暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

西成で暮らす。53日目 「映画が観られるということ」

2021年4月25日。   

快晴の日曜日。
絶好のウーバーイーツ日和、注文ガンガン入りまくりの〜の予定な訳だが、今日は映画を一本観る。

今日から、大阪の映画館は緊急事態宣言を受け、多くは営業休止になった。
しかし、感染対策を取りながら営業を続けるミニシアターもいくつかある。
これは、今こそ、映画館に赴くべきではないか。
といった社会派を気取った発言は建前で、単に映画を観に行きたいだけである。

九条にあるシネ・ヌーヴォで、『ALL THIS PANIC / オール・ディス・パニック』というドキュメンタリーを。
「非常に親密な距離感で3年間にわたって撮影された、ブルックリンで育った10代の女の子グループの隠された生活を見つめる」
なんてキラキラしてそうな映画!

www.youtube.com

九条へ

朝から4件だけ配達し、九条向かう。
天満に住んでいる頃は、九条に自転車で行くなんて考えもしなかったけれど、ウーバーイーツやってると「自転車でたった30分か」というくらいの感覚になった。

満席になるようなので、ウーバー用のバッグは邪魔になるだろうと思いコインロッカーへ押し込む。押し込み過ぎて、バッグが少し破れた。映画を観る為だから、仕方ない。

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文化の大都市集中にカウンターする

シネ・ヌーヴォは大変賑わっていた。

大阪の映画難民は、これから緊急事態宣言解除までどのように過ごすのだろう。
ミニシアターで『るろうに剣心 最終章』は観られない。
奈良や滋賀に越境するんだろうか。
まったく意味ないね、限定的な緊事なんて。

 

これは、田舎生まれで、高校生までセブンイレブンが無い街で育った人間のたわ言だが、「映画が観られる環境」が地方都市と大都市で逆転するのに快哉を叫びたい気持ちもある。

東京や大阪では、直近発表されたアカデミー賞受賞作の数々はほとんど観られないという特異な状況。大都市に住まう人々だけが文化を享受し、「観た観た」「お前、アレ観てねーのか」みたいなマウンティングが期間限定で通用しなくなった。

すっかりディストピアだが、見方を変えれば映画や美術館、図書館、動物園などを楽しめるのは今は地方に住まう人々だけ。

「あれ、東京に住んでるシネフィルなのにまだ『ミナリ』も『ノマドランド』も観てねーの?」
「現場にも行かずにガタガタ語るな!100万都市のポンコツが」
と今こそ言おう。

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入館時に検温されて、

「え!35度!」

「そんなものかも知れないです。僕なぞ」

といったやりとりをした。
35℃もあったら、上等だ。

 

映画は、散漫な印象も受けたし、ドキュメンタリーとして「どうやって映画を閉じるのか?」という問題を解決し切れていないような気もしたが、とても面白かった。

キラキラを期待していたが、ドロドロも多かった。
「10代の少女」にキラキラを求める、オッサンの固定観念がそもそも誤っているのであって、彼女たちの青春もドロドロしているのである。

ドロドロしてるからこそ、キラめいているという言い方もまた真理。

 

この映画の上映は、映画チア部大阪支部という学生団体が主催しており、自ら映画を買い付けてきて日本未公開の映画をディグっているとのこと。
素晴らしいなぁ。キラキラしてる。内部はドロドロしてるのかも。 

上映後には、海外にいる監督とzoomを繋いでのティーチインが。

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コロナ対策もあるのか監督への質問は、事前に配布されたQRコードを読み取ると質問フォームが立ち上がるという形式で行われた。

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この映画館でゲストを迎えてのトークというヤツがなかなかにチャレンジングで、質問タイムの際に誰も手を挙げないような事態になってしまうと気まずい。

しかし、この方法ならば質問へのハードルが下がるので、コロナに関わらず取り入れて欲しい施策。事前に紙ベースで質問を渡しておくという方法もあるが、この質問フォームならば、先の回答を聞いてからのサラトイみたいなことも可能。僕もいくつか質問し、採用してもらった。

zoom上に映し出された監督の着ているスウェットのプリントが “VIVA A RESISTANCE”というイカした文言だったので「カッコいいスね!」とメッセージしたら監督が笑ってくれたので、良いアイスブレイクになった。
このティーチインの成功は僕のおかげだといっても良い。
多分、良くない。

 

通訳として、神戸外語大の男子が登壇していたのだが、言語の解釈の他にも映画の知識も所有していなければならないから通訳話者は大変だと思った。
同じ日本人同士で、誰かが話した言葉をそのまま日本語で繰り返すだけでもひと苦労だ。
しかし、「監督が影響された作品、監督は?」という質問で監督が答えたテレンス・マリック地獄の逃避行』を訳し忘れていたことを、ここに指摘しておきたい。
あら探しか。イヤなおっさん。

緊急事態宣言のウーバーイーツへの影響

映画とトークを堪能し、17時からウーバーイーツを再開した。

緊急事態宣言によって、テイクアウトも休止してしまったレストランもあるのかも知れない。
明らかに、普段の日曜日よりも配達依頼が少なかった。

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みんな、どうした。
メシ食わんのけ?

なんとか午前0時まで粘って、¥14,280也。

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この土日での稼ぎは、¥24,665。

太もものピリピリ具合から鑑みて、良く頑張ったと言ってやりたい気持ちはあるが、今週全体の収入がこの金額。

お前、どうした。
働く気ないんけ?

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野宿未満

いっそのこと、「野宿」という選択肢もある。

配達の後半には、そう思いながら「トランクルームに毛布はある」「コンビニでダンボールもらう」とかシミレーションしていたのだが、一番の問題は

電源がない

ということ。
スマホも、モバイルバッテリーも、自転車ライトも、Bluetoothイヤホンも、充電しなければならない。
弱いなぁ、生活力。
宿に泊まる利点は、フカフカ布団とかではなく、しっかりとした給電環境かも知れない。

結局、漫画喫茶に。
電気は偉大。

お休みなさい。お天道様。
「快活CLUB」には、カラオケやダーツもあり本来は若者たちで賑わっているのだが、カラオケは休止。
静かな夜だった。
僕のイビキ以外は。

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使った金額

漫画喫茶宿泊代:2220円
映画代:1500円
駐輪場代:150円+100円
コインロッカー代:300円
お惣菜:255円(二個分)
三幸製菓・新潟仕込み塩味:138円
イケダヤ・えび満月:149円
デミグラスチーズバーガー:95円
ランチパック・メンチカツ:95円
菓子パン・東大阪ラグカレー:173円
菓子パン・ベーコンエッグ:173円
菓子パン。リングドーナッツ:97円
ユーラク・チョコケーキ:108円(二個分)
セブンティーンアイス・チョコミント:150円
トラトラウマウマバー:140円
白ばらフルーツバー:129円
セブンプレミアム・フルーツオ・レ:100円
サンガリア・まろうまミルクティー:100円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:800円(二個分)

 

所持金

10,045円