暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

西成で暮らす。82日目 「分水嶺はいつ見極めるのか」

2021年5月24日。

アクセサリーを身に付けたり、お気に入りのキャラクターのグッズを持ち歩くような暮らしはしていない。
唯一、例外はこの木彫りの熊。
すっかりタバではなくなった鍵束に熊を付けている。
ポケットに入れていると、熊の足や咥えている鮭の角張りが腿に当たって痛い。
しかし、時折、この木彫の熊をしげしげと眺めることで、数分の時間を蕩尽するのが常なので、持ち歩くことはやめない。

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夏場は、どうしたって薄着になるためポケットが不足する。

ウーバーイーツ稼働の際に、最低限財布やこの木彫の熊の付いたキーホルダーは身に付けていなければならない。
どうして人間の体には、ポケットがないのだろうか。
二の腕や胸元にそっと小物を忍ばせておけるポケットがあればいいのに。
洗いにくいからか。
ドラえもんへの最大の憧れポイントは、ひみつ道具を豊富に収納できる四次元ポケットだ。

 

西区のハンバーガー店に、しばしば料理をピックアップに行くのだが、そこの店員さんがおしなべてガッツリ刺青をしていてカッコ良い。
あの洋彫りのイカしたデザインの筋の一本がファスナーになっていて、木彫の熊や財布をしまっておければ、もっとカッコいいのに。

午前中はウーバー

「ホテルリブマックス 淀屋橋」の朝食ビュッフェ。
月曜日の朝は、人が少なかった。
とにかくレタスを何度もおかわりした。
1週間分のお野菜。
もう、今週は青物摂らないだろう。

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午前中は、パラパラと雨が落ちてくる天候。

4時間弱ウーバー稼働し、¥3,418也。

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引き返す勇気

気候が温暖になってくるにしたがって、虫たちバグたちも舞い踊る。

自転車を漕いでいるおりに、鼻の穴に飛び込んでくる虫もいる。
虫の闖入に気付いたら、即、彼奴を開放せんと鼻をほじるのだが、もう虫は鼻の奥まで進行してしまっている。
「そっちに出口はないのだよ」
そう、教えてあげたいが、きっと彼奴には伝わらない。
鼻の穴は出口であり、入り口である。

バンザイクリフ、トッコウセイシン

できればもう少し、自由に世界を飛び回り、次の世代へ命を繋いで欲しいのだが、僕の鼻にたまたま飛び込み、奥まで入り込み、身動きが取れずに死んでいく。

間違っていれば、そこで立ち止まり、分岐点まで引き返すという判断をすべき時に、そこまで進んでしまった己の労力に報いるために誤って突き進んでしまう。
登山で遭難してしまう人の心理も同様だという。
その実例は、
『ドキュメント 道迷い遭難』羽根田治
に詳しい。

登山行で道を見失ったときに、そこまでの成果を徒労であると認めたくなくて、ミスディレクションを重ねてしまい、遭難に至る。

これは、今日僕の鼻に飛び込んだ虫のことであり、僕自身の現在地の認識に近い。
間違っているのなら、引き返した方が良いのかも知れない。
そんなことを考えてしまう。

西成に帰る

土日分のウーバー収入を銀行からおろし、雨を避けるために天満橋の駐輪場に自転車を停め、地下鉄で西成に戻る。

 「パークイン」に投宿。

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なんと!
今回はエアコン無しの部屋を取ったのだが、扇風機が置かれていた!
手厚いぞ!パークイン。

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宿の畳にも、むっくりと起き出した虫が這っていた。

残念だけど、ここに来てはいけないのだ君は。
おもむろに虫を捻り潰す。
どこかで引き返せば良かったのに。

 

収入

31929円

 

使った金額

貯金:1929円
宿泊代:5000円
駐輪代:150円
交通費:230円
ハッシュドポテト:108円
ベビースターラーメン:216円(二個分)
うまイチュウ・みかん味:168円(二個分)
アイスココア:438円
塩キャラメルラテ:75円
アクエリアス・1日分のマルチビタミン:108円
タバコ・アメリカンスピリット1mm:570円

 

所持金

26,007円