2021年3月2日。
雨です。
西成は雨。
それは地球に住んでいる、僕らは宇宙船地球号の乗組員なのだから、天候は毎日変わります。
「いい天気」
がどのような空模様を指すのかは、主体によって変わる。農家の方にとっては恵みの雨が降った日が「いい天気」なのかも知れません。
しかし、西成日雇い労働に際しては、キビしい。濡れねずみで土左衛門。
もちろん、この暮らしを始めるにあたって、雨の日稼働を想定し準備はしています。
ただ、労働初日に雨はキツい。なぁ。
という訳で、今日も宿待機にします!
ヌルい。もう、手持ち5,000円しかないのに。
でも、5,000円も持っている。
と考えてみたらどうですか。大枚。
本当に愚図。すみません。
洗濯する
人は生きるだけで、息をするだけで、汗をかくだけで、あらゆる物を汚していく存在。
西成暮らしを始めるにあたって、おおよそ三日分の着替えと、現場作業用の上下を用意した。
洗濯機を個人所有できない生活においては、「コインランドリー」を利用することになる。
実際、あいりん地区にもコインランドリーが山ほどあります。そこで、洗濯→乾燥という手順を踏めば、太陽の香りに包まれたような乾ききった衣類が、この手に戻ってくる。
この金額も生活する上では考慮せねばならない。
毎日、洗濯→乾燥を繰り返していたら、洗濯破産です。切迫流産です。
この生活必ず付きまとう「洗濯」とどう付き合っていくか?は、この先の大きな課題。
連泊している「ビジネスホテル スバル」には各階にコインランドリーが設置。
こちらは200円4.5キロ相当の汚れ物を洗えるようです。
所持品を減らすために、100均で買った粉末洗剤を使う。酵素パワー。
本当は液体派なのですが、あんなもん持ち歩けない。
裏面の注意書きをよく読むと、
水で使用するのは、よろしくないよう。
そんなこといまさら言われても困るので、放出される洗濯水で溶かしながら目分量を投入。
東京にいる頃、クリーニング屋でバイトしていたことがあるのですが、基本洗濯は水だけでも相応の効果があるそう。むしろ、洗剤を多く投入することによる「洗剤残り」が衣類を消耗させると聞きました。
まぁ、でも3ポーズを着倒し、洗濯していく生活では、洗濯テクニック以前に衣類は目に見えて消耗していくことでしょう。南無。
宿のシャワーを浴びている間に、30分ほどして洗濯完了。
洗濯機には「21時以降はうるさいので、使用禁止」との貼り紙。
ここで乾燥機まで使用するのは贅沢に過ぎるので、居室内になんとか干していく。
干す
洗濯物を干すなら「ベランダ」。
しかし、そんなもの使えません。「ビジネスホテル スバル」の屋上には、洗濯物干しスペースがあることは昨日確認したのですが、ポッと出の一見が使っていいものではないでしょう。しかも、「もし盗まれたら…」という懸念も拭いきれない。
ここで、用意した洗濯ロープの登場です!赤コーナーから堂々の入場。
ピンチが数個付いていて、ロープ自体がゴム製のため壁のフックなどに引っかけやすい、はず。
ただ…これ一度マンションで試してみたら、洗濯物の重さでロープ自体がたわんでしまう。
なので、ゴムを可能な限り引っ張って、弾性を失わせた上で使用せねばならない。
こうですね。
今までの安宿探訪ではまったく意識してこなかったのですが、壁の両側にフックがなければ、洗濯ロープを渡せない。三畳の横幅を目一杯使って、一刻も早い乾燥を促すためには、壁の両サイドにフックが必須。
人生で初めて「フック」のありがたみに気付いた。
ハンガーとフックは絶対に宿には必要です。
そして、思ったのですがゴム製の洗濯ロープってどうなんだろう?
この程度の量だから、まだ均衡を保てていますが洗濯物が増えたら、たわみまくって沈没する。
そこで、近くのダイソーまで出かけてナイロン製の洗濯ロープを物色してみることに。
ゴムVSナイロン
これも知らなかったのですが、近頃のナイロン製の洗濯ロープって、ただのロープではないんですね!
メインロープの間に梯子状に細いロープが繋がっていて、その隙間にハンガーをかけられる。
また、この隙間を壁のフックに引っ掛ければ強固にロープ自体が固定される。
スゴいよ!
ナイロン製の、ユーティリティ洗濯ロープがチャンピオン。
だから、訂正します。
さっきゴム製の洗濯ロープが赤コーナーって書きましたけど、もといチャンピオンコーナーである赤コーナーから満を持して入場したのはナイロン製洗濯ロープ。
ゴム製は、青コーナーになります。
もう、ゴム製の方は捨ててもいい気がしますが、金属製のピンチが何かに使えるかも知れないので、一応取っておく。
『生きのばし』Theピーズ
僕にとっての座右のバンド、Theピーズの曲に『生きのばし』というのがある。
人生の諦念と、そのなかに仄かに湧き上がるちっぽけな僥倖を表現させたら、比類なきバンド。その歌詞に、こういうのがあります。
死にたくなる朝といる
乾け センタクもん で また明日
どこまでもぬるい景色
今にみろで過ぎていく
作詞作曲・大木温之
生きてるだけで、毎日洗濯物は増えていく。
洗って、干して、また生きていく。
明日は食べたい
という訳で、僕は何を書いているんでしょうか?
ブログを書いていたら、もう遅い時間。
日曜日の午後から何も口にしていないので(西成水以外は)、二日半絶食状態ですが、不思議なことに特に空腹は感じない。
ある程度、気が張っているからか。
明日こそ、働く。
おやすみなさい。
西成に落とした金額
アメリカンスピリット・メンソール9mm:400円
ナンバーズ4:400円
洗濯ロープ:110円
コインランドリー(洗濯):200円
食費
なし
所持金
4,713円