暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

西成で暮らす。78日目 「壁に浮かんで消えていく」

2021年5月20日。

絆創膏、冷湿布、目薬、ワセリン、頭痛薬、マスク

以上が、常に持ち歩いている体及び身体のケアのための品々。
どれも西成暮らしをしてから存分に活躍してくれている。
ただ、頭痛薬だけはこれまで使う機会がなかった。

今日、初使用!
持ってきてて良かったー!

 

早朝3時に起きたのだが、全身が指先まで痺れており、頭がとてつもなく痛い。
定期的にズキンズキンと側頭部を打ちつけられたような衝撃が走る。
小用を足そうと便器に向かうが、尿意があるのに出てこない。

確実になんかの病です。病んでいます。
歯磨きの途中で吐き気がしたので、倒れるように部屋に戻り万年床に伏せる。

そして、持参の頭痛薬を服用。
眠気はないが、ただ身体を横たえる。
やがて眠った。

 

昼過ぎに、目を覚ますと降り続いていた雨が瞬間止み、壁に陽が注いでいた。

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壁に一筋赤いラインが描かれている。

幻視か。狂ったか。
よくよく原因を探ると、隣のビルの赤い壁を反射しているようだ。

昔、楳図かずおが自身の代名詞である赤白ボーダーの壁面をもつ自宅を建設したことが近所迷惑だと話題にのぼったことがあった。
確か、ワイドショーで取材を受けた近隣住民が、
「見てください!あの家の壁の赤色が反射して、私の家がこんなになるんですよ!」
と自分の家の中を写させ憤慨していた。

 

「パーク イン」のヤニで濁った壁面に現れた一筋の赤いラインは、なんだか厳かで、30分眺めていても飽きなかった。千住明の絵画よりも、横尾忠則の描く滝よりも、安藤忠雄の光の十字架よりも美しく、見飽きなかった。

やがて、また空はかき曇り、赤いラインは消えた。
また雨が降り出した。

もう、夜が近づいているが、この文章を打つだけでひどく疲れた。
もう一錠頭痛薬を飲み、眠ることにする。

一歩も宿から出なかった。
一歩も宿から出られなかった。

よくわからんが、頼りない身体だな。
明日、目覚めて、また赤いラインに会えたらいい。
眠る。

 

 

楳図かずおの「まことちゃんハウス」の現在を取材した記事があった。

bunshun.jp

 

もう、ホントに寝ます。

 

 

使った金額

なし

 

所持金

15,577円