2021年7月5日
以前、書いたように僕のこの西成での冒険は、大阪でweb制作会社のディレクターとして勤めていた際に、博多で旧知の人物らと会い、「もう、仕事やめたいんだよなぁ。つまんない」と愚痴っていたのを、
「なら西成で働いてみて、ブログでも書けばいいんじゃない?」
と示唆されたのがきっかけで始まった。
人に言われたからとか、時代かこうだからとか、アイツが悪いとか、あの子じゃわからん
とか、それはあなたの心ですよ!とか、主体性を持たずに誰かのせいにして、何かのせいにして、ここまで生きてしまった。
そんな自分はどうも簡単には変わらず、今も主体性を遠くに置いて過ごしている。
誰かの言葉をよすがにして、ひとすじの光明を頼って、生きている。
なかなか変わらんね。ずっとこのままなのかもね。
かつては、両親が死ぬまでは生きていようと考えていて、やっとリーチがかかったから、早くもう一匹倒れんかなぁ、と今でも夢想することがあって、なんと畜生な人間なのだ!とその刹那反省するのですがね。独りで独りのままで立つ、ということから逃げてきたのよなぁ。
という訳で、今日は僕に西成行きを勧めた男が大阪に来るというので会いに行った。
天王寺にある「純喫茶スワン」に行くと奴はすでにスマホを弄りながら待っていた。
「あっちに座ってるオッサンとジョカンを間違えて声かけちゃったよ」
振り向くと、でっぷり太ったメガネ姿の冴えないオッチャンが新聞を読んでいた。
コイツは僕のことを「ジョカン」と呼ぶ。それは「助監督」の意。
かつて東京で映像の世界にいた頃を指してそう呼ぶのだろうが、「監督」なら敬称だが、「助監」は完全に蔑称である。10歳以上若いのに、生意気な奴。
「ブログ?読んでないわ」
読んでくれてないんかい!
しかも、前に会った時よりいくらか痩せたから、「頑張っとるね」くらいの軽いエール?励まし?くらい投げかけてくれてもバチは当たらんだろう。
と、またしても「誰かの何か」に期待して、「自分」を置き去りにする私。
翌日に居酒屋で飲んでいる際には、
「助監は、『取り繕う』のだけは上手いからな」
とのたまい、完全にコッチの鳩尾を抉ってきた。「とりつくろう」ってなんだろうか?
それもこれも、僕の西成生活とその発信に切迫感や魅力が欠けているからだろう。
とはいえ、奴のことは好きだ。
直裁で、嘘がなく、実行するから。
まさに「取り繕う」ことのない人なので、こちらのことは辻褄合わせて生きているように見えるのだろう。
見た目(痩せた?髪切った?)みたいなことに言及しないのも正しい。
奴といくらかの時間付き合ってきて、パターナリズムやルッキズムに偏った本気の意見を聞いたことはない。人のことを「助監」と言ったり、人の話を聞いていないビッグチンを携えた男を「アゴ」と呼んだりするけれど。それを本人の目の前で言うのだし、軽口以上の揶揄を含んでいないことが伝わるからだ。
人の本質を見抜く。
みたいな体の良い言葉で、洞察力の優れた人物であると評したい訳ではないが、僕のことを
「負けを知っている」
と会って数時間で見抜かれたことがあるので、鋭いのかもね。ムカつくな。
純喫茶スワンで少しダベり、西成の「ホルモン マルフク」で飲み、難波に移動して飲んだ。
「助監、明日予定あんの?」
「あると思うか?」
「じゃあ、琵琶湖行こう」
明日は、滋賀県に行きます。
生意気でムカつくので、食いと飲みの会計は全て奴に持たせた。
数年前、福岡の中華屋で割り勘にした時に、50円多く払ったことがあるから、完全にイーブン。
収入
45421円
使った金額
貯金:10000円
コインランドリー(洗濯):200円
みかんバー:248円(二個分)
パインバー:124円
烏龍茶:108円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:800円(二個分)
所持金
47,235円