暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

西成で暮らす。23日目 「風体が馴染む」

2021年3月23日。 

 

3時20分起床。
10分後には、仕事探しに外へ。

もう、一方的にはコチラは顔を覚えてしまっている手配師も多い。

「もう、決まっとる!」
「ないわ!」
「(ただ、首を横に振る仕草)」

大体の反応も分かってきた。

ハイ!仕事ないっすね!! 

 

先週仕事をした時に同行した一群がおり、近づいてみる。

「今日は。。無さそうですね?」

「この時間まで車来ないんで、ないでしょうねぇ」

時刻はまだ4時前である。

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「家ないんですか?」

いつものゾーンを二周して、あいりんセンター付近のガードレールに腰掛けていたら、一台の軽自動車が近くで停まった。すわ、スカウトか!
助手席から降りてきた男性が笑顔で話しかけてくる。

「おはようございまーす!住む家ありますか?お困りじゃないですか?」

やったー!やったやった!
ついにホームレス認定されたようだ。
西成で暮らしだして3週間。
ついに、この街に馴染みきったのだ!
成長した。否、沈没した。しきった。
僕はもうホームレス然。

もしかすると、この声かけは所謂「生活保護ビジネス」と言う類のモノかも知れない。
もう少し、話を聞けばよかったと後になって思ったのだが、「いや、大丈夫ですよぉ」と半笑いでその場を去ってしまった。去る僕の背中に「また、お願いしまーす!」と畳み掛けてくる。善意やボランティアの人たちならば、そんな言葉を投げかけるだろうか?
怪しい香りしかしなかった。

 

その後も、ただ漫然と車や手配師が来ないか?
待つ。
本当に馬鹿らしい。何をしとるんだ、この状態。
何「待ち」ですか?
「仕事待ち」と言えればまだ良い。
「仕事があるかどうか分からないのに、ただ手配師を待っている」と言う「待ち」なのです。

 

隣のオッチャンに声をかけてみる。
時刻は5時に近付いている。

「もう、現金無理ですかね?」

「そうやな。もーう無いやろな」

「この場合、オッチャンはドヤ帰るんですか?」

「そうやろ。酒飲む以外、何するねん」

そう言い残し、盛大に痰を路上に吐き散らし、そのオッチャンは明けきらぬ闇に溶けていった。

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仮眠してウーバーイーツ。それ以外ない

表題の通りである。

5時半過ぎに「パークイン」に戻り、3時間ほど寝る。

その後、天満橋の駐輪場に停めてきた自転車を引き上げるために、地下鉄で移動。
駐輪代も二日分で¥300かかった。
イタイなぁ。

11時から20時までウーバーイーツ稼働。

それだけの時間稼働したのに、今日の稼ぎは¥5,121。
コレには原因があって、後半の3時間は西成区大正区で配達依頼が来るかどうか?試してみたから。

結果、3時間で一件しか依頼がなかった。

夕食のピーク時には通常、梅田(キタ)や難波(ミナミ)といった中心部で稼働すれば、1時間に4件配達することも不可能ではない。
しかし、西成周辺ではさっぱりであった。

オッチャンたちが注文する訳はないしなぁ。
カップ酒のデリバリーでも出来ればいいんですがねぇ。

 

ちなみに、2月に買った中古自転車は当初からサドル部にヒビ割れが有り、そこから延々と日曜日に降った雨の水分が浸み出してきたので、終日ズボンの臀部が濡れた状態で配達していた。
途中、配達先のエレベーターの鏡で確認したら、ズバリうんこ漏らしたみたいな有様であった。
ので、なるべく平行移動および後ろ歩きで移動することで、うんこ漏らし疑惑を排除するのに苦心した。
それは、さながら「誰にも背中を取られまい」とする一流の武道家のようであった、とかないとか。

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西区の靱公園では桜が咲いていた。

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もう4月か…。

コレから、どうする。。

本当に、日雇い仕事がない。

どうしたら良いのか。

現状分かっている会社や手配師に電話連絡してみたのだが、
ひとりの手配師からは、

「仕事あるときは、コッチから連絡するから!しょっちゅう掛けて来られても、無いもんわ無い!」

とキレられ、

ひとりの社長からは、こちらからの仕事参加の可否を尋ねる長文メッセージに対して、一言

「仕事はない」

とだけ返信があった。

 

もう思い切って飯場」デビューするしかないのかも知れない。
飯場」とは、30日契約などで現場の近くに滞在し、毎日働く形態。
あいりん地区には、いくつかその種の貼り紙がある。

懸念としては、

・現場の当たり外れが恐い ← トンデモナイ地獄でも一定期間逃げられない。
・詳しいシステムが分かっていない ← コレは詳細を聞き判断するしかない。
・毎日、働ける体力がない ← ホームレス然とはしてきたけど、肉体労働者のそれには程遠い。

今週まで、日雇いで粘ってみて仕事がなさそうならば、「飯場」行きも視野に入れたい。

でなければ、「生活保護」か。。
そう言う訳にゃいかんし。

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宿に戻り、湯を浴み、「スーパー玉出」で買い物をし、

「割り箸、一膳ください!」

と申し出たら、

「内緒よ!ストックしておき!」

と3つもくれた。
おばちゃんの口から発せられた「ストック」と言う語感にまず驚き、そして、ますますホームレス然たる見た目になってきているのだな僕は。。と感じ入った。

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ついに宿にウーバーイーツ用のバッグを持ち込んだ。
もう、今週はウーバー三昧でもいい気がする。

もちろん明日も3時に起きますがね。
イカれてる、とは思いながらもね。

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使った金額

交通費:230円
駐輪場代:300円
スポリカ:50円
ワンダ極カフェオレ:150円
本格肉まん:140円
ファミマ・ザ・カレーぱん:140円
かしわから揚げ:294円
バナナカステラ:106円
ガリガリ君リッチほとばしる青春の味レモンヨーグルト味:112円(二個分)
レジ袋:3円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:400円

 

所持金

2,205円

西成で暮らす。22日目 「コントロールフリーク」

2021年3月22日。 

昨日、メシを食いながらM君に聞いた話では、
「2時半ごろに仕事探しする人もいる」
とのこと。

いよいよ、早朝という概念が瓦解してきた。
2時半って…。

 

という訳で、2時半に起きてみました。

そして、歯を磨いたことは覚えているのですが、そのまま気絶。
気が付いたら、5時を回っていました。

もう、無理するのやめます
3時半起きで、15分後には外に出る。
それで、5時半ごろまで粘って、仕事が見つからなければ、仕方ない。
そう思おう。

 

そして、滞っていたブログを書いて、1日が終わろうとしている。
こんな適当で、クソつまらない文章でも、それなりに時間がかかっている。
才能ないなぁ。
なにやらしても。

 

イッセー尾形の一人芝居に『タクシー』という演目がある。
酔っ払ったサラリーマンが、タクシーを捕まえようとするが、乗車拒否も含めて全く停まってくれない。やがて、立ち小便をしていた男は、ちょうど人ひとり入れるかどうかのビルの隙間を見つけ、そこに滑り込んでみる。奥に進むほど隙間は狭くなり、やがて進むことも戻ることも出来なく、そこにはまり込んでしまう。男は最後に「ヘイ!タクシー!」と絶叫して、そのスケッチは終わる。

そのサラリーマンが、途中言うセリフがあって、それを度々思い出すんですがね。
曰く、

「アレも出来ません。コレも出来ません。俺はタクシーも停められません!てか」

どうと言うことのないセリフかも知れないが、何かに失敗する時、何かに悩んだ時、僕はいつもこのセリフを思い出す。
そして、滑稽で悲劇的な「ビルの間に挟まった男」という都市伝説のような末路を迎える男のことを思い出す。

何も出来ない男に育ちました。
可能性の塊として産んでもらったのに。

 

昨日預けた自転車を取りに行こうと考えていたら、外から雨音がする。
「今日は、晴れのはずなのに」日計で駐輪代がかかってしまうが、今日は辞め。

 

明日からの日雇い現金仕事に向けて、
長袖のシャツ
上着のヤッケ
を買いに、西成で一番大きな作業着店へ。f:id:stolenthesun:20210322202420j:plain 

 

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夜は早めに宿に戻り、
NHKプロフェッショナル 仕事の流儀スペシャ庵野秀明を観る。

エヴァンゲリオンの新作を作るドキュメントというよりは、彼の生涯を概観するような作りであった。途中、何度も被写体である庵野秀明が、
「いま、僕撮ってもしょうがないから」
とカメラを他に向けるように促すのが印象的であった。

撮られている側が、自分の出るドキュメンタリーの作り方や出来をもっとも考えている。

昔、上岡龍太郎が密着カメラを暴力的に動かし、
「いま、起きてることを撮れ!それをせんで何がドキュメンタリーやねん!」
と言ったシーンや、
映画『“樹木希林”を生きる』で、
タイトルロールである樹木希林が、ディレクターに対して「コレで面白いものが出来ると思わない」と取材方法や取材姿勢にダメを出すシーンが思い浮かんだ。

自分が関わるモノへの責任の持ち方みたいなこと。


ただ、やっぱりテレビ番組は当分観なくてもいいわ。
さようなら。
頑張れ、明日の自分。

 

 使った金額

ニットハイポロシャツ:380円
カッパヤッケ上:390円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:400円

 

所持金

4,130円

 

西成で暮らす。21日目 「奢る勇気」

2021年3月21日。

思えば、「西成で暮らす」ことを始めて今日で3週間である。
なのに、今日も西成に居ないわけで。
何をしているんだろうか、ホントの話。

しかし、保険料や年金、支払いの残っている通信費などを稼ぎ出さねばならぬ。
為せば成る為さねば成らぬ何事も。
泣き言は、身体をいじめ抜いてからだ。

 

朝、漫画喫茶で目覚める。
喫煙所で一服しながら眺める窓の外はすっかり雨模様。

雨の日にゃ、日がない家でゴロゴロしたいもの。
そりゃしたいもの。

そんな方々がウーバーイーツで料理を注文するので、雨の日のウーバー注文は激増する。
翻れば、配達員にとっては稼ぎ時とも言える。

ある程度の時間帯に西成に戻るまでは、今日もウーバーをやろう!
と書くと、非常に前向きに聞こえてしまうかも知れないが、雨の日はどこにも居られない、それが実情だ。
どこに行っても、軒先を借りるには金がかかる。

ホームレスの人はどうしているんだろうか?
排除型社会の代名詞として、公園のベンチに不必要な手すりが取り付けられたり、開けた空間はなんらかの仕方で「埋めて」しまうという現象がある。

bijutsutecho.com

 

ひとたび「家のない」生活に入れば、途端に排除されるのが誰でもない自分であることに気付かされる。
どこにも居場所がない、のだ。

ならば、ずぶ濡れになって自転車を走らせ、料理の配達をするしかないではないか。
そんな気持ちだ。

 

 

 配達途中、あまりに雨がヒドくなり、雨宿りをしていたら、
小鳥のモチーフが乗せられた柵、公道と私道をさえぎる車止めの一種か。

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これもデザインでその本質を見えなくしてはいるが、「排除型」の設備だろう。
ここに腰掛けることは出来ない。
排除される。
小鳥に罪はない。

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10~13半まで稼働し、¥6,324。

やはり雨の日はひっきりなしに注文が入る。
注文過多でパンクしているお店もあった。
雨で疲労感も増大した。

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今週はウーバーイーツで ¥30,230也。

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この収入は、月末の支払いに備えて確保しておこう。
3000円だけおろした。

 

身体が濡れ、冷え切ってしまい、このまま自転車を漕いで西成に戻る気力がない。
天満の駐輪場に自転車を預け、地下鉄で動物園前まで移動。
当然、普通の街では駐輪にはお金がかかる。
早めに引き上げなければならないだろう。

 

楽天トラベルから、また「パークイン」を予約。
金曜に出て行くまで5泊。
¥6,175也。

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やったー!

この部屋は壁にフックが多いー!

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ということで、即コインランドリーへ。
そして、三日ぶりに自分のボディも洗濯=風呂です。
汚い身体で、配達してすみませんでした。大阪市民の皆様。

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夜は、M君を誘ってメシに向かう。

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日曜は営業していない飲食店も多く、かなりそぞろ歩く。

結構な土砂降りだったので、M君には悪いことをした。
金曜日に日雇い収入を得たM君は、この土日になんやかんや金を遣い、手持ちは1000円しかないという。

ここは奢りましょう!
と又、先輩風を吹かしてしまう。ダサいね。

 

狙いをつけた店は閉まっていたり、営業終了間近だった。
普通の定食屋、でも歴史のありそうな
和洋食「日松亭」へ。

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女将さんに「歴史長そうな店ですね。どれくらいですか?」
と尋ねると、「ボチボチやね」と素っ気ない返事。
膨らまねぇな。

「オススメはありますか?」

「デミグラスソースは自慢やね」

というわけで、ビフカツ定食を。
M君は、ハンバーグ定食を頼んだ。

大変にみみっちい話だが、誰かに奢ってもらうときに、奢り手の頼む一品の金額を超えないようなモノを頼むという不文律がある、と思う。
まさにM君は僕の「ビフカツ定食」をオーバーしないように「ハンバーグ定食」にしてくれた。そんな不文律を解しているのならば、僕の方が思いっきり“高め”の料理を頼み、奢られ手の意識を柔らかくすべきであった。

余裕があれば、な。
というか僕は金をたんまり持っていても、誰にも奢らないタチの人間である。
そんな器だから、ダメなのよね。

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途中、入店してきたオッチャンは定食に、瓶ビールを二本頼んでいた。
それが正しい。


M君と、「お互い肉体労働した後、豪勢に焼肉行こう!」と約束する。
その時には、M君が奢るべきだ!と本気で思っている46歳であった。

すっかりM君に追い越される

メシを食いながら話していると、
M君は、どうやら金曜日の現場に6月頃まで継続して入れるそうだ。

ホラ!あっという間に、追い抜かれたーーー!

もう6時過ぎに、あいりん地区近辺のコンビニに行けば迎えが来るそうだ。
3時起き、回避!
選ばれし人だよ!

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上が僕の食べた、ビフカツ。

下が、「僕が奢ってやった」ハンバーグ。

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猛烈に美味いとは感じなかったが、少し甘めで粘度の低いデミグラスソースは確かに独特であった。
まともなメシ食いました。
ごちそうさまでした!

 

日松亭」の天井の蛍光灯の配置も独特であった。

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そして会計をお願いする前から、こちらが2000円を出すことを予測して、追い越し気味に400円を渡してくる速攻会計であった。それも独特。

宿に戻り、翌月曜日の活躍を期して、早めに眠る。

 

収入

30,230円

 

使った金額

貯金:25,000円
宿代:6,175円
漫画喫茶宿泊:2,220円
駐輪場代:150円
交通費:230円
コインランドリー(洗濯):200円
ビフカツ定食:800円
ハンバーグ定食:800円
たっぷりタルタルフィッシュバーガー:203円
ささみ揚げ・梅しそ:138円
豚肉と筍の春巻:95円
ガリガリ君リッチほとばしる青春の味レモンヨーグルト味:106円
食事の脂にこの1杯。プーアル茶×烏龍茶:171円
紅茶花伝ミルクテーホット:146円
烏龍茶:151円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:400円

 

所持金

5,300円

 

西成で暮らす。20日目 「泥VSスライム」

2021年3月20日

 

この土日は連休。
祝日には、西成現金仕事は発生しない。

この連休は、大阪全域に「雨予報」。
とは言え、週末にウーバーイーツをこなさなければ収入がない。

今週いっぱいお世話になった「パークイン」は今日まで。
楽天トラベルのカレンダーを眺めると、「パークイン」は3月最終週は一気に宿泊費が高騰している。そうなれば、ここに泊まることは不可能になるだろう。

 

朝8時には宿を出る。
双肩にかかる重さを噛み締めつつ天満まで移動。
まだ雨は降り出していない。
この間に、稼ぐぞ!
修行するぞ!修行するぞ!

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9時過ぎから23時近くまでウーバーイーツを稼働。
¥14,318也。
時給にすれば¥1,000程度。
天気はなんとか持ってくれた。

淀川越え案件

「淀川」は、琵琶湖から大阪まで連なる一級河川
大阪の梅田周辺でウーバーイーツをやっていると、ときおり配達先が「淀川の先」という案件にぶち当たる。

これはツラい。
確実に4,5kmのロングトリップになるし、何より今日のような天気の悪い日など橋をわたる際に、その横風で自転車が揺さぶられる。
大阪中心部で何件も配達をこなせれば効率がいいのだが、一件でも「淀川越え案件」が巡ってくると、もう心身ともにダメージ。

今日も数件、淀川を超え往復。
途中、3回連続「淀川越え」をして、さすがにダウン。
川っぺりで横になって休憩。
曇天ではあるが、連休の初日。
多くの家族連れがピクニックを楽しんでいた。

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「泥のように」以外にどう表現するのか?

いつもの週末のように「快活CLUB」に入る。
ソフトクリームを舐め舐めしてみる。
人生も舐め舐めしてきながら過ごしてきたから、こんな現状なのだろう。
後ろ向きになってもしょうがない。

夜中までやっている銭湯に行きたかったのだが、もう動きたくない。
風呂にも入っていないおっさんが配達しています。
すみません。

すぐに、フラットシートに横になり、泥のように眠る。

 

泥のように眠る

 

という表現がクリシェであるが、おそらくこれからもこのブログ内で頻出してくるはず。
なんか、他の良い表現ないだろうか?

ここで用いられる「泥」は、砂や土が水分を蓄え、ゲル化していく。
確固として自立していた肉体や精神が、スライムやアメーバのように醜く溶け、その場に投げ出されるという感じだろう。

ならば「スライムのように眠る」でいいのかも知れない。
または、その精神性を考慮して「死んだように眠る」でもいいのかも知れない。
「眠るように死ね」たらいいですね。

おやすみなさい。

言わずと知れた時数稼ぎでした。
申し訳ありません。

 

使った金額

ファミコロ:76円
タレチキ:216円
ちくわパン:149円
じゃがいも心地・ごま油:117円
マクドナルド・ご飯フィッシュ:390円
マクドナルド・倍チーズバーガー:240円
天ぷらうどん:340円
果汁グミ・いちご:95円
果汁グミ・ぶどう:95円
クーリッシュ・ベルギーチョコレート:95円
ライフガードグミ:214円(二個分)
ヨーグルト&カルピス:80円
ココナッツミルク:110円
烏龍茶:151円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:800円(二個分)

 

所持金

12,285円

 

西成で暮らす。19日目 「システムの間隙」

2021年3月19日。

3時にスマホのアラームをセットしていたのだが、その前にM君からLINEに入電。
すでに、仕事待ちを始めているという。

慌てて、顔も洗わずに出奔。
歯は磨くべきだった。この一回が歯をボロボロにするのだ、きっと。

 

いつものゾーンで立ちんぼ&聞きこみをし、しばし待ちの姿勢でいると、手配師の方から声をかけられた。
どの人が手配師なのか、仕事探してる人なのか、判別しにくいんですよね。

「君ら2人じゃないとあかんの?」

「いえ、大丈夫です!別々でも」

「解体なんやけど、現場の経験ある?」

「彼は現場の経験あります!」

M君の方を促す。
その後の交渉で、M君は無事今日の現場を得た。

「1人しか空きないねん。悪いね」

手配師からねぎらってもらう。

 

「行ってらっしゃい!またね」

M君の後ろ姿を見送る。

 

ホッとした。
3000円しか手持ちがなく、明日の宿も決まっていないM君を路頭に迷わすわけにはいかなかった。
なんとなく責任を果たした気分。

その後、5時近くまで粘ってみたが、仕事は得られず。
実際、連投できる気がしていなかったのだが。

切り替えウーバー

宿に戻り、二度寝かまし天満に戻り、ウーバーイーツに興じる。
「興じる」っていう表現が適してるんだよなぁ、ウーバーは。
恐怖も、大きな疲労も、ない。
労働の質が違う。

13時〜21時まで稼働し、¥6,768。

 

ウーバーイーツは現金受け取りもできるのだが、その際には手持ちにお釣りを用意しておかねばならない。
やりとりも煩雑で、いつもお釣りの計算にテンパってしまうし、何より余分な現金はない。
よって「現金扱い」はやめている。
体感としては、「現金扱い」をすれば配達注文は3割程度増えるように思う。

「現金扱い」をしておらず、すでにお客がウーバーイーツアプリ上でクレジットや電子マネーで決済を済ませていれば、

「置き配」

というパターンが多くなる。
これならば、客の玄関先に商品をおいて来るだけで配達が完了する。

「置き紙」問題

注文が入り、商品を受け取りに飲食店に行くと商品を渡されるわけだが、その際、ビニール袋などに入れられておらず、紙袋のまま渡されることも多い。

「置き配」の際には、客先の玄関先の地面にそのまま商品を置くことになる。
「食べ物を地面に…」
このシステムには当初から抵抗があった。

こういう感じである。

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お客の中にも抵抗を感じる人はおり、配達メモに以下のような注意書きをし、「置き台」を用意する方もいる。

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そこでプロウーバーイーツァーとしての僕は、自主的に「置き紙」を導入している。

他の配達員の方でも、「置き紙」をされている方は多いようだ。
こういう感じである。

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みんなの味方100均「ダイソー」で色紙を買って、商品の下に置くことにしている。
まぁ、ムダなサービスかも知れないが、ウーバーイーツ運営本体はシステムを提供してくれるだけなので、配達員それぞれの K・U・F・U©️ライムスター が求められるわけだ。

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人は大きなシステムに準じて、従って生きていることがほとんどだ。
しかし、そのシステムに瑕瑾や綻びがあれば、それを糾し改善できる部分には個人が手を入れていかねばならない。

西成現金仕事も、大きなシステムの中でそこに従って、仕事を探し、一日働き、現ナマをもらう。このシステムに矛盾を感じれば、より良き更新がなされて欲しいし、そうなるように変えていかねばならないはずだ。 
単純に、3時起きとかはなぁ、勘弁して欲しいわけです。

 

何より、プロウーバーイーツァーとか言う前に、「プロ西成仕事人」になれ!という話。
精進します。

励ましのお便りに陰りが…

今週もブログを読んでくださっている方から、リアルなお葉書を頂戴した。

ありがとうございます!

しかし、明らかに一通目と比べてテンションが低かった。
その低みは、当然僕のブログの内容、面白さと比例しているわけで。
しっかりせねばならん。沈痛。

誰にも見向きされなくなったら、おしまい。
逃げて行く先なんてどこにもない。

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ウーバーイーツの途中、見かけた閻魔堂。

そこにあった言葉が身に沁みる。
「置き紙」を自主的に行う精神を維持して行きたい、と思う。
「情けは人の為ならず」結局自分に返ってくるはずだ。

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使った金額

ハッシュドポテト:97円
ロングデニッシュ:127円
ソーセージマフィン:110円
マヨメンチドーナツ:110円
とろ〜りチーズタマゴコッペ:95円
白身魚フライ:95円
チキムネ:117円
プリングルス・フィッシュ&チップス:117円
キットカットメロン:75円
飲むフルーツポンチゼリー:95円
かむかむマスカット:54円
かむかむ白桃:54円
パピコ・地中海レモン:64円
マイルドいちごオーレ:106円
まほうのラムネ:126円(三個分)
フルーツオ・レ:100円
すばらしい烏龍茶:100円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:570円

所持金

15,453円

 

西成で暮らす。18日目 ②「福岡からの来訪者」

2021年3月18日。②

 

 前回からのつづきです。

nishinari-lives.com

 

本当に良くしてもらった。
腕はもう上がらないけれど。

また、会えたらお願いします!

監督さんと職人さんに別れを告げ、事務所まで送ってくれるという社長さんの車に乗り込む。
この場で現金を貰えないようだ。
また1時間かけて事務所に戻る必要がある。

 

すぐそばのコンビニで車を停めた社長さんが、

「なんか飲む?」

「ああ、麦茶でお願いします」

「麦?ビールじゃなくて?」

麦芽いらないです(笑)。お茶で大丈夫です!」

「気にせんでエエんよ。酒でもいいし」

 

お茶を買ってもらい、飲みながらの車中。

「慣れん仕事で疲れたでしょう?」

「いえ、ご迷惑おかけしました。でも、みなさんに優しく接してもらったので有り難かったです」

「ウチはいつもあんな感じよ。よく隣の現場で怒鳴っとる人もおるけどね。そんな雰囲気はつまらんでしょ?」

「ありがとうございます。なんか歳取って、優しくされると泣いちゃうんですよね…」

「いくつ?」

「46です」

なんか車内がしんみりしてしまいました。
失敗。後悔。

 

「私がこの仕事始めた頃はねぇ。先輩が仕事終わった瞬間に、カップ酒開けて飲んどった(笑)。そんな人ばっかりやったねぇ」

「次、来た時はチューハイ買ってもらいます!」

「次」なんていつ来るか、わからないのだけれど。

渋滞にハマる

帰路、大規模な渋滞にハマりこんでほとんど前に進まない。
結局、19時半までかかってしまった。
しかも、ここから西成までの交通費は自分持ち。
いい事ばかりはありゃしない。

事務所に装備品を返し、近隣の地下鉄駅まで送ってもらう。
降りぎわ、

「遅くなったから、コレ。なんか食べて」

と事務所の人から1000円札をもらう。
今日の報酬自体は¥10,000。プラス¥1,000。朝、カリスマ手配師から得た¥100。昼、お釣りを浅ましくガメた¥300。
となった。

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M君と出会う

そして、ここで意外な展開をお伝えしたい。

このブログと連動させてtwitterも更新している。

内容としては、はてなブログをあげた際にお知らせするだけ。貧弱なアカウント。

twitter.com

 

そんな僕のtwitterアカウントに今月の始めにDMが届くようになった。

彼は福岡に住んでおり、「西成で働く」ことを考えているという。

「西成 日雇い」などのキーワード検索で、下ーーーーの方に僕のこのブログがあり、覗いてくれたよう。確かにリアルタイムで「西成での仕事の仕方」や「西成の仕事の現状」を発信しているものは少ないんだろう。

DMでのやりとりを続けていると、「収入が11万/月」しかなく、「現場仕事の経験」があり、「年齢は21歳!!」。確かもうすぐ22歳なのかな、おめでとうございます!なんもお祝いできないけども。。

「仕事は毎日ありますか?」

と問われ、

「ありますよー。西成来るのならご案内しますよー」

と安直に返答していたのだが、ここ最近は仕事にあぶれることも増えている。
なんと言っても若いし、わざわざ西成くんだりまでやって来て仕事をする必要もないだろうから、そのことを伝えつつも、この異界、このとっても変わった街を訪れてみるのは貴重な体験かも知れない、と思った。僕が若く、そのエネルギーを持て余していれば、行ってみよう!と考えたかも知れない。

そして、ブログのネタになるかも!
という姑息な考えがあったのも紛れもなく事実。
こすい46歳。ごめんなさい。反面教師でしかない。クズ。

 

そんなに早急にコトが運ぶとは思っていなかったのだが、DMでのやりとりを始めて2週間ほど。彼は高速バスでわずかな現金を握りしめ、西成にやってくると言う。
それが、今日であった。

彼はもう西成に到着し、宿も取っているという。
20時過ぎに初対面することにする。

 

彼の投宿先の前で挨拶を交わす。
M君は、髪を金色に染め、180センチ以上の長身痩躯。スタイルも良く、アメリカ村にたむろしている若者と見た目は何も変わらない。切れ長の瞳で、爽やかな好青年という印象。

「もう3000円しか手持ちないんで、明日働かなきゃヤバいです」

一緒に、早朝仕事探しゾーンに行き説明。
その後、三角公園に行き缶チューハイで乾杯。

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「西成で稼いでやる」

その後、2時間ほど話す。

「一本道を渡ってあいりん地区に入ると、空気が変わりますね。どんよりしてます(笑)」

その感覚は全く正しい。
この場所に漂う独特の色味、独特の匂い(実際のスメルというよりは、感覚的なものだが)は他の街にはない。

「一度来てみたかったんですけど、思い切って。バスの中からずっと不安でした」

 
西成に2,3ヶ月逗留し金を貯めたいこと。
どの職場でも、いつも人間関係で悩んでいたこと。

 

M君はあけすけに自分のことを話してくれた。
明日は、3時には一緒に仕事探しを始める約束を交わす。
現場仕事の経験もあり、若いM君ならば、きっと仕事にありつける。
そうでないと、少なくとも僕の情報を頼りに来てくれた彼に申し訳が立たない。
僕はこの時点で、明日も働ける体力ゼロでしたが…。

特に大阪の若い連中が行くような場所には興味がないようだが、大阪の腕の立つ彫り師は訪ねてみたいという。興味の対象が違うなぁ。
僕もやり直したい。
もちろん、やり直すためにココにいるんだ、僕も。
そう、勇気をもらった。

 

途中、

「なんか他に聞きたいことある?」

と口に出してしまい、直後に自己嫌悪。
「西成に来て、まだ数回しか現場に入っていないし、体力が追いつかずに全く稼げない中年だけど、西成のことなんでも聞いてよ!」
みたいなスレに何を聞きに来るというのか?アホ。

先輩風吹かして、実が伴っていない。

同類のプオタであることが判明したので、少しプロレス周りの話もしたが、UWF前田日明も通じなかった。ジジイは去るのみ。

夜風が冷たくなってきたが、あっという間に2時間が過ぎた。
M君を宿まで送り、明日の再会を誓う。

 

 

自分の宿「パークイン」まで帰る途中、夕飯を買いにコンビニへ 。
歩きすがら買い食いしていたら、ホットサンドツナチェダーチーズを半分道に落としてしまう。

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何にもいい事ないぞ。

 

スコップを握りしめて出来たマメが潰れて痛く、皮を剥がしてしまう。
剥がしすぎて、血がにじむ。

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もう寝よう。

M君!ようこそ西成へ。 

 

仕事内容
日付:2021/3/18(木)
場所:大阪市
現場:更地
内容:土壌改良・乾式柱状改良
時間:4:05~16:45
待遇:朝昼飯アリ
給与:¥10,000

西成で得た金額
10,000円+1,000円+300円+100円

使った金額
交通費:300円
ハッシュドポテト:97円
ホットサンドツナチェダーチーズ:321円
つぶグミ濃厚オレンジ:194円
微糖アイスティー:100円
コカコーラゼロ:160円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:800円(二箱)

所持金

17,665円