊りですか?」

「はい」

「ただ、お客様のお選びになったプランは。宿泊プランではございませんで、午後6時にはご退出いただくのですが、よろしいですか」

「ああ、そうなんですか。20時チェックインにしてるんで、もうその時点でダメなんですね」

「ですので、お泊りのプランを選び直して頂けますか?」

「はあ。では、ネットからキャンセルしておきます」

「よろしくお願いいたします」

 

さっそく、楽天トラベルからキャンセル処理をする。

と、キャンセル料が100%発生するとの警告が。

今度は、コチラから「ビジネスホテル 加賀」へ連絡。

「キャンセル処理したんですけど、コレ、キャンセル料かからないですよね?」

「いえ、当日の不泊の場合は100%の料金をお支払いいただきます」

「宿泊プラン、のなかにあったから選んだんですが」

「しっかりと、宿泊プランではございません。と明記しておりますが」

「デイユースプランなどの項目に入っていれば、当然選ばなかったんですが。チェックイン時刻を18時以降から選べるようにしているのも、誤解を招くと思いますが」

「いえ、しっかりと内容を読んでいただければ、ご宿泊の方がお選びになるプランでは無い、とお分かりになるはずですよ」

「はあ。では楽天トラベルから、宿泊プランを選び直せば良いのですか?」

「そうしてください。そうしていただければ、今回は特別にキャンセル料は免除させていただきますので」

「はあ。わかりました」

 

納得いかん。
けど、仕方ない。

他のプランは、軒並み2000円前後。
高い。高すぎる。ボッタ。
金銭感覚がおかしくなっている気はするが、西成安宿のレベルじゃない金額。

夜半に、西成に行って、受付で1000円札一枚ブン投げて、文句のひとつも垂れてくればいい。
けど、そうなるとプラスで他のドヤの金がかかる。

こういうイカサマめいた所業をかましてくるホテルにケリをつけるために、今夜は「ビジネスホテル ❝イカサマ❞ 加賀」に泊まろう。

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なぞの「LINE追加」プランが最安。2000円!ヒドいぞ加賀。

やりきれん。

西成安宿探訪、最高値の更新は、こんなやりきれない経緯でなされた。

西成に通い始めて、はじめてイヤな思いをした。

という訳で、宿としての評価は次の投稿をお待ちください。
無念。

 

 

¥1140「R Hostel Namba south」 西成安宿探訪 13日目

西成ホテル探訪・十三日目

カプセルホテルの誕生

 海外でバックパッカーが長期滞在する安宿といえば、「ドミトリー」スタイルが思い浮かぶ。大部屋に2段ベットがいくつも置かれていて、解放感はあるが、個人のプライバシーという観点では抵抗を覚える人もいるかも知れない。

これまで泊まってきた西成安宿には、このドミトリースタイルがなかった。
狭くても、1.5畳だろうと、虫がいようと、「個室」

太陽の塔で知られる1970大阪万博で建築家・黒川紀章が発表した「住宅カプセル」は、メタボリズムというキーワードで、都市建築には、有機的に代謝を繰り返しながら成長、改変、増殖できるシステムが必要であることを示した。その商業形態として完成したのが「カプセルホテル」だという。

以上、Wikiと検索の成れの果てで書いてみました。

ドミトリーINニシナリ

最盛期よりは、ドヤの数も、労働者の数も減少した西成あいりん地区周辺にあって、海外からの旅行者向けにオシャレな、カッコいいドミトリースタイルの安宿も誕生している。

個人的には、共同キッチンとか、ラウンジとかで、宿泊者どうしがカジュアルに交流をはかりながら旅先の一夜を過ごすというスタイルが苦手。

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こういう感じですよね。馴染めそうにない。

語学へのコンプレックス、汎アジア丸出しのルックスへのコンプレックス、話し下手・滑舌の悪さへのコンプレックス、などの表出を極度に恐れてしまう。年をとっていくらか「どうだっていいわ!」という投げやり精神がボリュームを上げてきたのでマシにはなっているが。

そんな洒落たドミトリーに今夜は泊まります。
宿泊料金も見事に、1200円アンダーですし。ドヤのなかでも、バリエーションは必要よね。

セルフエントランスに戸惑う

今回は、楽天トラベルで予約を済ませていたので、ダッラダラとあいりん地区のど真ん中にある R Hostel Namba south」へ。

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オシャレやん。

と、入り口の電子ロックが開かない。
チェックイン20:30で予約してたのになぁ。と、ピッキング素人がガチャガチャやっていると 、背後に人影。

「開きませんか?」

「いや、まだチェックインしてないんですけど」

宿泊客とおぼしき30代ばかしの青年が、ハイボール缶片手に立っていた。

「いっしょに入っていいですか?」

「いや、怒られちゃうんで。俺はパスワード知ってるんで」

「そうですか。電話してみます」

と、青年もガチャガチャやる。ピッキング素人だな。開かない。

「おかしいな‥‥」

大胆なピッキング作業を聞きつけて、中から人が。
後から、メールを確認したら、セルフチェックインの手引きが送られてきていた。オシャレ。

西成ドヤっぽくないチェックイン

受付の女性に促されて、住所や名前、連絡先などを記入。いつもの西成安宿のように名前を聞かれて、ハイどうぞ!スタイルではない。真っ当なホテル。
適当に記入。楽天トラベルで個人情報は握られているのに、二度手間を感ずる。説明の紙を読んでおいてくれ、と告げられ女性はパソコン作業に戻っていった。

ちゃんと書きました。適当じゃなく。ホントです。

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即寝。夜中起き

1階に、共同キッチンとランドリー。交流スペースが設けられている。キッチンの鍋には、おでんがあった。コレを囲んで語り合うスタイルが執り行われているのだろう。馴染めそうもない。

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こういう感じですよね。イケ好かねえな。

指定された2階に上がる。2段ベッドが10基ほど並べられたスペースの下段ベッドNo.9に滑りこむ。シーツや枕カバーは自分でとりつけるようだ、セルフシーツ。
木製のフレームのベッドに、少し寸法が合っていないマットレス、枕元にコンセント。適度な空調。

疲れているのは自覚していたが、ものの10分で寝落ちしました。

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寒くって、即もどる

2時を過ぎて、目を覚ます。
せっかくなので館内散策。

2階〜5階は客室。女性専用フロアもあるようだ。6階には、シャワールームがある。

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確かに清潔感はあるし、他の宿泊客も若い人ばかり。
ただ、この個人スペースで1140円なら、ほとんど同じシステムの一般的な「個室」西成安宿の方がリラックスできるかも。入口も、各階のドアにも電子ロックがかかっており、しちめんどくさい感はあるので、オッチャンたちが酔っぱらってから入場できる気がしない。
その辺も、ドミトリーやホステルは、オッチャンたちには、しちめんどくさいと思う。

6階の洗面スペースには、「耳せん」が置いてあった。
おそらくは、先ほどらいの僕の睡眠タイムには、ボエーボエーといびきをかいていただろう。どうぞ2階の他の皆さんは、僕のいびきを防ぐために、この「耳せん」を利用していて欲しい、と願うのだった。

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ドミトリーを僕がもひとつ好きになれないのは、自分のいびきの爆音っぷりを自覚しているからでもある。申し訳ない。けれど、申し訳ない。ホント、申し訳なく思うの。

真夜中というより、西成時間ではほとんど早朝に近い3時。
シャワーのあと、外に出てお茶を買ったついでに散歩していたら、日本語の教材が捨てられていた。向学心をもち続けるのは、とてもむずかしい。あんぱんを食べた勢いで捨てたようだ。

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30分ほど経ってホテルに戻ると、交流スペースに若い男性が二人いて、どちらもうつろな表情で酒を飲んでいた。
こういうときに交流せねば!

「こんばんは。寒いですね」

「そすね」

終了。

もう一度、寝ます。

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西成のホテルに泊まっている若者は、どんな目的でこの場所にいるのだろうか?

日雇いのオッチャン達よりも、その理由がわからなくはある。
かくいう僕も、名状できない理由でここに居るわけだが。そういった交流は次回に持ち越し。

取材が足らないなぁ。すみません。

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R Hostel Namba south

Google マップ

宿代:¥1140

ドミトリー/2段ベッド/コンセント2口/トイレ共同/シャワー共同(24時間)/布団/電子ロック/全館禁煙/一泊OK/夜間外出可/Wi-Fi/翌朝10時まで/ハンガー/フック/エレベーター/キッチン共同/コインランドリー/荷物預かり可/耳せん/タオルレンタル/年齢層若い

 

清潔度 ★★★★

フロント

サービス★★

価格  ★★★★

総合  ★★★

 

食費

サンガリア・いちご&ミルク 90円
サンガリア・あなたのお茶 90円

 

西成に落とした金額

計:1320円