暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

西成で暮らす。59日目 「メーデーを横目に」

2021年5月1日。

メーデーメーデー
労働者の権利を確認し、それを求める運動を行う日である今日。

遭難信号として用いられる言葉が「メーデー」であること。
「助けに来てくれ」という意味がある「MayDay」と、労働者の日=MayDayはまったく同じ単語。

助けて欲しいよ、ホントのところ。
シンガーであるMay Jの本名は、「橋本芽生」。歌っておくれよ 、May J。
 

ウーバー稼働のために、難波方面に移動している途上デモ隊に遭遇。

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デモに意味がない、とは思わない。

逆に、デモをする以外にどうやって不特定多数に向けて主張が出来るのか、とも思う。
問題は、デモに参加するなら日銭を稼ごうとしてしまう意識の低い僕のような人間だろう。
デモって、打ち上げで一杯やりてぇなぁ。
デモも労働である。

シェイクが僕の血になる

朝方は快晴上等。
マンションのベランダに掲げられたキッチュな鯉のぼりを眺め、アンガーマネジメントとしての「忍調」という仏教テクニカルタームを噛みしめていたら、昼過ぎからゲリラ豪雨並みの雷&強風&横なぐりの雨。

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突然の雨の場合には、ウーバーの雨インセンティブがつかないことが多い。
やる気が一気に萎える。

福島区の公園で雨をしのいでいたら、ミスタードーナツが見えた。
「チョコファジシェイク飲もう」

ミスドのリッチシェイクは掛け値無しに美味しい。
安っぽい甘さがなく、まさにリッチな味わいがある。
ところが、意外に「シェイク取り扱い店舗」は少ない。
大阪市には3店舗しかなく、他の2店舗は郊外のため福島駅近くにある店舗がもっとも利用しやすい立地。リッチシェイク。

ミスタードーナツのシェイクには二種類ある。
マダガスカルバニラ
・チョコファジ
のふたつ。

注文して、シェイクを作る店員さんを見ていればわかるが、チョコファジシェイクはマダガスカルバニラに“チョコの粉”みたいなのを入れ、かき混ぜて作られる。
その際、ベースであるバニラにチョコが行き渡るように店員さんは懸命に混ぜる。親の仇みたいな勢いで混ぜることが必要。
おそらく、ミスド店員にとって「もっとも注文して欲しくない商品」のひとつなのではないかと思う。

申し訳ないすね。
忍調。
「チョコファジシェイク、ひとつください!」

今回も、店員さんの表情が一気にかき曇り、やっぱり親の仇みたいな勢いで混ぜ、チョコファジシェイクを仕上げてくれた。

シェイク作りも労働である。

 

雨は降り続いており、いくらか寒気がするが、ひとたびチョコファジシェイクを吸い込めば一気にリッチな高みに到達するだろう。

もう一度、雨をしのげる公園に戻ったら、自転車の前輪が地面にレンガに生えた苔で滑った。
出血。

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血まみれの親指をサムサッカーしながら、チョコファジシェイクと交互に口にする。

チョコの味と血の味。
ごちそうさまでした。
御愁傷様でした。

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ちなみにドーナツを食べなかったのは、以下のような警告を見てしまったから。
「ドーナツの穴」
に絡めた創作って多いな。

モチベーションを高めてくれる食品なのだろう。

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血を見てから、やる気が減退してしまった。

ならびに、「ビジネスホテル スバル」が明日までであり、その際には今日の午後8時までに鍵を返却せねばならないので、明るいうちに切り上げる。

10時半〜15時半で、¥7,009也。

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文明的残飯

明日もウーバーイーツ稼働を目論んでいるので、自転車は天満橋駅の駐輪場に預け、地下鉄で西成へ戻る。

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もう最近は、カバンというものを持ち歩くことがなくなった。

バックパックごと移動するとき以外は、レジ袋一つに必要なものを詰め込んで移動している。
カバンなんて要らないのかもしれないな。

マクドナルドを食べたくなったので新世界に寄り、購入。
立川談志は、マクドをはじめとしたファーストフード全般を称して
文明的残飯
と揶揄していたが、まさしく胃袋に残飯を放り込むようにして食べた。
いくらか時間を経て、文明的排便を伴うだろう。

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新世界のアーケードには、迷い犬の貼り紙が。

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北の方へ走っていってしまいました
という表現に純文学の香りを感じた。

飼い犬。
という形態が果たして犬にとって幸せかどうか?
僕も実家では犬を飼っており、ときおり逃げ出して行ったウチの犬も「走っていってしまいたかった」のではないかと考えたことがあった。
それが、旅人が目指す「北の方」ならば、その選択が幸せを掴む方法なのかも知れない。

いままで、家犬として飼われてきた犬が自らの意思で走り去った。
いままで、安穏と暮らしてきた自分が、今、西成暮らしに堕ちていることと重ねてしまった。

北の方はどうですか。ピーちゃんよ。
元気でやっていて欲しい。
文明的残飯でもいいから、ひもじい思いをしていませんように。

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使った金額

交通費:230円
マクドナルド・チキンマックナゲット15ピース:390円
マクドナルド・フィレオフィッシュ:340円
倍チーズバーガー:240円
ミスタードーナツ・リッチシェイク チョコファジ:302円
アイス濃い果実マスカット:187円
ブルボン・ルマンド:113円
プライドポテト。衝撃のコンソメ:76円
かるえだまめ:103円
黒豆あられ:347円
爽健美茶:137円
ローソン・ほうじ茶:108円
伊藤園・梅クール:163円
レジ袋:5円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:400円

 

所持金

6,970円

西成で暮らす。58日目 「デスウィーク!!です」

2021年4月30日。

ようやく晴れた。

止まない雨はない。

世の中的にはGW=ゴールデンウィークと呼ばれる期間に入っているわけだが、
西成的にはDW=デスウィークである。
それは、「仕事がない」という意味であるのだが、国際劇場がそう言っている。

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「素晴らしき デスウィーク!!」

 

ウーバーイーツを稼働しようとアプリを開いたら、
「緊急連絡先を登録してください」
と言ってきたので、東京に住んでいる10年会っていない知人の番号を登録しておいた。
僕が自転車ですっ転んだら、彼に連絡が行く。
10年経っても、まだ迷惑かけます。
元気にしていますか?
今度、連絡しますね。
君の書いたイカれた脚本がまた読みたいです。
以上、私信。

家賃はいくら

ウーバーイーツ稼働中は、片耳だけBluetoothイヤホンをして、音楽なり、radikoなりを聞いている。
今日はTBSラジオの『問わず語りの神田伯山』を聞いていた。

伯山の奥さんがトイレで倒れてしまった回が面白く、繰り返し聞いた。
倒れている奥さんのために救急車を呼んだのだが、エレベーターのないマンションだったため救急隊員が搬出に難儀しているのを見て、伯山は

「なんでケチって、安いマンションにしたんだよ!」

と後悔したと言う。

 

とは言え、タワーマンションも別の問題がある。
ウーバーイーツで、タワマンの住民に届けることは多いが、セキュリティが厳重過ぎたり、住人の数に対してエレベーターが不足していたりして、時間がかかることが多い。

さらに、オサレな外観を保つためにマンション名の表記がなかったり、入口がわかりにくいマンションも多い。

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毎日、大阪の街を走っていると、しょっちゅう救急車の往来を見かける。
そして、救急車は非協力的な他の車の影響を受ける。
何しろ、大阪では現在、医療崩壊が起きており病院の搬入までに数時間かかることもあるという。

ミッドナイト・ファミリー
というメキシコシティで私営救急隊を生業とする家族を描いたドキュメンタリー映画がある。

無線を傍受し、一刻も早く現場に向かおうとするドライバーは映画の中で、信仰を妨害する他の車に対して、スピーカーでこう言う。

「車をどけろ!お前の家族だったらどうする!」

日本の救急車もこのくらいの圧で怒鳴ればいい。
明らかに正しい物言いというのはあるものだ。

ウーバーしかいません!

この日は10時半〜21時ごろまで稼働し、¥11,200也。

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繁華街の人出は目に見えて少なく、途中20時ごろ、梅田の交差点で信号停止して、隣を見たら配達員。向かいで信号待ちしているのも配達員。
スクランブル交差点で信号待ちしている人員のすべてがフードデリバリー。

思わず隣に居た配達員に

「今、世の中で動いてるの配達員だけかもね」

と言ったら、

「ホントだ!恐ろしいねぇ」

と笑い合い、互いの健闘を誓ってまた、それぞれ走り出した。

そんなデスウィーク!!

 


使った金額

お惣菜・天ぷら:384円(三個分)
イカ天:1058円
カルパス3本入り:212円
アーモンドピーク:117円
パニーニ ハム&ポテトサラダ:127円
ミニストップ・北海道らいでんメロン:216円
コカコーラ・アクエリアス:160円
サンガリア・すっきりとオレンジ:100円
チェリオ・ミックスフルーツオ・レ:100円
やかんの香ばしい麦茶:130円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm・5mm:800円

 

所持金

10,111円

西成で暮らす。57日目 「春はまだ寒い」

2021年4月29日。

今日は、大雨。
これは予報ではない。
昨晩から、毎時10ミリレベルの降水。

こんなに降っても、大地はそれを栄養にして、作物は育まれ潤ってゆくんだね。
僕は濡れねずむだけだけどね。ねー。

上は大雨 下は大火事
これなーんだ?
正解は、ウーバーイーツ!

このなぞなぞ、今のキッズにゃ通用しないだろね。ねー。
なぞなぞ文化も更新されていく。

今日は、昭和天皇の生誕日。昭和の日。
大正天皇の生まれた日も祝日にすりゃいいのに。
もっと言えば、歴代天皇の生誕を都度都度祝っていけば旗日だらけになって、日本は天皇を中心とした神の国©︎森喜朗マンセー

祝日で大雨となれば、稼ぎどきです。
ウーバーイーツ万歳。

手先が痺れる氷の世界

10時半から稼働。
雨に打たれることで、確実に体力は奪われていく。

昼ピークを終え、GWで閉まっている工場の軒先で雨宿り。

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春先だと言うのに、と言うかまだ春先だからか、これだけ濡れると寒さがつのる。

ハンドルバーを握る指先がかじかむ。
息を吹きかけてもまったく暖まらない。

指先の感覚が鈍麻し、そこから身体全体が徐々に凍っていくような感覚。
パキパキと全身が氷に包まれて、凍ったバナナで釘を打つように、どこか一点の秘孔を突かれて、バラバラになるような気がする。

壊れかけている自転車も、凍りかけている己も、こうやってしのいでいることも、全部バラバラになってしまえば良いのに。

 

しかし、身体というのは良く出来ていて、ひとたび自転車を無心に漕いでいると、身体の中心から血がドクドク流れ、やがて指先の痺れが癒えていく。
行ったり来たり大変。

重さの限界

ウーバーの注文店にコンビニやスーパーが入ってから、「大量注文」案件が増えた。

マクドナルドの大量注文、8人家族がハッピーセットを4組頼んでもたかが知れてるわけだが、スーパーの日常的な買い物量を自転車で担いで配達するというのは、なかなか。
コレ、なかなかですよ。

今日は、雨の中こんな配達依頼があった。

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「17倍」
という表記に注目。ハイ、注目。

コレはつまるところ、
「2リットルのペットボトルが17本」=34キロ

前文に「2名以上の配達パートナー」との記載はあるが、ピックアップに行くタイミングによって果たして「何名の配達員で振り分けるのか」不明。

 

「これ、何名で分けるんですかね?」

「いや、ちょっと分からないんですよねー」

うーむ。
店側も把握していない。
ここで、配達員が揃うのを待っているのは時間を無駄にする。

「じゃあ、僕が8本貰います。あと何人来るのか分からないですけど、残りは後から来る配達員に振り分けてください!」

頑張るなぁ。
コレはつまるところ、
「2リットルのペットボトルが8本」=16キロ

こんなに重い商品の配達は初めて。
しかも、配達先は4キロ先。
しかも、大雨。

自転車を漕ぎながら、「クソが!クソが!!」と自然に罵倒が口をつく。 
配達先では、屈強なアメフト部の青年たちがアクエリアスを待っていた。
「お前らの方が明らかに力持ちだろうよ。僕の肉体の半分以上は贅肉なのよ」

さらに、こんな配達依頼もあった。

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「新潟産コシヒカリ 5kg」
という表記に注目。ハイ、注目。

米袋担いで走らされるのか。
二宮尊徳なのか、俺は。

これほっておくと、10kgの米×3とか注文してくる客いるなぁ。
自転車で配達してますからねコッチは。
雨降ってますからね、今。

というわけで、コンビニやスーパーの案件は重さとの闘いとなりつつある、のである。

また濡らす千円札

そして、何一つ学ばない僕はまたジップロックの密閉を甘くしてしまい、千円札を濡らした。
一応、昨日学習したので財布は宿に置いてきた。
しかし、結局紙幣は濡れた。
資金洗浄したくなかった。
洗ってはないし、濡らしただけだし。

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夜半過ぎには、雨は小降りに。

22時近くまで稼働して、¥22,680也。

昨日と今日の合計では¥30,767。
先週末の稼ぎ¥24,665と合わせると、¥55,432。
2万ばかし下ろす。

 

24時間営業のコインランドリーを見つけ、洗濯の間に買い物。

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宿に戻って、とにかく干す。
乾け洗濯モン。

ウーバー配達用バッグの中に入れ、弁当が動かないように緩衝材として使っているサバイバルシートも乾かす。

今日、寒くて凍えていた時、サバイバルシートにくるまれば良かったな。
優しさに包まれたなら©︎荒井由実

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収入

55432円


使った金額

貯金:35432円
4/26におろした分:10000円
コインランドリー(洗濯):200円
リッツS:108円
アーモンドピーク:117円
プリングルス:117円
ドデカイラーメンエースコックワンタン風味:75円
ハッシュドポテト・ガーリック風味:159円
パスコ・ベーコンチーズマヨ:84円
あらびきチュリソーソーセージ:84円
森永・大粒ラムネ:168円(二個分)
伊右衛門濃いめお茶:138円
セブンプレミアム・フルーツオ・レ:100円
紅茶花伝ミルクティー:137円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:800円(二個分)

 

所持金

13,515円

西成で暮らす。56日目 「アーバンは応答しないし、濡らさない」

2021年4月28日。   

本日は雨予報である。

しかしながら、何がしかしながらなのか分からないが、僕は早起きをし(と言っても4時になってしまったが)仕事探しに向かった。
早朝時点では、まだ降水はない。

停まっている車輌は少なかったが、マイクロバスが一台。
「コレは、大量動員案件かも知れない!」
勢い込んで、ドライバーに話を聞いたが、「現金の人乗せるわけじゃないんよ」とのこと。
5時過ぎまでウロついてみたが、結局仕事は得られず。

一旦、宿に戻りもう一度就寝。
こんなのばっかりだよ。
もう飽きた。もーう飽きたよ。もう、何ヶ月かしたら秋だよ。

腹の減り具合が尋常ではないので、仕方ないので働くことにする。
ウーバーイーツ。
小雨が降りだす中、天満に自転車移動。
レインスーツを着てレインダンスを踊ろう。
街中には危険が目一杯なので、現場作業用の安全長靴を装着。
コレで40kgある大型ピッツァを足元に落としても安心である。

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サイレント・レスポンス

ウーバーでの配達をしていると、その配達先の多くはオートロックマンションになる。
当然、マンションのエントランスでインターフォンを鳴らし、精一杯誠意一杯の笑顔で
「ウーバーでーす!お届けにあがりましたー!」
と告げ、入館することになる。
なぜ、精一杯の笑顔を作るのかと言えば、少しでもチップを貰える確率を上げたいから。

当然、すぐに真顔に戻り指定の部屋に向かう。
なぜ、すぐに真顔に戻るのかと言えば、その笑顔は嘘っぱちだから。

 

仮に客の配達指定が「置き配」であれば、コチラは商品を玄関先に置き、配達を完了するだけ。客と顔を合わせることはない。

つまり、配達員と客のマッチングを確認する唯一の機会が、このインターフォンでのやり取りという事になる。
別に積極的にコミュニケーションを取りたいわけではない。
ただ、チップは欲しいが。

しかし、コチラとしては誤配達は避けたい。
誤配してもチップは欲しいが。

であるので、出来れば
「ウーバーでーす!」
と告げたら、
「ハイ、どうぞー」
くらいの返答はして欲しいのである。
それ以上にチップは欲しいのである。

 

ところが、僕の体感としては客の6割は無言。
インターフォンの役割は、「玄関と室内、部屋どうしなどの通話に用いるもの」(デジタル大辞泉)と定義されているのだから、出来うるならば「通話」をしてもらい、「ウーバーイーツを頼んだ客」と、「ウーバーイーツの商品を運んできて、必ずチップを奪い取りたいと望んでいる配達員」であることを確認して欲しい。

不安だよ。
無言でインターフォンを切らないで欲しい。
最低限のやり取りくらいして欲しい。

無論、そのような儀礼的な会話なぞしたくないからフードデリバリーを頼んでいるのだろうけど。
何か、根本的に踏み外しているような気がしてしまう。
勝手で、一方的な意見でしかないが。

客側としても、インターフォンに瞬間映った画像だけで「配達員だな、コイツ」と判断し、無言で、オートロックを解除するのは不安ではないのか。少なくとも誰何くらいはしてくれても。

 

ところで「インターフォン」を「インターホン」と書くと野暮ったくなるのに、
スマホ」を「スマフォ」と書くことに正当性を感ずるのは何故だろうか。
「フォント」を「ホント」と言ってしまうと意味が変わってくるからOKだろう。
「フォ」と「ホ」の表記の揺れと受け止め方の変容について考えていたら、ウーバーイーツ終了。
フォントに疲れたわ。

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濡れた千円札は使えません

明日も、ウーバー稼働をしようと思い「ビジネスホテル スバル」にウーバーバッグを持って帰る。
したたか濡れてしまっているので、一度宿に帰って、着替えて再出発するのが面倒。
帰り際に「スーパー玉出」に寄り夜メシを買うことにする。

雨の日に働く際には、ジップロックに財布を収め浸水防止を試みているのだが、思いっきし財布がずぶ濡れ。ずぶぬれて犬ころ。

濡れた千円札を出すと、玉出のレジの女性に

「濡れてるから、機械通らないかも…」

と。

 

かつては、街中の自販機に『濡れた千円札は使えません』などの注意書きをされているのを見かけると、
「アーバンなライフを謳歌している俺様が、どうやって千円札を濡らすんだよバカが。通り魔に突然背中を押されて川に放り込まれるとでも思ってるのかよ、バカにすんな」
と思ったもの。

しかし、今の僕はビックリするほど、千円札どころか財布全体をメッシーに。

 

「乾いてるお金ありますか?」

「ごめんなさい。全部、濡れてます」

諦めて店を出ようとしたら、

「ちょっと待ってくださいね」

と、レジの女性は隣のレジに行き、乾いた千円札と交換してくれ、無事に会計が出来た。

 

「すみません。ありがとうございます」

「いいえー。雨ひどかったですもんね。お仕事お疲れ様です!」

癒された。癒しという表現しか適していない瞬間であった。
チップを渡したいくらいである。
濡れているお金を渡すのは失礼に当たるので、チップは渡さなかったが。

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エアコンの風で乾いていく今日の作業着。千円札。財布。
これが、僕の現在のアーバンライフである。




使った金額

大きな竜田揚げ:173円
お惣菜・天ぷら:216円(二個分)
お惣菜・テンダーチキン:108円
オイシス・焦がしバターデニッシュ:127円
ミニ黒棒:103円
ベビーチーズ・プレーン:212円(二個分)
森永・大粒ラムネ:190円
ワンダ極み:137円
烏龍茶:80円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm・12mm:800円

 

所持金

5,802円

西成で暮らす。55日目 「あいりん地区の商店を巡る」

2021年4月27日。   

今日も働く気ゼロ。
ナッシング。
どうせ、仕事なんかねーし。

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10時を過ぎて起床。
本当は永遠に、永遠と感じる悠久の時間を貪るようにいつまでも眠っていたい、のだがドアの向こう側から掃除機のブースト音や、バタンバタンと開け放たれる扉のバースト音がけたたましく聞こえてくるので、起きてしまうのである。
MOTTO NETEITAI

うるせーな。
いや、お掃除ご苦労様です!

 

「ビジネスホテル スバル」の寝具にも概ね不満はないのだが、枕だけはイマイチ。

柔らかくって、首を支える胆力が欠けている。
僕のようなデブの首は、背中と地続きなので、高めで固めのピローが必要なのです。ピーロピロ。

そういえば、友近が出たての頃にケンドーコバヤシが、彼女の背中が広いことを指して「背中カナダ」ってラジオで言っていた。
たかだか7.8年前の比喩だが、今の基準では相応しくない表現かも知れない。
時代は巡る。カナダ大陸は広い。友近の背中も広い。

なので、ホテルの枕は使わずに着替えを詰め込んだスタッフバッグを枕替わりにして眠っている。
大谷翔平の出場試合をYouTubeで眺めていたら、もうお昼前。
お昼寝終了。カナダ大陸。

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玉造まで自転車移動し、大阪私書箱でおハガキをピックアップ。

遠い地ではみなさん頑張られているようだ。
お疲れ様です!

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あいりん地区の商店を巡る

あいりん地区には全てが揃っている。
言い過ぎました。

しかし、生活必需品や作業着、衣料、弁当屋など個人商店が生き残っており、常に賑わっている。
オッチャンたちは自転車をタラタラと漕ぎ、商店の軒先で品定めをしている。

最近はレポートしていないが、早朝のどろぼう市の流れで、昼を過ぎても路上のマーケットも開いている。

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nishinari-lives.com

nishinari-lives.com

 

「今日はどうや」

仕入れが最近イマイチや!品が揃わんわな」

といった会話が聞こえてくる。

「品揃え」
とは何か?
そんな命題に直面する、西成の路地。

 

コレは不当投棄案件。
商店でも、売り物でもない。
でも、誰かが勝手に置いていったのだから、誰かが勝手に持ち帰ってもいいだろう。
フリーなマーケット。

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こちらは、高架下の商店。
よろず屋といった趣。
アートネイルが豊富。
爪は切ったり、削ったりするものではない。彩ってナンボ。

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こちらは、日用品からお惣菜までが揃う。
バナナは毎日の活力。

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これもよろず屋か。
特価商品多め。
ワゴン体質の方は要注目。

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こちらよろず屋なの。
とにかく、品揃えのレンジが広いので、「よろず」って言うしかない。
一般的な市中のウインドウショッピングのように「うわ!コレいいじゃん!」みたいな勢いによる買い物欲動が湧き上がらないので、じっくり商品を選べると言う利点がある。

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家電の品ぞろいが充実した店も。
でも、コレもよろず屋。
「よろず」って単語しか浮かばない。
もう、一生「よろず」って言いたくない。

扇風機が大量入荷。

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コレはよろず屋ではない。
ウチはそば屋じゃない。
衣料品店

よろず屋ではない、という形で「よろず」という単語を使ってしまった。もう、一生とかガキみたいなこと言わない。一生言わない。

新品に見える作業ズボンが激安。

「コレ。新品なんですか?」

「そうよ。全部問題ない品よー」

問題ない品揃え。

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「無料食堂」
が催されており、行列が出来ていた。

「コチラの方で終了でーす!」
というスタッフの声が聞こえる。
メシも、仕事も、あぶれることもある。

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かの遠き故郷

もうすぐゴールデンウィークとかいうのが始まる。

どうせ仕事もねーし、一個もいいことねーし、帰省したかったが、さすがにそんな雰囲気ではない。

おとなしくしておきたいと思う。

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GWといえば、こどもの日。
男の子の節句とか、女の子の節句とかいうのも、もう古色蒼然とした規定かも知れない。男女のセックスもしかり。

神田伯山が産まれた子どもの性別を公開しない理由は、伯山の奥さんが「この子の性別は、この子自身が将来決めるもの」とした考えを持っているからだという。進歩的。
あるいは、それがスタンダードになっていくのかも知れない。

 

こどもの日と言えば、鯉のぼり。
西成では今のところ鯉のぼりは一切見かけない。
電線にまとわりついた防護ネットを鯉のぼりとします。

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「ぽい」のあります。

四角公園の近くにある「西成市民会館」も緊急事態宣言下で閉鎖中。

言い方がちょっとキツい気がするが、とにかく「来るな!」
「来たって、何もないんだから」
という強い意志を忌憚なく浴びせてくれる、こんなに突き放した表現ありますか?な貼り紙である。

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そして、通常の館内では帽子を譲ってくれるようである。
粗く編まれた帽子。

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名称は、「黒沢年雄っぽい帽子」。

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個人的には、「田中小実昌っぽい帽子」も作って欲しい。
コロナが収束して、ぽい帽子が、望む人々に等しく行き渡るように願う。
僕は、当座いらない。

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使った金額

セブンプレミアム・フルーツオ・レ:100円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:800円(二個分)

 

所持金

7,948円

西成で暮らす。54日目 「ゲジゲジの季節」

2021年4月26日。   

「快活CLUB」で目を覚ます。
頭上には、爽やかな淡く青い空が広がる。

肩に食い込むバックパックを背負い、えっちらおっちら西成に向かう。
なんだか、バックパックの重量が軽く感じるようになった。
この感覚が、自らの生活を受け入れてきた成果なのかどうか、は分からない。

この天満から西成あいりん地区までの移動を一気加勢に行えれば良いのだが、たいてい途中下車する。
なんにも、背中の重みを受け入れてねぇじゃねーか。

 

公園のベンチに座って、近所の子ども園のワラーべたちが駆けずり回り、駆けずり回るワラーべたちを中腰で追いかけ回る保育士たちも眺める。
平日の午前中にただ公園のベンチにしどけなく座り、死んだような目で彼らを眺めている僕は、彼らの目にはどう映っているのだろうか。

完全に「不審者」。
こんな暮らしを始める前の僕ならば、今の僕の姿を見てなんの躊躇もなく「アイツは不審者だ!」と断言するだろう。
いくら抗弁しても、「オラ不審者などでは、ねーだ!」と叫んでも通報されたら一巻の終わり、のような気がする。
人は見た目と醸し出す空気が全てだ。
今の僕が発信している情報は「不審者」でしかない。

 

公園の塀に写る影が、葡萄のように見えた。
ぶどう狩りとかしたことないな。
一生しない気がする。

狩りなんてしない。
狩るとしても、実体のない影だけだろう。

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ゲジゲジに襲われる

西成に到着したが、もう少し陽の光を浴びていたい。

本日二度目の、公園でのレスト。
西成近辺の公園には、灰皿がわりのカンカンや、設備として設置されたわけではないインディペンデントチェアーが置かれていることが多い。

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住まう人々に寄り添った機能がある、それが公園。

ここに居れば、「不審者」とは見られないだろうか。
「不審さ」を感じさせる基準が、ココと向こうでは違う。

 

ところが、春の息吹と啓蟄の陽気が、僕を攻撃。
頭上の樹木から、毛虫やゲジゲジが落ちてくる。
次々と。
毛虫とゲジゲジの使い分けは分からない。
毛虫やゲジゲジにとっては、この場所でも僕は「不審者」である。

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通りを挟んだ高校のグラウンドでは野球部の大きな声が聞こえる。

すると、場外ホームラン。
ボールが毛虫公園まで飛んで来た。
元気があるね。

投げ返したかったが、緑のネットが高すぎて、あんな高さを越えて投げ返す自信はない。

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後から取りに来てください。

新規の宿を探す

「ビジネスホテル スバル」と「パークイン」以外の新たな安宿を見つけるために、あいりん地区をそぞろ歩く。

以前から狙っていた「つかさ旅館」。
受付に女将さんはいらしたが、

「もう、今日はいっぱいなの」

とのこと。

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最近見つけた「アパート もとせ」。

13時まで粘ってみたが、受付が開く気配がない。
断念。

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結局、安パイの「ビジネスホテル スバル」に投宿。

今回は土曜日まで6泊。

「1400円の部屋は、冷蔵庫付きなんでしたっけ?」

「そう、そっちも空いてるよ。どうする?」

「…、大丈夫っす。まだ、そんなに暑くはないですもんね」

「ビジネスホテル スバル」への不満は概ね無いのだが、エレベーターが遅いのが玉に瑕。
その遅延ベーターに乗り込もうとしたら、リニューアル工事の貼り紙が!
思わず、

「なんと!ついにエレベーター早くなるんですか?」

とオヤジさんに聞きに行ったら、苦笑いしてました。

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食わねぇ、から飲んで寝る

砂糖の入った、もしくは人工甘味料がドバドバ入った飲料で空腹を紛らわす。

星野リゾートの建築は着々と進行し、西成の街は平常運転であった。

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収入

10000円(口座から)


使った金額

漫画喫茶宿泊代:2000円
宿泊代:7800円
駐輪場代:150円
コインランドリー(洗濯):200円
烏龍茶 煌:117円
午後の紅茶ミルクティー:127円
レジ袋:3円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:800円(二個分)

 

所持金

8,848円