暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

西成で暮らす。56日目 「アーバンは応答しないし、濡らさない」

2021年4月28日。   

本日は雨予報である。

しかしながら、何がしかしながらなのか分からないが、僕は早起きをし(と言っても4時になってしまったが)仕事探しに向かった。
早朝時点では、まだ降水はない。

停まっている車輌は少なかったが、マイクロバスが一台。
「コレは、大量動員案件かも知れない!」
勢い込んで、ドライバーに話を聞いたが、「現金の人乗せるわけじゃないんよ」とのこと。
5時過ぎまでウロついてみたが、結局仕事は得られず。

一旦、宿に戻りもう一度就寝。
こんなのばっかりだよ。
もう飽きた。もーう飽きたよ。もう、何ヶ月かしたら秋だよ。

腹の減り具合が尋常ではないので、仕方ないので働くことにする。
ウーバーイーツ。
小雨が降りだす中、天満に自転車移動。
レインスーツを着てレインダンスを踊ろう。
街中には危険が目一杯なので、現場作業用の安全長靴を装着。
コレで40kgある大型ピッツァを足元に落としても安心である。

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サイレント・レスポンス

ウーバーでの配達をしていると、その配達先の多くはオートロックマンションになる。
当然、マンションのエントランスでインターフォンを鳴らし、精一杯誠意一杯の笑顔で
「ウーバーでーす!お届けにあがりましたー!」
と告げ、入館することになる。
なぜ、精一杯の笑顔を作るのかと言えば、少しでもチップを貰える確率を上げたいから。

当然、すぐに真顔に戻り指定の部屋に向かう。
なぜ、すぐに真顔に戻るのかと言えば、その笑顔は嘘っぱちだから。

 

仮に客の配達指定が「置き配」であれば、コチラは商品を玄関先に置き、配達を完了するだけ。客と顔を合わせることはない。

つまり、配達員と客のマッチングを確認する唯一の機会が、このインターフォンでのやり取りという事になる。
別に積極的にコミュニケーションを取りたいわけではない。
ただ、チップは欲しいが。

しかし、コチラとしては誤配達は避けたい。
誤配してもチップは欲しいが。

であるので、出来れば
「ウーバーでーす!」
と告げたら、
「ハイ、どうぞー」
くらいの返答はして欲しいのである。
それ以上にチップは欲しいのである。

 

ところが、僕の体感としては客の6割は無言。
インターフォンの役割は、「玄関と室内、部屋どうしなどの通話に用いるもの」(デジタル大辞泉)と定義されているのだから、出来うるならば「通話」をしてもらい、「ウーバーイーツを頼んだ客」と、「ウーバーイーツの商品を運んできて、必ずチップを奪い取りたいと望んでいる配達員」であることを確認して欲しい。

不安だよ。
無言でインターフォンを切らないで欲しい。
最低限のやり取りくらいして欲しい。

無論、そのような儀礼的な会話なぞしたくないからフードデリバリーを頼んでいるのだろうけど。
何か、根本的に踏み外しているような気がしてしまう。
勝手で、一方的な意見でしかないが。

客側としても、インターフォンに瞬間映った画像だけで「配達員だな、コイツ」と判断し、無言で、オートロックを解除するのは不安ではないのか。少なくとも誰何くらいはしてくれても。

 

ところで「インターフォン」を「インターホン」と書くと野暮ったくなるのに、
スマホ」を「スマフォ」と書くことに正当性を感ずるのは何故だろうか。
「フォント」を「ホント」と言ってしまうと意味が変わってくるからOKだろう。
「フォ」と「ホ」の表記の揺れと受け止め方の変容について考えていたら、ウーバーイーツ終了。
フォントに疲れたわ。

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濡れた千円札は使えません

明日も、ウーバー稼働をしようと思い「ビジネスホテル スバル」にウーバーバッグを持って帰る。
したたか濡れてしまっているので、一度宿に帰って、着替えて再出発するのが面倒。
帰り際に「スーパー玉出」に寄り夜メシを買うことにする。

雨の日に働く際には、ジップロックに財布を収め浸水防止を試みているのだが、思いっきし財布がずぶ濡れ。ずぶぬれて犬ころ。

濡れた千円札を出すと、玉出のレジの女性に

「濡れてるから、機械通らないかも…」

と。

 

かつては、街中の自販機に『濡れた千円札は使えません』などの注意書きをされているのを見かけると、
「アーバンなライフを謳歌している俺様が、どうやって千円札を濡らすんだよバカが。通り魔に突然背中を押されて川に放り込まれるとでも思ってるのかよ、バカにすんな」
と思ったもの。

しかし、今の僕はビックリするほど、千円札どころか財布全体をメッシーに。

 

「乾いてるお金ありますか?」

「ごめんなさい。全部、濡れてます」

諦めて店を出ようとしたら、

「ちょっと待ってくださいね」

と、レジの女性は隣のレジに行き、乾いた千円札と交換してくれ、無事に会計が出来た。

 

「すみません。ありがとうございます」

「いいえー。雨ひどかったですもんね。お仕事お疲れ様です!」

癒された。癒しという表現しか適していない瞬間であった。
チップを渡したいくらいである。
濡れているお金を渡すのは失礼に当たるので、チップは渡さなかったが。

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エアコンの風で乾いていく今日の作業着。千円札。財布。
これが、僕の現在のアーバンライフである。




使った金額

大きな竜田揚げ:173円
お惣菜・天ぷら:216円(二個分)
お惣菜・テンダーチキン:108円
オイシス・焦がしバターデニッシュ:127円
ミニ黒棒:103円
ベビーチーズ・プレーン:212円(二個分)
森永・大粒ラムネ:190円
ワンダ極み:137円
烏龍茶:80円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm・12mm:800円

 

所持金

5,802円