暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

西成で暮らす。21日目 「奢る勇気」

2021年3月21日。

思えば、「西成で暮らす」ことを始めて今日で3週間である。
なのに、今日も西成に居ないわけで。
何をしているんだろうか、ホントの話。

しかし、保険料や年金、支払いの残っている通信費などを稼ぎ出さねばならぬ。
為せば成る為さねば成らぬ何事も。
泣き言は、身体をいじめ抜いてからだ。

 

朝、漫画喫茶で目覚める。
喫煙所で一服しながら眺める窓の外はすっかり雨模様。

雨の日にゃ、日がない家でゴロゴロしたいもの。
そりゃしたいもの。

そんな方々がウーバーイーツで料理を注文するので、雨の日のウーバー注文は激増する。
翻れば、配達員にとっては稼ぎ時とも言える。

ある程度の時間帯に西成に戻るまでは、今日もウーバーをやろう!
と書くと、非常に前向きに聞こえてしまうかも知れないが、雨の日はどこにも居られない、それが実情だ。
どこに行っても、軒先を借りるには金がかかる。

ホームレスの人はどうしているんだろうか?
排除型社会の代名詞として、公園のベンチに不必要な手すりが取り付けられたり、開けた空間はなんらかの仕方で「埋めて」しまうという現象がある。

bijutsutecho.com

 

ひとたび「家のない」生活に入れば、途端に排除されるのが誰でもない自分であることに気付かされる。
どこにも居場所がない、のだ。

ならば、ずぶ濡れになって自転車を走らせ、料理の配達をするしかないではないか。
そんな気持ちだ。

 

 

 配達途中、あまりに雨がヒドくなり、雨宿りをしていたら、
小鳥のモチーフが乗せられた柵、公道と私道をさえぎる車止めの一種か。

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これもデザインでその本質を見えなくしてはいるが、「排除型」の設備だろう。
ここに腰掛けることは出来ない。
排除される。
小鳥に罪はない。

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10~13半まで稼働し、¥6,324。

やはり雨の日はひっきりなしに注文が入る。
注文過多でパンクしているお店もあった。
雨で疲労感も増大した。

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今週はウーバーイーツで ¥30,230也。

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この収入は、月末の支払いに備えて確保しておこう。
3000円だけおろした。

 

身体が濡れ、冷え切ってしまい、このまま自転車を漕いで西成に戻る気力がない。
天満の駐輪場に自転車を預け、地下鉄で動物園前まで移動。
当然、普通の街では駐輪にはお金がかかる。
早めに引き上げなければならないだろう。

 

楽天トラベルから、また「パークイン」を予約。
金曜に出て行くまで5泊。
¥6,175也。

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やったー!

この部屋は壁にフックが多いー!

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ということで、即コインランドリーへ。
そして、三日ぶりに自分のボディも洗濯=風呂です。
汚い身体で、配達してすみませんでした。大阪市民の皆様。

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夜は、M君を誘ってメシに向かう。

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日曜は営業していない飲食店も多く、かなりそぞろ歩く。

結構な土砂降りだったので、M君には悪いことをした。
金曜日に日雇い収入を得たM君は、この土日になんやかんや金を遣い、手持ちは1000円しかないという。

ここは奢りましょう!
と又、先輩風を吹かしてしまう。ダサいね。

 

狙いをつけた店は閉まっていたり、営業終了間近だった。
普通の定食屋、でも歴史のありそうな
和洋食「日松亭」へ。

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女将さんに「歴史長そうな店ですね。どれくらいですか?」
と尋ねると、「ボチボチやね」と素っ気ない返事。
膨らまねぇな。

「オススメはありますか?」

「デミグラスソースは自慢やね」

というわけで、ビフカツ定食を。
M君は、ハンバーグ定食を頼んだ。

大変にみみっちい話だが、誰かに奢ってもらうときに、奢り手の頼む一品の金額を超えないようなモノを頼むという不文律がある、と思う。
まさにM君は僕の「ビフカツ定食」をオーバーしないように「ハンバーグ定食」にしてくれた。そんな不文律を解しているのならば、僕の方が思いっきり“高め”の料理を頼み、奢られ手の意識を柔らかくすべきであった。

余裕があれば、な。
というか僕は金をたんまり持っていても、誰にも奢らないタチの人間である。
そんな器だから、ダメなのよね。

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途中、入店してきたオッチャンは定食に、瓶ビールを二本頼んでいた。
それが正しい。


M君と、「お互い肉体労働した後、豪勢に焼肉行こう!」と約束する。
その時には、M君が奢るべきだ!と本気で思っている46歳であった。

すっかりM君に追い越される

メシを食いながら話していると、
M君は、どうやら金曜日の現場に6月頃まで継続して入れるそうだ。

ホラ!あっという間に、追い抜かれたーーー!

もう6時過ぎに、あいりん地区近辺のコンビニに行けば迎えが来るそうだ。
3時起き、回避!
選ばれし人だよ!

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上が僕の食べた、ビフカツ。

下が、「僕が奢ってやった」ハンバーグ。

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猛烈に美味いとは感じなかったが、少し甘めで粘度の低いデミグラスソースは確かに独特であった。
まともなメシ食いました。
ごちそうさまでした!

 

日松亭」の天井の蛍光灯の配置も独特であった。

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そして会計をお願いする前から、こちらが2000円を出すことを予測して、追い越し気味に400円を渡してくる速攻会計であった。それも独特。

宿に戻り、翌月曜日の活躍を期して、早めに眠る。

 

収入

30,230円

 

使った金額

貯金:25,000円
宿代:6,175円
漫画喫茶宿泊:2,220円
駐輪場代:150円
交通費:230円
コインランドリー(洗濯):200円
ビフカツ定食:800円
ハンバーグ定食:800円
たっぷりタルタルフィッシュバーガー:203円
ささみ揚げ・梅しそ:138円
豚肉と筍の春巻:95円
ガリガリ君リッチほとばしる青春の味レモンヨーグルト味:106円
食事の脂にこの1杯。プーアル茶×烏龍茶:171円
紅茶花伝ミルクテーホット:146円
烏龍茶:151円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:400円

 

所持金

5,300円