2021年5月5日。
もっと有益な情報を。
例えば「みるみるイチゴ鼻が改善!」とか「必ず収益が上がるブログ運営!」とか、ですね。
お送りしていかねばならない訳ですが、この『暮らす西成』から伝わる情報は、あなたの日々に潤いを与えること絶無。
同じ意味で、一応ブログの更新を報じるツイッター、twitter、トゥイッターも走らせているのですが、そこの有益性も絶対絶無。
ここでひとつだけ有益な情報をお伝えするとすればツイッターに似ている語感の
‘トゥインキー’ Twinkie
は、アメリカ発の駄菓子とケーキの中間を貫くお菓子。
アメリカ映画を観ているとしばしば登場する。
『ダイ・ハード』で、“拳銃を撃てなくなったトラウマを抱えた警官”を演じていたレジナルド・ベルジョンソンが警ら中に食ってたし、
『ゾンビ・ランド』では、ウディ・ハレルソンが、ゾンビだらけの荒廃した世界でトゥインキーを見つけて狂喜乱舞していた。
僕も一度食ったことがあるのだが、爽やかさゼロの、ただ脂を固めたようなシロモノであった。ただ、食というのは分かち難く記憶と結び付いているので、幼い頃から食べてきたアメリカ人にとっては離れがたい存在なのだろうと予想する。
日本で言えば、ジジイになってもスーパーの片隅で“シルベーヌ”や“バームロール”を見つけて、思わず買い物カゴに放り込んでしまう感覚に近いのだろう。
僕たちは、一生 ブルボニスト©︎三宅隆太 を辞められないのだ。
と言った形で、映画好きとブルボン好きをアピールしてみた。
国際劇場の常連さんと映画を観る
以前、国際劇場のブログをあげた際にtwitterで繋がったOnakin@Walkerさんと共に、コロナ禍で短縮営業中の「新世界国際劇場」へ行った。
オナキンさんは、かなりの頻度で国際に通っておられる方。
映画を観るのも勿論だが、その後上手く行けば劇場の方にお話を伺えればと目論見、そのためにオナキンさんの力を借りたのだ。チキンっぷりよ。
今週の3本立てラインナップは
『新感染半島 ファイナル・ステージ』
『リーサル・ストーム』
『ガンズ・アキンボ』
西成暮らしを始める前に『新感染』と『アキンボ』は観ているので、『リーサル』一本狙い。
映画を3本連続で観るというのは、けっこう体力が要る。
若い頃は、池袋の文芸坐で3本立てオールナイトなど鑑賞しても平気の平左だったものだが、齢46の身にはツラいもの。何もかもがツラくなってきた。
オナキンさんは朝イチから入場していたのだが、僕は『リーサル・ストーム』から入場。
上映が終わり、ロビーで待ち合わせした。
ちなみに『リーサル・ストーム』は、ストーム=嵐が完全に背景としてしか機能していないタイトル倒れのスジ読み楽勝な映画であった。すっかりB級な顔面になってきたメル・ギブソンのギャラだけが気になった。また、監督としてA級な映画を撮ってほしい。
嵐+ギャング+閉じられた空間+メル・ギブソン+警察+ナチ+猛獣…と面白くなりそうな要素をいくら掛け合わせても、一つの要素がゼロならば結果的にはゼロである。
いや、面白かったけど。
事前に「周囲から浮いているので、すぐ分かると思います」とメッセージを貰っていたのだが、確かにこんなに若い爽やかな青年は国際劇場にはいない。
ジャケットとか、黒いマスクとかしてちゃダメだ。ちゃんとし過ぎてる!
オナキンさんからは、「割と普通ですね。もっとヤベー奴かと思ってました」と第一印象を述べられる。若い身空で国際に通っている貴兄の方がよっぽど変わってる。
「人探し厳禁!」
なのに「人探し」してしまった。
申し訳ない。出会えたので
「後は楽しむ!」
雨もあり、連休中もあり、劇場は間引き座席ながらそれなりに混んでいた。
「ここって、スクリーンが少し暗いですよね。それだけが残念」
とオナキンさんに聞くと、
「館内が明るいんですよ。それで、スクリーンが暗く見えるんです」
「ああ、なるほど。館内を明るくしとく理由がありますもんね!」
と納得。
国際マスターの意見は正しい。
続けて、『ガンズ・アキンボ』を鑑賞(二度目)。
『ハリポタ』の影を振り払うように、特異なキャリアを突き進むダニエル・ラドクリフが選択しそうな、両手に拳銃をくっ付けられて殺人ゲームに強制参加させられるオタク男の活躍に途中少し寝る(二度目だから)。
続編が作られそうなエンディングであるが、きっともうラドクリフはシリーズ物には出演しないだろう。またきっとおかしな設定の映画に出るだろう。楽しみだ。
劇中「ネット沼から抜け出せた」という台詞があるのだが、「ネット沼」は「システム」の翻訳であった。
どこに居ても、どこに行っても、システムというヤツに足元をすくわれ、絡めとられる。
システムから自由になるには、死ぬしかないんだろうか。
とか。
ダメ元で取材依頼
夕刻に観賞を終え、『リーサル・ストーム』のポスターを売店で買うオナキンさんに便乗し、「今後の番組編成はどうなってますか?」みたいなジャブから、「劇場のこと少し聞かせてください」とお願いすると、売店の奥の事務所に支配人の方が招き入れてくれた。
実は、僕はその方が支配人かどうか、も分かっていなかったのだが。
コチラの失礼な質問にも気さくに答えていただけた。
その様子は別にあげました。
映画だけを観る。幸せな日
その後、オナキンさんと二人で、取材の成功に若干興奮しながらマクドに行き1時間ほど映画談義。
僕は働いていないので、絶賛絶食中だがオナキンさんは肉を固めたものをパンで挟んだモノや、ジャガイモを切り刻んだものを揚げ塩をまぶしたモノを食べていた。目に毒。
オナキンさんより、大阪の他のピンク映画館や国際劇場の過去の看板画像などを見せてもらい、またの再会を誓う。
あと、オナキンさんが僕の名前を「木下さん」と間違えていたことも、ここに記しておきたい。地獄耳。
西成で暮らすなかでは、国際劇場や新世界東映で映画を観ることは労働者にとって最大の楽しみだった時代が確実にあったんだろう。
時代は流れても、娯楽が多様化しても、この場所で映画を観られることは幸せなことだ。
使った金額
映画鑑賞代:1000円
マクドナルド・キャラメルラテM:260円
アクエリアス守る乳酸菌ウォーター:130円
タバコ・アメリカンスピリットライト:570円
所持金
198円