西成の人々
ホルモンという呼称の由来が「放るもん=大阪弁」に起因しているというのは全くの俗説に過ぎないという事を今一度確認せねばならない。それは、「ホルモンなんてお下劣なものを嬉々として食っているのは、下賎な輩である」という岩盤状の強固な差別的バイア…
現在の食生活に、何が不足してるか? 豆腐ではないか。大豆よこせ。 西成に来る前には、週2ペースで牛乳1ℓパックを飲み干していた気がする。しかもなんと贅沢なことに、パスチャライズ牛乳なぞという低温殺菌の美味しいミルクに舌鼓を打っていた。遠い過去だ…
西成あいりん地区には通称「花畑」と呼ばれるフェンスに囲まれた緑あふれるゾーンがある。 それは、大阪メトロ堺筋線9番出口の階段を登り、右手の阪堺線高架を潜るとあらわれる三角州状の土地。 「花畑」とは、菜園として色とりどりの植物を実らせた状態を指…
この世界には、「ルール」がある。 そして、そのルールには明文化されたものと、因習や慣習によった暗黙に固定されたもの、の2種類がある。ルールを知らずにゲームに参加することは、即ゲームオーバーを意味する。 そして時に、ルールを逸脱するあるいは、そ…
「昔はね、この新世界あたりに20軒以上映画館あったからね。今はもう串カツばっかりやからね。その串カツにも、もうみんな飽きてきたんちゃう(笑)」 大阪市浪速区。パリとニューヨークを併せたような景観を持つ大阪の新名所とすべく誕生した「新世界」とい…
2021年7月20日,7月21日 前日に連絡をもらい、今日はたまに声をかけてもらう土壌改良の現金仕事に出かける。 早朝5時、JR新今宮駅から電車移動し、待ち合わせの場所に向かう。もう暑ちぃな、夏だな。クソ喰らえ。 「おう、竹下さん!久しぶり!」 待ち合わせ…
2021年6月17日。 すっかり現場仕事を放棄して、web周りのクリエイティブなコンテンツ創作みたいな横文字の営為に関わって、ぬか喜びしとる竹下がいる。 そんなこっちゃイカん、如何ともし難く、具体的に実相的に泥だらけになって身をすり減らすのが西成生活…
「女装」「ハッテン」という強烈なイメージに囚われていた僕であるが、それを極端に俗物視する必要も、神聖視することもない。という、女装大陸の全貌が、霞の彼方におぼろげながら見えてきた。そして、新大陸だとコチラ側は思っていても、すでにそこに営営…
引き続き、「女装とは何か?」というテーマに向かって、現役バリバリの女装さんに、女装さんの聖地・天王寺「通天小町」にて、お話を伺ってまいります。 <第1回はコチラ> nishinari-lives.com 件の「通天小町」コチラには、その場所ならではのローカルルー…
大阪、新世界を歩いていると、そこかしこで女装をした男性と思しき人を見かける。 田舎、僕が生まれたような辺鄙な地方都市ではまず見かけることはない。今はどうだろう?少しは変わったのかも知れないが。 西成のあいりん地区で、道端に腰掛けてコップ酒を…
2021年5月11日。 永遠と思えるほど、延々と眠ってしまった。 少し起きては、また眠り、少し目覚め、お小水をし、眠る。そのループ。その連環で朝になった。 これは西成暮らしを始めて気付かされたのだが、いわゆる「朝顔」と呼ばれる小便器で小便をすると、…
大阪市西成区岸里に「あの手描き看板」を産み出し続ける工房はある。いまや絶滅危惧種といってもよいであろう、映画館の手描き看板 新世界国際劇場にて毎週、新作が披露されている、その創作現場におじゃましてきました。 八條工房 www.hachijyo-kobo.com 突…
新世界、通天閣のふもとに名物の手描き看板を掲げ、通常ならば毎日オールナイト興行を打ち続ける地元に根ざした3本立て上映の歴史ある映画館「新世界国際劇場」 3本立てのラインナップが入れ替わる毎週水曜日に向けて、火曜日の17時あたりに手描き看板の掛け…
新世界、通天閣のふもとに名物の手描き看板を掲げ、通常ならば毎日オールナイト興行を打ち続ける地元に根ざした3本立て上映の歴史ある映画館「新世界国際劇場」 緊急事態宣言により、オールナイト上映は中止しているが、夜半までの上映は決行中。前回の訪問…
無心する人 赤くライティングされた通天閣をうしろにして、スパワールドの大階段を降って、ホテルに戻ろうとしている時。男性に声をかけられた。 「あのー。ちょっとお話いいですか?」 年齢にして50代後半くらいだろうか。ベタついた感じの長髪は乱れていて…