あいりん地区のメインストリート。
立ち飲み、角打ちの「小島商店」の隣。
早朝から、お昼過ぎまでしか営業しない大衆食堂店。
「たちばな食堂」
メシを求める
西成に来て、体重が減ってきたと思ったのも束の間、最近は毎日、貯蓄を食い潰しているだけなのに、一丁前にメシは食うので、太ってきた。財布がカラになれば、畢竟痩せていくでしょう。いずれ。
今日は遅く起きたら来られない短時間営業の定食屋「たちばな食堂」へ。
その前に、三角公園へ行くと、炊き出しが行われていた。
今日のメニューは豚汁のよう。プラスチック製のお椀を受け取り、思い思いのスタイルで食らい、洗剤とスポンジ、水が張られたタライでお椀を洗い、返却。
みんな笑顔で食事をもらい、整然と容器を返し、腹を満たしていく。
なんとなく、ユートピア。
メシを食うときは、いつだって平和。
見た目がかなり若い人もいたが、この炊き出しの列に並ぶのは、なんとなく申し訳がないような気がして、今日は眺めるだけ。
金が無くなったら、お世話になります。
多分、もうすぐ。
注文してから焼かれる秋刀魚
少し、歩いて「たちばな食堂」の暖簾をくぐる。
そう広くない店内には、五卓のテーブル。それぞれに四脚の椅子。
先客は、二人。
テレビから流れる宮川大輔の世界の果てでの冒険を凝視している。
もう、ビール開けてんな。いいな。
奥のテーブルでは、大将が伝票を整理している。
時間は、11時過ぎだが、そろそろ閉店時間が近い。
「これは、あそこから食べたいものを持ってくればいいですか?」
「そうやね。好きなんどうぞ」
店先のショーケースには、生の秋刀魚や鮭、漬物や奴、卵や薬味が並んでいる。
丁寧にラップされた生の秋刀魚。
冷奴。
「それと、『小めし』でお願いします」
「はいー!魚焼くから、ちょっと待ってねー」
おばんざいとして、すでに焼き上がった魚が陳列されているような定食屋も多いが、こちらは焼き立てを提供してくれるようだ。いいぞ!
テーブルには、当たり前のように灰皿。ポコポコヘッド、島木譲二モデル。
お茶の入ったやかん。
秋刀魚の焼き上がりまで、一服しながら冷奴をつまむ。
「はい、お待たせー」
皮目の色付きよ。
美味いに決まってる。
醤油を垂らして。割り箸で魚をほじくるのは、結構むずかしいですよね。
ハラワタはすでに取り除かれているので、小骨だけを避けて。
肉厚というわけではないが、充分に秋の味覚を堪能。
小盛りでも、コンビニおにぎり二個分はありそうな白米。
みょうがを馴染ませて木綿豆腐を。
すぐに完食。
「朝が忙しい店なんよ」
後ろのテーブルで伝票整理を続けている大将におあいそをお願い。
「ごちそうさまでした」
「ありがとうね。そしたら、…530円になりますー」
秋刀魚が250円。
奴が、100円。
小めしが180円。
焼き立ての魚を食べられて、満足感が高い。
「朝は何時からやってるんですか?」
「5時から。それで1時には店じまいよ。朝の方が忙しいんですー。5時からやっとる店はあんまりないですからね」
「また、早朝に来てみます」
「お待ちしてますー。ありがとうございましたー」
立場ない人のための出版社といえば、たちばな出版であるが、激安!とかではないが、清潔な店内で、落ち着いて焼き立ての魚をいただけるのは、「たちばな食堂」である。
美味かった。
宿帰って、寝る!
たちばな出版のサイト開いたら、「立場ない人」よりも「座って読んでも」を推してますね。
座って読んでも、たちばな出版
どっちにしろ、ダジャレ。
一冊も買ったことないけども。