暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

金沢への帰省で、ワクチンと哲分と美意識と甘味を接種あるいは摂取する ④

2021年10月9日

老境に入った実家の家人らの朝は早い。
もう、老境を視界に捉えた僕の朝も必然早くなる。
朝食はもとより、母が息子に3食食べさせようとするのが、不思議。
「もう、私一日一食よ。三食食うなんてブルジョアの仕草ですよ」
と発言して、白眼視されたので外出。

 

地方都市からのぉ

途中、小学校の掲示板にコロナ罹患者への白眼視を諌める旨の貼り紙。
事実、駐車場に置かれた県外ナンバーの車がコインスクラッチされたり、ノーマスク勢が叱責されたり、といった村社会丸出しの所作が横行しているようだ。
こんな時こそ、人品骨柄が問われるし、閉じてシュリンクして、老いさらばえていくのが、中規模地方都市の一般なのだろう。

そんな折、2020年に地方創生、文化地方発信的な意味合いで東京からやって来た「国立工芸館」へ。重文の十二の鷹がメイン。東京にあった頃から、やや地味な存在の施設であったと思うが、当地に移転してきてからも突出できていないような。展示室はさほど多くなく、作品数で圧倒されるようなボリュームがないから、疲れない。良い展示を浴びると、かなり疲労するものだ。

岩田藤七「彩色壺」

津田信夫「振威八荒」

和田絢太郎「GESCHIRR-ARCHETYPES」

「十二の鷹」には、スマホを使ったギミックも。

    

 

リターン式のコインロッカーにリュックを預けており、鑑賞後引き取りに行ったら、幼い童子がはみ出してしまっていた僕のリュック紐をガンガンに引っ張っていて、あまりに一所懸命な風だったので、声をかけられず、5分ほどロスする。システムに負けずに、大きくなれよ、少年。

 

地元の偉人、文人

地元に居た頃には、至近が過ぎてまたは、ある種値踏みした上でバカにしたような心持ちで訪れなかった施設を連チャンする。

金沢ふるさと偉人館
郷里の著名人をグロスで紹介している。

なぜか、湯川秀樹

ピンで勝負できる人物は、単体で記念館が興されている訳だが、コチラの施設は団体戦というか十把一絡げ的なマッチメイクが施されている。
ただし、高名だからといって、それが当該人物のイコール価値ではないであろう。

「単体」に飽きて、「企画」に流れ、「企画単体=キカタン」で再び女優至上主義に復古していくものかも知れない。これは、AVの話である。

 

中西悟堂は、客席目視カウンターでお馴染み「日本野鳥の会」創設者にして、「野鳥」という言葉を作った人物のようだ。知らなかった。

 

桐生悠々は、反骨のジャーナリスト的に知られているが、彼も、ふるさと偉人だったのか。知らなかった。

 

加藤せむは、女性教育に尽力したとされるが、その信念の礎には、良妻賢母の人づくりがあったようで、婦人運動や女性の権利獲得を目指した人物ではないようだ。なぜ、ふるさと偉人に選出されたのか、疑問の声もある。

 

短編アンソロジー小説を読むような楽しさのある施設であったが、今どきというべきか、生誕地と人物を結びつける、地域主義丸出しのコンセプトは如何なものなのか?
その地で産まれ、かつ当地で地域由来の活動を終生行った、ならばいざ知らず、たまさか産まれたのが金沢だっただけで、活動の主体は中央だった人々ばかりのような…。

 

顔ハメ看板や時代モノ衣装体験など、趣向が凝らされた撮影スポットを館内に用意する施設も多いが、「金沢ふるさと偉人館」の仕掛けは、
表彰台
であった。謎。
限られた予算内で豪奢な企みは困難としても、もう少し頑張れ!

 

三文豪を更新する

傑物や横並びの有象や戦略的な推しを、3や5や7や10や12といった頭数で括るやり口の中でも、「三大ホニャララ」というのがモーストポピュラーなマナーであるが、金沢には「金沢三文豪」というテーゼが存在し、街中にあった三文豪の銅像の眼鏡がしょっちゅう地元民の破壊衝動によってデストロイされる事象も懐かしみーである。

泉鏡花
徳田秋声
室生犀星

上記の三人が、金沢の産んだ三文豪とされる。
「三大ホニャララ」として固着されたイメージは容易に覆らないが、現在視点で眺めれば、「金沢『新』三文豪」は、

唯川恵
桐野夏生
本谷有希子

上記の方々になるのではないかと思われる。みんな女性。3人ともスゴい作家。いかに金沢の男が近世以降クソか。クソなのか。クソなのだ。
本谷有希子氏は、金沢市ではなく「白山市」出身だ!という異論は、「松雪泰子も佐賀 公表してねぇ」のパターンでギリ許容されると思われる。

 

という訳で、昨日は泉鏡花先生を消化しているので、残り二文豪。旧の方の。

 

nishinari-lives.com

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徳田・室生 両先生に気付く

「徳田秋声記念館」
は、三文豪の記念館のなかで最もロケーションが良い。
ひがし茶屋街の外れ、浅野川沿い。気持ちいいですね。

どんぐり、ですね

建物も洗練されてるなぁ。
作家性と建築を同期させているのかも知れません。鏡花記念館は和風味が強かったから。
徳田秋声は、自然主義なので、モダン優先な和洋折衷。イメージですけど。

恥ずかしながら、ミュージアムショップで秋声の『感傷的の事』買って、河原で寝転がってチビチビ読書しましたが、びっくりするほど読みやすく、あけすけで闊達で面白かった。
さす「三文豪」の一翼。
「金沢『シン』三文豪」は、

唯川恵
桐野夏生
徳田秋声

で決まり。本谷さんは、白山市出身なんで落選。勝手言いました、すみません。

 

「室生犀星記念館」

自転車を走らせて、浅野川から犀川沿いへ。
川のある街っていいですよね。お前、さては実家に帰りたいんだな。
西成に疲れてんだな。うるせ、バーカ。

「ふるさとは 遠きにありて思うもの」

っての。コレ、室生犀星の、なんですね。「遠くで汽笛を聞きながら」はアリスの、ですね。
もう、老人ですね。思い浮かぶものが、イチイチ古くて、いっちょん更新されていない。あとは、死ぬだけですね。

字面もイイです。よい。

「うらぶれて異土の乞食となるとても」

ほぼ今の竹下ですね。
でも、

「帰るところにあるまじや」

帰っちゃダメなんですね。帰っちゃダメなのかよ。
厳しいな犀星。
だから、「ふるさと」は「遠く」にあって、「思ふもの」な訳か…
人生って厳しいものですね。たしかに帰る場所なぞ、いずれ失くなって、畢竟「咳をしても一人」に達する。のだし。

 

改めて、文豪の強度に触れて再発見。
「再」どころか、これまで見つける努力もしていなかった。
三様で見どころも多いんで、金沢に来たら、三文豪の欠片に触れてみていただきたいです。

 

室生犀星記念館のトイレで「一歩、前へ!」ウォーニングポップ収集。
小便器の足元をベシャベシャにする極悪人に警鐘を投げかけるメッセージを撮り溜めて20年になります。もう、死ねばいいような趣味。きっと。

 

本読んで、寝る

決してけして甘えちゃいけない場所たる実家への帰路すがら、「金沢」という地名の由来となったとされる芋掘藤五郎菩提寺的な寺に寄って、帰還。
けっこう良い観光コースじゃないか。模範的。

 

秋声完読して、『はじめての動物倫理学』完読して、母ちゃんに両面焼きの焼きそば作って一緒に食って、就寝。

 

じゃあ、ふるさとを袖にして、西成戻ります。
厳しい人生の再開。
「ふるさとは遠きにありて思ふもの」


金沢への帰省で、ワクチンと哲分と美意識と甘味を接種あるいは摂取する ③

2021年10月7日

実家に戻り、しこたま寝て、元気いっぱい勇気リンリンであちこち出歩きたかったのだが、完全にワクチン副作用で一歩も動けず、結果またしてもしこたま眠る。

夕刻過ぎて、夕飯の買い出しに近所のひまわりチェーンまで出かける。
が、ふらつく。
しかし、湧き上がってきた北風に身体を持っていかれるほどヤワな見た目をしていないクソデブな訳なので、客観視すれば、機嫌の悪そうな贅肉オバケにしか見えないのが残念。

おそらくというかほとんど確信を持って言いたいのだが、
「ワクチン打ったから、なんすよ…」
「ワクチン打ったら、ホラ!副作用出てんすよぉ!」
という免罪符を天高く掲げていて、そこに甘んじているだけ。
きっと、ただただしこたま寝たかった。だけ。に違いない。

米袋10キロを背負って帰宅したのだが、いつまで経っても母親がネットスーパーおよびネット注文で食料を調達しないことに腹が立つ。アンタの様な体力の衰えた老婆こそが、配送業者さんに頼らなきゃ。そう何度も言うが、口に入れるものは直接手に取りたい、という因習は改善されない。

 

10月8日

いつもいいこと言ってる寺ポエム

映えこそ全て

アートに溢れる街、アート心を持つたおやかな人々で溢れる街、ということにしたい感じが満ち満ちている虚飾town金沢。
に、2000年に爆誕したKAMUという多拠点アートスペースに赴く。

21美からほど近いので、流れてくる観光客も多いのか?と思いきや、コロナっているので僕一番乗り!2000円也を支払うと4つの展示会場を巡れるとのことだが、各地点が微妙に遠いし、時間も限られているので全クリは結構大変。
今日は1/4がクローズとのこと。

とにかく「映え」を意識的に取り入れている作品ばかりなので、カメラロールの補充が捗ってしょうがない、な。

マップはもらえます


はてなブログで、画像を横並びに配置できることに、今の今気付く。
スクロールって面倒だものね。
バリューの薄い画像は小さくすれば良いのだな。だね。読んでる人の負担を考慮したブログ構成にすべきだろう。皆様は、腐れ三下の思うさま撮った画像を逐一眺めるほど暇ではない。
KAMU Black Blackと称された部屋での、真っ暗の空間にレーザー的な演出がバチバチ迸るヤツの呆気なさにややガッカリして、数年前に瀬戸内国際芸術祭で体感したボルタンスキーの株が相対的に上がる。真っ暗な空間で、コケ脅し以上の感慨を得るという意味で。

benesse-artsite.jp

 

デザインを愛でる

続きまして、金沢美術工芸大学で長年教鞭を取った柳宗理の記念施設「柳宗理記念デザイン研究所」へ。

学生の頃、柳宗理のデザインしたスプーンを手に入れて、それ一本で全ての食事をやり過ごしていた時期があったのだが、スープは掬いにくかった。浅いから、全然掬えない。
ただ、スプーンとして、それに惚れていたので、無理無理時間をかけてスープを飲んだ。
デザインを優先して、食事のセレクトが後ろになる、というのは本末転倒。ではなく、生活の潤いとして、好きなカトラリーを使うことが、食欲よりも前に来るという経験。

ちなみに、「Jリーグチップス」が嫌いな人はこの世にただの人っこ一人も居ないと思うが、もちろん付属のカードで、勝矢反町モネールあたりを引き当てることが主目的だったので、いきおいチップスの方の消費がおろそか且つ滞る事態が招来。
そんな時は、丼鉢にチップスを砕いて2,3袋分貯め、そこに粉末をお湯で溶かすタイプのスープの素を、チップスの塩分および油分を考慮しつつ規定量よりもかなり少なめに投入し、「Jリーグチップスープ」をこさえることで、チップスの消費効率を格段に上げられることを、Jリーグチップスファンの方にはお伝えしておきたい。
驚きを与えることになるかも知れないが、この「チップスープ」戦略は、「プロ野球チップス」や「遊戯王チップス」あたりにも有効なので、活用されたし。余ったチップスを川に投げ捨てたりしないでください、絶対に。
チップスープもたくさん、柳宗理のスプーンで食ったなぁ。チップスのおかげでスープも掬いやすくなったし。

工業デザイン製品には、買えて使える!喜びがある。
僕のような無粋な人間が、美術ともっとも近接していたのは、柳宗理のスプーンを愛でていた時期なのではないかと振り返る。
今では、毎日使い捨ての割り箸で、半額惣菜をやっつけるだけの体たらく。

バタフライスツールも欲しかったな。「結婚して、持ち家でも持ったら、ファニチャーにも金を掛けてバタフライも買うんだ!」とか人生を楽観視していたあの頃の自分をどやしつけて、自殺に追い込みたい。

バタフライスツールの座り心地も確かめられます。

 

そのまま、ついでに裏手にある「泉鏡花記念館」にも入る。
鏡花作品の口絵を多く担ったという鰭崎英朋の画が素晴らしく、ちょっと衝撃を受けた。
特に
『続風流線』のモノ。劇画的つまり劇的。

shinju-oonuki.hatenadiary.org

 

圓八のあんころ餅

金沢駅まで自転車を転がし、目当てのあんころ餅を求める。

あんころと名の付く商品は、市内のお土産モノ売り場に数多転がっているが、「圓八」のあんころだけが、金沢の誇り。

これを食ってしまうと、赤福がガキのおやつの粗悪品としか思えなくなる。
上品な甘さとほど良き食感。「これに比べると、赤福ってのは…」と赤福ディスを始めてしまうのは、大変下品。赤福赤福でいいよ。猪木風に言えば、「お前は、それでいいや」である。

一般的な和菓子の例に漏れず、圓八のあんころ餅は足が早く、当日中消費が絶対であり、もっといえば製造から分刻みで、餡の風味と餅の柔軟性が失われていくので、遠隔地からの土産物に適さない。
金沢駅には、朝8時ごろには商品が到着する目安なので、お昼前には手に入れたいところ。
近頃は、買える場所も増え、手に入りやすくなったが、数年前までは売り切れ必至の人気者であった。「関西圏に山ほど、売るほど、転がっている赤福なんて…」とまた赤福ヘイトに陥ることは、避けなければならない。赤福は、「赤福食うよぉ」って気持ちで食えば、それなりに美味い。それでいいじゃないか。
どちらか一方を下げることでしか、もう一方を讃えられないような論法に説得力は無い。
よって、ここまでの語りに利はない。
食べればわかる、食べてもらうしかない。猪木風に言えば、「ゆけばわかるさ」である。

 

帰宅後、母と妹と連れ立って回転寿司を食す。
田舎で過ごす夜は早い。

 

nishinari-lives.com

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金沢への帰省で、ワクチンと哲分と美意識と甘味を接種あるいは摂取する ②

2021年10月6日 ②

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から続き。

西成の話を書けよ。西成を。
という声が聞こえてくる。というか、過疎っててそげな反響もないわけだが。
全く更新しなくてもなんとか、¥3000/月 あたりをキープしていたgoogleアドセンス公序良俗違反的に停止されてしまって、僅かな収益化も見込めない。
誰も読まないことを想定して書いて、誰かに読まれたらそれでいいじゃないか。
2年前のことを今書く記録。グズが。

 

ブラザー大拙

西田幾多郎記念哲学館では、同郷同時代の哲人である鈴木大拙と西田の交流に多くのスペースを割いていた。
感化されたのでそのまま、金沢市内に戻り鈴木大拙館へ向かうことにする。
コチラは市内中央にあるので、何度か行ったことがある。展示内容自体は薄めで、施設そのものが大拙の思想を体現している感のある館。
設計は谷口吉生。直線的なラインで構成される建築物を多く手掛けているようだ。

畳貼りの腰掛けスペースのある思索空間から、水鏡の庭を眺める時間を楽しめるかどうか?
これが、大拙館の醍醐味であり、全て。

水鏡の庭の水面に、時折波紋が浮かぶ仕掛けが、あざとい。

あざといっていやあ、丸ごとあざとい。
それでいいのかも知れない。

至近の大拙

大拙館から徒歩数分の距離には、大拙生誕地に銅像
大拙館の訪問者も意外と足を運ばないスポットなので、行ったら良い。
時間帯によっては、狭い路地を付近の学生連中がバンバン自転車を飛ばしてくるので、気を付けられたし。臨戦態勢をとれるならば、ビニール傘様の懲らしめ棒を奴らの運転する自転車の前輪に突っ込んで、転倒させてやれば良い。人生はゲームだ。

 

途中から見る/途中を撮る

さらに徒歩数分の、金沢21世紀美術館にて「コレクション展・Inner Cosmology」鑑賞。

 

常々感じているのだが、美術展におけるビデオ作品。ビデオインスタレーションっていうのでしょうか。
アレって、大抵展示室に入った時にはすでにスタートしていますよね。
丁度よく作品の始まりに、でくわすことはまず無く、途中から作品を眺めることになる。
アレってどう捉えたらよいのでしょうか?
ビデオ作品には固有の時間の流れが存在するが、それと展覧会を進む私の時間の流れが同期することはなく、途中から観てエンドまで達し、また途中までを観る、あるいはビデオ作品の時間に寄り添えなければ作品鑑賞を放棄することもある。

絵画や彫刻作品ならば、作家が提示した創作物を、私には任意の時間をかけて味わう自由が与えられている。しかし、ビデオ作品に関しては、私は作家あるいは美術館の提示する時間とタイミングに縛られることになる。それは、ビデオ作品を製作した作家の本意なのか?
といって、上映時間などを明記し、展覧室への入場を制限することで、展覧会自体の持つ展示の流れを遮断することが正しいのか?
美術展でビデオインスタレーションにでくわす度に、「これってどう捉えればいいのかなぁ」と迷う。己の時間というものに異常に意識的な現代的の我々にとって、ビデオ作品の鑑賞態度は如何にすれば良いのか、いつも迷う。

 

写真をカメラで撮る
という行為も、ブレッソン的な「決定的瞬間」という神聖らしき行為から今やズレ、延々と撮り続けた動画から一瞬を切り出す作業に変換されている。それは、スマホを被写体に向け続け、ある一瞬を撮影者が切り取るという作業への変換。
写真をカメラで撮る
という行為と、
スマホで画像を抑える
という行為には、時間の流れに抗えなくなって、堪え性がなくなった我々の怠慢が表れているような気がする。
その辺のことに気付かされたのは、ニューQという雑誌のポッドキャストでの写真家・山本華の発言であった。

open.spotify.com

 

ここ数十行のような、クソみたいな自分語りに絡めた何かを言ってるようでその実何も語っていないゴミを書くから、誰も読んでくれない訳だ。
やめてしまったらいいよ。ゴミ。

 

コロナ禍の影響もあり、人がまばらの21世紀美術館であった。
このままディストピアが続くのも悪くない。

ミュージアムショップも閉鎖されており、この世の終わり感が強かった。

 

金沢カレー・ノー・GOGO

21美を後にして、徒歩2分の「ターバンカレー」で、ハンバーグ+とんかつ+ウインナー乗せに、無料のwithマヨネーズに歓喜しながら、完食。
バカみたいなトッピングに、さらにバカのダメ押しでマヨを重ねるというバカみたいな食事。
ターバンカレーは正統な金沢カレーなので、ゴーゴーカレーなんかとは雲泥。
バカみたいな味で、美味いのがターバンやチャンカレ
バカみたいな味で、美味いけど嘘つきなのがゴーゴーです。
東京や大阪に居て、仕方なく食うなら良いけれど、金沢までえっちら来て、「金沢カレーだー!」つって、ゴーゴーカレー食う人はどうかしています。

 

2回目のワクチン接種

新竪町のオヨヨ書林を流して、19時予約のワクチン接種会場 金沢市役所第二本庁へ。

オヨヨ書林は、やっぱり圧倒的にせせらぎ通り店の方が充実している。
ここはもう来なくてもいいのかも、と思いながら突然変異で異常に書棚が活性化することもあるので油断できないのが古本屋という奴だ。にくい奴。

1回目の際には、予約も激混みで接種会場も活況を呈していたが、すっかり沈静化した模様で、滞りなく注射を打たれ、実家までの帰路でミスドでチョコファジシェイクを飲み干して、から風呂入るのんやめて就寝。

完全に茶色いモノしか摂取していない。

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これまでならば、ここより↓に「使った金額」とか「収入」とかを明記していたのですが、リニューアルして省略します。していきます。
何故なら、ここが一番面倒だったから。
これからは、貧した時には本文で触れます。鈍すれば没します。
以上

【西成のお店】味の秘密などないお店。「ホルモンうどん きらく」

ホルモンという呼称の由来が「放るもん=大阪弁」に起因しているというのは全くの俗説に過ぎないという事を今一度確認せねばならない。それは、「ホルモンなんてお下劣なものを嬉々として食っているのは、下賎な輩である」という岩盤状の強固な差別的バイアスによるものであろう。

 

ちなみに、マンガ家のことを「先生」と呼んだのも、漫画というジャンルに対する世間の軽蔑への抵抗言説であったと考える。今では、そんな偏見も薄まったように思う。マンガ家ほど、「先生」と呼ばれるに相応しい労力と情熱が必要な仕事は無い。

かつて、テレビ番組で「先生!」と名指しされた山城新伍が「先生と 呼ばれるほどの 馬鹿でなし」と眉間に皺を寄せて応じ、「先に生まれただけの何が偉いの?」と喝破していたことを思い出す。先に生まれても何も成していない私のような愚物もいるよね。

 

ホルモンは、ギリシャ語で「刺激する・呼び覚ます」を意味する「ホルマオ」を語源とし、「身体を活性化させる」というイメージで英語の「hormone」と結びつけられた、らしい。
こっちだって通説であるが、面白くない分「放るもん」説よりは確からしく思える。
面白っぽい話は大抵ウソ。現実は、クソ面白くもない。

 

西成界隈にはホルモン料理の名店がそこらにあるのだろうが、大概アルコールとセットなのがイヤ。酒の肴としてではなく、ダイレクトに臓物食いたい。うどんと食ったら最高だろう。なら「きらく」だろう。そうだろう。

maps.app.goo.gl

 

食材は玉出

開店時間の8時半ちょい前からスタンばってたら、8時過ぎに女将さん自転車で登場。
前カゴには、玉出ロゴマークの入ったレジ袋。地売地消。

屋号の入った暖簾が掛けられる。
さっそくに慌ただしく準備を始める女将さん。外まで勢い良く湯気が流れ出る。
店の隣、朝から缶チューハイいってるオッチャンと、

「まだまだ、一日長いなぁ」

「まだ始まったばっかですよ」

という、『キッズ・リターン』みたいな会話で様子見。

 

「もう。イケますか?」

「ああー、どーぞー!」

「ホルモン、うどん。ください」

 

ところで、大事な暖簾が軸にからまって、店名が読めない。
あえてかもな?でもな。聞いてみたらいいよな。

「暖簾は、こう(丸まりを解く手振り)せんのです?」

「あれはな、背ェが届かんの!」

じゃあやりますよ!ってんで、「きらく」を開陳。

「ありがとう!背ェが届かんからねぇ、えらいこっちゃ(笑)」

スタンダードな状態の暖簾

玉出の袋から取り出されるうどん玉。ネギも。
早朝からの営業には、スーパー玉出の存在は大きい。

「いつもこの時間からですか?」

「そう、8時半から。夜も8時前くらいやけど、しんどい時はもうな。閉めてまうの」

「昨日、夜通りかかったら閉まっとった」

「あら、ゴメンねぇ。通しでしとるからな。しんどい時はなぁ」

「夜は暇なんですか?」

「来ることは来るけどな、もうこんだけ稼いだからエエわ、って」

 

湯がかれる玉出うどん。
いかにも、夏場はしんどいの極みを迎えそうな厨房。

「これは暑い時期は大変そうですね?」

「これはもう、ねじり鉢巻!背中にタオル入れてな、頭には鉢巻してな」

 

「厨房写してもいいですか?」

「エエけど、鍋の中はダメやで。よく(撮影したいって)言われるんやけど汚いだけやからな。鍋の中は断ってるんよ」

鍋の中は写ってないですね

「秘伝?なんかないよ(笑)」

注文して3分で着丼。

いかにも、これは美味そうでしかない。そして、見た目通りの味。文句なし!

ホルモンうどん(一ツ玉)¥350

「美味いでっす!」

「ありがとー」

ホルモン一皿を追加。

ホルモン ¥150

テレビからは大谷翔平のニュース。けっこうなボリューム。
それに負けないよう、一際下品に音を立てて麺を啜る俺。「美味いです!」の後、うまい二の句が継げないので、その代わり女将さんに届け!って感じで音を立てて麺を啜る。
そんな自意識に辟易してきた頃に、女将さんから天使の一声!

「これ、サービス」

なんと、完璧なホルモン三昧定食が完成です。
あざっす!

 

「これやっぱ、伝統の?秘伝の味付けなんですか?」

「秘伝?(笑) そんなんないよ。ホルモンに、塩と醤油、あと味の素ちょこっと振りかけるかな。でも、その日の天気?天候?によって味付け変えてるわな。みんなな「秘伝あるか?」ゆうて聞いてくるけど、秘密なんかあるかいな(笑)」

 

白ごはんにホルモンぶっかけるか、
うどんの残り汁に白ごはんブチ込むか、
悩みましたが、結果、うどんの器に白ごはんもホルモン一皿も全部ぶっ込んで、よくかき混ぜて、かきこんでやりました。いやー、満足。表現力は絶無だけれど、美味かったです。

この手のねこまんま的食い方だと、
 古市コータローが「ペヤングのソースをかき混ぜない」と公言していて、「薄いとこと濃いとこがあるからいいんじゃない」らしく、
さまぁ〜ずの二人が、「卵かけご飯をまばらにしかかき混ぜない」ようで、「薄いとこと濃いとこがあるからいいんじゃない」らしく、
それが粋な食べ方だと思う。思うけれど、実践は出来なくって、僕は均一になるようにかき混ぜてしまう。最初の一口と最後の一口の差は、ごちそうさま!までの距離感だけ。
もう少し、年取ったら「かき混ぜ不足」で食えるようになりたいです。

 

続けることが秘伝です

女将さんのワンオペで通しの12時間営業。
確かにしんどそうだ。

「元はご夫婦でやっとったんですか?」

「そう」

「亡くならはったん?」

「元気なことは元気やけどな、自転車旅行で足ぃ悪うしてもうてな、今歩くんで精一杯や」

2人でやってたのを女将さんが1人で引き継いで、なんでも無さそうで秘密なんかないけど、間違いなく美味いホルモン。
夜閉まってても、ノークレーム。確実に食らうなら早朝に。

「ごちそうさま。また、次も暖簾ひっくり返すのやりますわな」

「ハハ、ありがとう。おおきに。またおいで」

 

 

金沢への帰省で、ワクチンと哲分と美意識と甘味を接種あるいは摂取する ①

2021年10月6日

時間というものは…

時間というのものが儚かったり、忙しかったりすることは、横山剣氏の歌声を持ち出すまでもなく自明です。随分と時間が経ちました。ちょっと転がった幸運の果てに、或いは不幸の掃き溜めの底に、まだ、未だ僕は西成界隈に居ます。やめない限りダラダラと続いていくのですね。※2023年9月30日現在

あまりにもひっさびさにブログを書いている為、全く筆が進みません。
ここまで書くのにゆうに40分を費やしている惨状です。
テメエのことを書くのが、イヤなんでしょうね。
あまりにひっさびさにブログに手を出して、手汗ビッシャビシャなので、ブログ上のペルソナを忘却していました。なんか、ですます調は使っていなかったようです。ので、以下少し小無礼調になる。無礼講よろしく。
何事もなかったかのように、「続き」に取りかかる。

 

open.spotify.com

 

キタローに会う

高速バスに揺られて、金沢駅着が午前6時前。

2回目のワクチン接種予約時間は夕刻なので、そのまま在来線に乗り換え宇野気駅へ。

金沢市では、学生を対象に高峰賞という理系若人を青田買いする類の褒賞があって、僕も中学生のみぎりにまかり間違って、「お前は有力候補だ!」と梯子をかけられた経験があるのだが、その審査基準は完全なるブラックボックスだし、バキバキにドドドブ文系だったのでおかしいと気付くべきだった。結果、出席番号がひとつ違うだけの友人が受賞した。

彼の受賞後、「賞金出るんですってねぇ、お兄さん」と友人たちとよってたかって、彼を包囲して片町でミスドを奢らせたのも良い思い出である。ゴールデンチョコレートをね。
思えば、僕の負け犬人生はその折とっくに加速していたのであった。巻き戻したいなぁ、A面の1曲目のアウトロあたりまで。

 

石川県の生んだ渋めの偉人といえば、先の高峰譲吉中谷宇吉郎であるし、なかやんに至っては北陸の豪雪地帯で圧倒的な悪者である「雪」という存在に結晶の美しさというメルヘンをふりかけることでファンシーな位置まで引き上げた功労者なので、2034年あたりにNHKの朝ドラで取り上げられることが決まっているという伝聞を仄聞している。NHKが存続していればね。

そして西田幾多郎も郷土の偉人、哲人。2035年の朝ドラモデル候補。2年連続である。
西田の記念館に初訪問するために、金沢から北上して、かほく市宇野気駅で下車。

宇野気→うのけ
と読みます。カードゲームUNOの由来となってはいません。けして。

 

駅前には「世界的」と推してくる西田の銅の像。
糞害の痕跡もなく手入れが行き届いている様子。愛され幾多郎。

駅前から記念館までは徒歩20分。
途中、崩落気味のお菓子自販機を発見。出立ちはブルージーだが、意外と売っているものは保守的。

少し寂しい街並み。
ですが、寂しさにかけては僕だって負けない。という気概。

 

徒歩20分の距離を約20分で歩き終えましたが、開館時間まで小一時間あったので、公園で喫煙して読書。
車はバンバン走っているが、歩いている人とは滅法会わない。非常にスタンダードな人口減少都市。落ち着くけれど、寂しいかも知れません。しかし騒がしければ、落ち着かないので、寸法は合っている。

 

哲学的ロッキー・ステップ

「西田幾多郎記念哲学館」

は、安藤忠雄の設計。前庭や周囲の作り込みが美麗で「思索の道」を中心線にオーバルオーバルに迂回しながら高台にあるメイン館に辿り着くような造りが鮮やか。
夜間にはライトアップされることもあるようだ。
施設の入口に到達すると、かほく市街を一望できる。

ロッキー・バルボアが街中を、地元の仲間たちに鼓舞されながらジョグし、フィラデルフィア美術館に続く階段でスパートし、息を切らしながら、両手を高く掲げ、明日の勝利を誓う胸アツシーンの再現が出来そうな階段。未確認だが、多くのかほく市民ランナーはココを目指して日々研鑽を積んでいる。はずだ。未確認だが、僕の体感としては確認済。

かほく市街を一望」とか書きながら、「一望」感のある画像がなかったので、己に絶望。

youtu.be

 

考える吾、吾は吾

館内も前庭と同じく、回廊を巡りながら歩くことで、少しづつ高みに登っていく。
展示室を経て、ホワイエと称された瞑想思索の空間に辿り着くことで、この哲学館を味わい尽くすこととなる。

ちょっと名のある施設に赴くと、高確率で、設計 ババーン! 安藤忠雄!!デデーン!!と冠され、「また、打ちっぱなしで、十字に光が差し込んでんでしょ?」と揶揄したくもなる訳だが、正直とてもカッコ良きたてものでした。

展示室では、引き出しを開けて幾多郎直筆の私信を眺めたり、同郷の思索者である鈴木大拙と幾多郎の方言丸出しの会話を聞いたり。よく分からんが興味深いね、といういかにも浅薄な感想を抱く。

西田の言葉として掲げられた、
「人は人 吾は吾なり とにかくに 吾行く道を 吾は行くなり」
に、パスカル先生の「人間は考える葦である」とか、デカルト師匠の「我思う、故に我あり」との類似を見、他人はどうだか?自分はこうだ!、たる気概と実践に哲学つーヤツの大概を覚えたような浅薄な感想である。

 

宇野気駅までの帰り道に、サンキョウパンの工場併設の店舗を見つけ、数種買い求め、食いながら金沢までの鉄路を行く。
サンキョウといえば、かの「頭脳パン」も販売してたような気もするが、コチラには売っていなかった。「頭が良くなるパン」なんぞを3時のおやつとして供される石川県下のキッズたちが被るプレッシャーたるや如何なるものか。
頭脳パンを食さない頭脳をもちたる吾こそ、只の吾なり。

 

西成で暮らす。198日目「高級ホテルを利用する」

2021年10月5日

デイユースっての

「ビジネスホテル スバル」を後にする。
顔を洗い、エレベーター横のゴミ箱を見遣ると半額シールの貼られた弁当ガラ。
安っすい弁当で、コスト抑えて頑張ってるんだ、俺たち!
コストとことこコストコ

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重たい荷物を背負って、ウロつくような体力も、気力もないので、信号を一本渡って向かい側にある
「ホテル サンプラザ」
に行き、1000円のデイユースプランを利用。

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390円セールなど果敢に挑戦的なプランを提供してくれるホテルサンプラザグループだが、15時間利用出来て、風呂にも入れて、Wi-Fi万端というマンガ喫茶ファックオフな価格設定。
通常西成暮らしに利用するには割高で、僕には分不相応な高級ホテルである。
今晩遅くには金沢行きの高速バスに乗車するため、夜まではコチラでお世話になる。

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ホテルの受付は、「フロント」と呼ぶにふさわしい面構えでスーツを着込んだ方による全くもってホテルライクな接客を体感できる。
新左翼で「フロント」と言えば、「社会主義同盟」であるが、このフロントのサービスは資本主義だから、銭子を払えばこそ受けられるものである。

デイユースを利用時に途中連絡をすれば、差額支払いで宿泊に切り替えることも可能。
ウィンドウはハロウィン仕様に彩られ、ロビーでは無料ドリンク、各階に清潔なトイレやリンインシャンプー&ボディソープ完備のシャワーを備え、大浴場にも入れる。Wi-Fiも強力、空調もウィンウィン劇的に効いて快適。
客室の窓からは、トレインビュー。トレウィンビュー。
もうウィンウィン。ここに泊まれば、もうウィンウィン。

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館内は禁煙であるが、屋外の喫煙所が使用可能。
喫煙者なんて、地球の負け組でしかないのに、吸わせてくれる場所があるので、これもウィン。

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喫煙所からは、眼前に建設中の星野リゾートが見え、サンプラザの方向を振り返れば、九龍城的なビル壁面ビューも楽しめる。

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客層も多様で、家族連れ、カップル、労働者風の人、ウーバーバッグを担いだ人など、人生交差点なホテルの有り様が感じられた。
最高!であるが、重ね重ね僕のような低所得者にとって、毎泊するような贅沢は許されない。

街を勝ち組の気分でブラつく

すっかり、観光客的な気分であいりん地区に出る。
サンプラザのような高級ホテルを利用していると、気分もエトランゼ。
ウィン・エトランゼ・ウィン。

ホルモンうどん「きらく」で食事をし、旧あいりんセンター近くの公園「萩小の森」で縁台将棋を眺める。

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「王手ー!王手ーー!王手王手の声がするー!」

「いやー、キッツい手やなー… あんた、いっつも善人の顔して、えげつない勝負すんなぁ」

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「これ、どっちが優勢なんですか?」

「いや、どっちやろなぁ?五分五分やで、か四分六分か?ええ勝負や」

「これ賭けてるんですか?」

「そんなことしまへん(笑)健全な、ごくごく健全な青空将棋やで。まあ、缶ビールとタバコ銭程度はな。そんなもんや。誰からも、ふん取れる金なんてあらへん(笑)」

 

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路地では異常に猫たちに群がられる。

「なんや、兄ちゃん人気もんやな(笑)」

「猫にモテてもねー、仕方ないス」

「猫にもモテへん連中ばっかりや。アンタはまだマシやで(笑)」

ウィン・ネコ・ウィン。
なんもあげられないよ。あげないよ。
ゴメンね。こ。

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夕刻まで、ホテルで書き物などし、昼寝もかまして、風呂を浴びる。快適。

「乾燥機が終わっております、取り出してください」
といった館内放送が流れていた。
「住民票を置く」こともできるそうだ。
素晴らしいね、理想の西成宿でした。
稼いだら、また泊まりに来ます。
稼いだらね。

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19時すぎに天満のトランクルームまで自転車移動。
旅支度をして、大阪駅へ。

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ヨドバシカメラ石井スポーツで小物収納用のポーチを買い、母親へのお土産の大阪名物「岩おこし」を探し求めて小一時間過ごす。

駅まで来てようやくお土産サーチをするような失態は犯したくないのが、僕のテーゼであった。お土産選びと購入に丸一日はかけてきた人生であったが、もう無理。

ゴメンね。母。
母さん、僕はこんな人間になってしまいました。

高速バスで一泊

22時過ぎに、金沢行きの高速バスに乗り込む。

これまでは、片道¥6,500の特急サンダーバードが帰省の主要な足であったのだが、高速バスなら¥4,900。
100円、200円をケチっていかねば。
働いてないんだし。
そもそも、僕のような働いていない人間がワクチンなんて受ける意味あるんだろうか?帰省してまで。
僕なんぞコロナコロナにまみれてもいいが、公共の利益に資するためには感染リスクは抑えねばならない。納税は怠っても、ワクチンは怠らないように。
僕を媒介にして、有望な生きる価値ある世界の人々を危険に晒すわけにはいかない。

 

容易に就寝できない高速バス座席で、Spotifyのプレイリストを垂れ流していたら、毛皮のマリーズ『ビューティフル』が耳に飛び込んでくる。
この曲を聴くといつも、スターリンの『ロマンチスト』を想起する。
忘れぬように、プレイリストに『ロマンチスト』を加える。
好きな曲のプレイリストを完成させていくのが人生。
完成してしまったら、もう脱人生。
そのために、音楽を聴き続けるのだろう。
脱しないように、生き続けるために。曲に助けられながら、続人生。

open.spotify.com

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夜中のサービスエリアの喫煙所の壁際で瀕死の蜘蛛の緩慢な動きを見てから、就寝。
「の」で、複数繋ぐという悪文を書いたので、今日はもう終了。
明日の早朝には、故郷着です。

 

 

使った金額

10/5
交通費(高速バス):4900円
宿泊代(デイユース):1000円
石井スポーツ・ミステリーランチ ケース:1540円
御座候:285円(三個分)
チーズカレーまん:100円
コロッケ&たまごドック:138円
こだわりのあられ塩味:127円
うす焼せんべい:108円
岩栗板おこし詰合:378円
和三盆おこし12枚袋入:378円
ビタミンウォーター:130円
レジ袋:3円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール1mm:840円(二個分)

所持

17,160円