暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

西成で暮らす。153日目〜155日目「夏のくだくだしさを適切に語りたい」

2021年8月14日〜8月16日

はい、ごめんなさいね。
西成のこと書いてなくって、ごめんなさいね。
看板倒れで、ごめんなさいね。
「ごめんなさいね」って何回もタイプして、何回も「ごめんんあさいね」って打ち間違えてます。ごめんんあさいね。

また、ウーバーイーツものです。ごめんくださいね。

 

ウーバーでピックアップ先の店舗に伺う際に、「こんにちはウーバーです!」と言って入店していくのが常なのだが、今日はマクド

「お世話になってます!ウーバーですよ!」

と言いながら入店してしまった。
「お世話」
お世話なんかしてないし、お世話になんかなってない気がしてむず痒かった。
上司からの小言を聞かされている時に、ずっと
「はい」「はい」「はい」
と返事をしていたのに、たまさか一語
「へい」
と丁稚マナーが口をついてしまった時のような、むず痒さであった。
みんな、何て言って商品を受け取りに行ってるんだろうか。
そんなに卑屈になることもないし、当然居丈高になる必要もない。「お世話」になるとか、大袈裟すぎる。言葉遣いにいつまで経っても、正解が見出せない。HEY。

この日は、断続的な雨だったが、それほど強くはなかった。しかし、暑さはキリがないように、いつまでも絶え間なく湿気と暖気がまとわりついている。HEYHEY。
嗚呼、みんなバテとる。

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午後イチあたりで、アパホテルの宿泊客に届けた。
ホテルからの注文は少なくないが、多くは
「ロビーで受取」「ホテル前で受取」
になる。
セキュリティの面でも、ホテル内、客室の前まで配達員が侵入できるケースは少ない。
が、アパだけは例外。
ほとんどのアパホテルが、構造上フロントよりもエントランスに近い位置にエレベーターを設置しているので、ホテル従業員の前を通ることなく、直接客室フロアまで入ることが可能。
注文客と待ち合わせる手間は省けるが、変わった造り。
デリヘルも呼びやすいね。ウーバー取るのと、デリヘル呼ぶなら断然アパだね。

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鳴り止むことのないウーバーアプリを強制終了させて、23時には終了。
明日も、雨模様予報。
鳴り止まない配達依頼、止まない雨、濡れる街角、疲弊する身体、を抱えて生きるの。
HEYHEYHEY。

Spotify

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を、リピートして西成「パークイン」へ戻った。
おおお、曲のリンクを貼ると記事内が華やかになった、おおお。

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翌日曜、なんとか7時半にはウーバーイーツ開始。
早い時間帯は強烈な雨に苛まれ、やりきれなくなる。ヤリキレナイ川
北海道に実在するこんな名称の河川を知ったのは藤岡みなみのラジオであった。アイヌ語の響きが、たまさか日本語と意味合いと合致して、深味や滑稽味を醸すことは、ままある。ハッピーアイスクリーム的な。

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ずぶ濡れて、ピックアップに向かった吉野家では、先日のなか卯のように、神様めいた店員さんが居られ、

「ご苦労様です!お水どうぞ!」

と水分補給を促してくれたのだが、雨によって身体が冷え切っており、

「こんな日は、寒いんじゃ、HOT出せや」

と瞬間感じたが、ありがたいことは断然確かなので、一気に飲み干した。氷は不要。寒いから。

 

この日は午前中のうちに、同じお宅に3回続けて届けるという珍事が発生し、流石に3回目には

「何回もすみません(笑)」

と顔を見合わせて笑った。お客さんが、

「お世話になりました。4回目はないですから(笑)」

と。確かに、これに限っては、少し「お世話」したかも知れない。
しかし、マクド→牛丼→鰻丼というのは少し食い過ぎである。体調に気を付けて欲しい。これ以上お世話は出来ない。

 

午っ後からは、気温も上がり、いつものぬるま湯の中をかき混ぜてもぬるま湯みたいなアジア的な湿気と猛暑をしとどに感じながら稼働。
この夏の空気、暑い熱い厚い夏の不快感のはなはだしさを表現するのに、もっとも解に近い語句の並びを奥野紗世子の文章で読んだ気がするのだが、思い出せない。
すごく的確に夏を表していたので感心しきりだったことは覚えているのに、感情は思い出せても、感情の対象は思い出せない。気持ちだけを素手に握っているような半端な。

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夜になって、配達依頼の頻度が鈍ってきたので、いたずらに「淀川越え」案件を受けてみたらば、片道8キロのロングライド。

もう、十三も新大阪もこの世から消えて無くなればいいのに!
8キロをフルテンで走ったら、出てきたお客さんに、

「びょエエーー!早いー!」

と感激された。
シブチンのウーバーであるが、さすがにこの距離なので、一件で1500円近いあがりになった。

ウーバーイーツのシステムが変わり、配達先が事前に判明するようになってから、梅田や難波から、淀川を越えるような案件は押し並べて蹴ってきたが、それによって十三や新大阪に住む人は「待たされる」ことが増えているのではないか?という疑問をついでに、びょエエーーの方に尋ねてみると、

「確かになかなか配達員の人が決まらないのか、遅くなったような気はしますね」

「でしょうね、僕も久々に淀川越えましたもん」

「遠ければ、その分収入も増えるんじゃないんですか?」

「そうでもないんですよ。距離が配達料に反映されないケースも多いんで。だから、あんまり『淀川越え』をやりたくない配達員は多いはずです」

「そっかー、でもウーバーがもう癖になってるから、注文しちゃうんですよね。ご苦労様です。お世話になりました!」

確かに「お世話」したぞ。8キロだぞ。
淀川越えしたくない、十三と新大阪死ね。

でも、びょエエーーの方はとてもイイ方だった。なぜなら、チップも弾んでくれたから。
お世話になりました、お世話しました。

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23時過ぎまで稼働し、コインランドリーで洗濯をし、「ホテルリブマックス 大阪淀屋橋」にインして、終了。

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翌月曜の朝は、早起きし、西成安宿では考えられないほどの爆速ネット環境のもと、名古屋案件の資料をまとめる。

ホテルリブマックス淀屋橋の、朝食ビュッフェには、数種類のお茶漬けがあるので、ご飯のおかわりは茶漬けにして胃に放り込むと良い。米粒を噛む手間が省ける。こんなだから、痩せない。

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天候は芳しくなかったが、小雨を浴びつつ四天王寺近くの逢坂公園で、福岡オンラインMTGに参加。いつも通常業務が忙しく、あまり積極的に会議に参加できないMさんが、今日はかなり絡んでくれて嬉しかった。
そうだよ、もう僕はzoom越しにしか、人と濃く会話しない生活だよ。
声枯れそう。

その後「パークイン」に入り、スーパー玉出で買い出しし、食ったそばから牛のように眠る。

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収入

56285円

 

使った金額

8/14
交通費:230円
ヤマザキ・ランチパック メンチカツ:88円
ザクザク旨チキレギュラー:130円
カレー風味ひと口ハッシュドポテト:177円
有楽製菓・チョコケーキ:54円
かむかむ白桃:108円(二個分)
ショコラコーンパフ:75円
つぶグミ ライフガード:284円(二個分)
黒烏龍茶:108円
味わいカルピス:117円
レジ袋:2円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:400円

8/15
宿泊費:2700円
コインランドリー(洗濯+乾燥):800円
駐輪代:150円
タコスミートドッグ:318円
味わいタマゴサンド:178円
贅沢海老カツサンド218
ハムカツたまごサンド:175円
もちもちリング塩レモン:108円
セブンプレミアム・ラー油海老せん:108円
セブンプレミアム・サラミチップス:108円
ロッテ・濃厚カルピスアイスバー:119円
牛乳屋さんの紅茶ラッテ:149円
セブンプレミアムルイボスティー:117円
セブンプレミアム・まるで完熟メロン:149円
サンガリア・まろうまミルクティー:100円
サントリー・うめ塩ソルティ:140円
レジ袋:3円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール5mm:400円

8/16
貯金:35000円
宿泊費:5000円(五泊分)
駐輪代:150円
三幸製菓・新潟仕込み塩味:127円
一口黒棒:149円
キャベツミックス:147円
コーンサラダ:73円
天ぷら:276円(二個分)
自家製惣菜:108円
ピュアセレクトマヨネーズ:213円
森永・うまいチュウ白桃:190円(二個分)
角10棒ラムネ&レモン:181円
なっちゃんひんやり塩パイン:95円
塩のはちみつレモン:100円
コカコーラ・爽健美茶すっきり:160円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:400円

 

所持

44,174円

西成で暮らす。145日目〜152日目「自分の値段」

2021年8月6日〜8月13日

南天満公園で、朝5時には目を覚ます。
昨日まで、旅に出ていた訳だけれど、結局ずっと旅に出ているようなものだ。

6時には、扇町公園で待機して、ウーバーイーツの配達依頼を待つ。

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夏の盛りで伸びきっていた植栽がさっぱりと刈り取られていた。

公園管理・清掃のオッチャンと話す、

「草がな、背ぇ高くあるとみんなそこにゴミ捨てるんよ。捨てるいうんか『隠す』んやな。だっから、こないだ草刈った時も、半分はゴミよ。弁当ガラやらペットボトルやらな」

ニューヨークの地下鉄で落書きを消したら、犯罪が減ったという「割れ窓理論」は今や否定されているようだが、「捨てる」という行為に後ろめたさが張りついているからこそ、「隠す」ように「捨てる」わけであろう。

「まあな、アホな連中が『隠す』から、ワイらの仕事もあんねんけどな(笑)」

扇町公園は、とくに土日はファミリー層で賑わい、学生たちが集うとともに、公園に居着いたホームレスの人たちの姿も多い。
清掃の人たちと、ホームレスのオッチャンが、協力してゴミを集めている様子もよく見かける。

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最低賃金300円でファーストフードをピックアップし、35℃のとろけそうな陽を受けながら、迷路のようなタワーマンションに入り、束の間冷房の恩恵を受け、商品をドロップする。
繰り返し。

時折、ピックアップ先の店舗で、
「トイレ大丈夫ですかー?」「ご苦労様ー。飴チャン持っていきー」
と労いの言葉を頂くのだが、この暑さでは「お冷」とかドバドバ飲ませてくれると、それはほとんど神様に近い後光を放っているように見える。

午後に訪れた、「なか卯 梅田太融寺店」のおねえさんに、

「お疲れ様です!どうぞ、これ飲んでくださいねー」

と、氷の入った麦茶を差し出された時は、完全におねえさんの後背に光が見えました。

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氷ボリボリ齧って、また配達。

コロナに加えて、熱中症警戒警報も発令され、誰も不要不急の外出はしない、盛夏真っ盛り。
アンタらの腹持たせの片棒担ぐのは、俺らにまかせろ。
配達依頼は切れ目なく続く。

15時あたりに都島区の公園で1時間ほど気絶していた以外は、23時まで働き通す。

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44件配達/日 というのは、新記録かも知れない。Tシャツ2枚投げ捨てた。首元から異臭がする。気のせいだと思いたい。

日付を跨いで、「楽天地温泉」へ。
常連さんの石鹸ケースの陳列が美しい。

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風呂上がりに、大阪天満宮横の植栽脇で一服していたら、茂みの奥から

「ここでどうだろ?ここでいいでしょ?」

とすがるような男の声がし、

「はい、でも最後まではダメですよ!ウフフ」

「どんくらい?」

「今、ホントにお金ないんで、5,6万は欲しいです」

と幼くか細い声と、男の会話が聞こえてくる。
そうか、そうか。特等席に座れたな!

しばらくゴソゴソベチョベチョしていたが、

「うん。それじゃ近くのホテル行こ!」

との決断が下され、スーツケースを転がした50代くらいのスーツ姿の男性と、花柄ワンピのおぼこい女性が連れ立って、天満駅方面に消えていった。
最後まで行く、のだろうか。10万以上は分取って欲しい。
午前1時、住宅街らしい静寂が戻った。

 

常宿、南天満公園のベンチは夜になっても、汗が吹き出すような熱気に包まれていた。

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3時間ほど眠り、蚊との闘いには、コテンパンに惨敗し、眠気との闘いには惜敗し、起床。

 

「毎年、人間を最も殺すのは何か?」
という“よくある質問”の回答は、『人間』による殺人であるが、実際の首位は『蚊』であり、マラリアなどの伝染病で人間はもっとも多く死んでいる、らしい。
こんなに、ひっきりなしに動き回り、生きようとする逞しい生物と、折り合いをつけていくのが人間の生活なのだろう。
一番の対処法は、クーラーをほどよく効かせて、閉め切った室内で休息を取ることである。野宿はもってのほか。

 

午前の配達では、お客様よりこんなメッセージをいただく、

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どんなに急いでも、そんなに早くは行けないよ。
イラついたので、無視して返信しなかったら、BAD評価が付いた。

マンションのエレベーターの壁面には、さまざまな貼り紙があり、それを熟読するのは楽しみのひとつ。

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もう、これは明らかに犯罪。
アホの隣で暮らすのか、アホに弁当を届けるのか、人から離れて蚊と格闘するのか。
どうやっても、生きづらいわね。

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昨日の疲れもあり、20時半にはウーバーイーツ撤退。

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中央区谷町の「いろは湯」へ。

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土曜の21時という時間帯であったが、閑散としていた。

入浴を終えて、歯を磨いているあたりで、子ども連れが数組やって来る。
毎週土曜日は、『親子ふれあいデイ』とのこと。東京オリンピックのサッカーだかを観終えたばかりらしく、一気に脱衣場がカーニバル化。辞去。

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23時を回って、いつも利用しているコインランドリーに行くと、ソファに深く腰掛けた青年(30代に見えた)が爆睡している。有線イヤホンの繋がったアイフォンに、大きな荷物(スーパーの袋)を二つ並べている。
割りにガチャガチャと音を立てていたのだが、どんな音にも動じず果つるなき眠りの底。
南海トラフでも鳴動しない限り起きなさそう。
乾燥機の仕上がりを待っていた女性と目が合い「やれやれね」みたいなアイコンタクト。
まあ、野宿よりは快眠できるわな。羨ましい。
ちょうど、ランドリーの外に出る時間が符合し、話しかけられる。

「ご近所ですか?最近、あの人ずっといません?」

「いや、週一しか来ないので、初めて見かけました」

「管理会社に連絡してるんですけどね」

「ホームレスぽくはないですけどね」

「でも、ちょっと怖いから。ちょっと迷惑なんで。なるべく早く対応して欲しいんですけど」

“なるべく早く”!
お前、昨日ウーバーイーツ頼んでないか?そして、配達員評価にBADを押してるんじゃあるまいな!
青年よ、僕は君の味方だ。飽きるまで眠れ。

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三日連続、野宿。
おやすみなさい、なるべく早く寝よう。

 

今日も、7時前からウーバーイーツ配達開始。

暑さのせいか、Googleマップの挙動がおかしい。何度も再起動を繰り返し、ナビが働いてくれなくなる事態が頻出。
熱暴走っていうのでしょうか、水疱瘡よりだいぶいいですけどね。

ほとんど、記憶を頼りにおおおまかに移動する。
そんな芸当が出来るくらいに、大阪市の地理に明るくなったのだな。遠い目。
昼前後のピークタイムに完全にナビが落ちたので、南大江公園で東京オリンピックの女子バスケ決勝を鑑賞し、和む。

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配達先のマンションで一緒になった中華料理の出前の方に、

「ウーバー?稼げます?」

と尋ねられる。

「どうすかね、単価が落ちたんで。でも、週末だけで3,4万はいけますかね」

「おおーっ!ええーー!マジで。俺なんか、時給よ!920円よ!なんだよぉ、いいなぁー。俺、やってられないよぉ」

でも、ちゃんと安眠できる家はあるんでしょ?やっていけるよぉ、貴方。

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身だしなみと言おうか、オッサンの短パンサンダル姿(すね毛!)というのは、このうえなく見苦しいものであるとの認識はあるのだが、背に腹と言おうか、暑さと汗には変えられない。
すっかり、短パン上等。
僕なら、こんなすね毛丸出しメガネデブの配達員には、即BAD評価するね。

 

22時近くまで稼働し、最後のピックアップ先であるカレー屋でたっぷり待たされたので、トイレを借り、喫煙し、歓談。

「へー、やっぱ相当減ってるんですね」

「もう、ダメね。8割はウーバーの注文に頼ってるのよ。従業員も食べさせて行かなくちゃダメでしょ?もう、2ヶ月続いたら、おしまいかもね」

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だけども問題は今日の雨©︎井上陽水

傘がないどころか、屋根がない。
どうやら、深夜から明日の午前にかけて降雨予報。

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いやー、残念!
かつ、無念!
連続野宿記録が途切れる。
いやー、悔しい!

ビジホ最高。
「ホテルリブマックス 大阪淀屋橋」へ。
食楽しみ、蚊がいないって、天国。

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久々に熟睡をかまし、お昼前に起床。朝食ビュッフェを堪能し、外に出るがまだ雨が降っている。雨中、自転車を漕ぎ、福岡オンラインMTGに参加せんと、公園に移動。
やがて、14時前には小康状態に。

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先日、泊めてくれた心優しき元同僚に連絡を取ると、

「今日は無いです」

とのこと。オイ、早く言えや!
ほとんど役に立っていないプレイヤーだとしてもよ。してもだ。おてもやん

予定を変更して、ウーバーイーツ稼働。

コクのある貼り紙を眺め、

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サンダルを磨き、

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お客様からの謎の指定をこなし、

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打ち捨てられた「冷マ」を想い、

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本日は、深夜1時近くまでウーバー稼働。

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この金土日月の稼ぎは、¥72,572也。
金は野宿。土も野宿。日はビジホ。月また野宿。
な、ずっと汗臭い数日であった。

 

帰ってきた南天満公園のベンチで就寝。
「就寝」てほど、ラグジュアリーではないけども。
ビジホが恋しい。

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思いの外よく眠れた、火曜日の朝。

動き始めた街と人を眺めながら、疎外感満載で、ご褒美ムービーへ出かける。
何がご褒美なのか。大して働いてもいないのに。
クソみたいな基準で、僕が決定しているだけだ。

梅田ブルク7で『パンケーキを毒見する』
シネリーブル梅田で『サマーフィルムにのって』

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前者については、かの国と違って、政治を茶化すとか権力者を弄ることに慣れていない感じがした。それは作り手ではなくて、観客の方が。この先、どうやって為政者を嗤うのか、嗤っても良いのか?という戸惑いが薄れていけば良いと思う。

後者については、キラキラしたものを求めてドロドロを見せつけられるという戸惑いを感じたかったのに、ドロドロもキラキラも無かったような気がして、落胆。観客はいつだって勝手よね。

ジュンク堂にも寄り、帰路につく。

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西成に向かう途上に、新たな野宿場所候補地である「史跡 難波宮跡」へ。

開けているし、歴史の雄大さに包まれながら眠るのは心地良さそうであるが、幹線道路の交通量が多すぎてなぁ。うるさくて眠れないかもしれん。

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夕方には、クーラー付きの部屋をゲットした「パークイン」に投宿。

スーパー玉出」で買い出して、びっくりするほど熟睡。
また、風呂の時間を逃したが、受付の方によれば、風呂が閉まる22時以降もしくは翌朝でも、風呂場を使っても良いそうである。

「女性が使っていれば、鍵がかかってると思うんで、その時は諦めてください」

「パークイン」は、やはり優秀な、というか一般的なビジホに近接している西成安宿なので、女性の宿泊客もチラホラ。見かける方は、大概夜に出かけていくのだよな。飲み屋の仕事は今はあるんだろうか?

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翌水曜は、ほとんど寝て過ごし、深夜から朝にかけて、名古屋案件の企画をまとめ、パワポを作る。こなれてきたな。クオリティは著しく低いが。

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木曜は、名古屋zoom打ちに参加。

8つほど企画を出し、大谷翔平の二刀流からヒントを得た企画が採用される。採用されそう、多分。

「どう説明してくるのか、楽しみだったんですけど、やっぱり面白かったですね!」

と、参加者の女性に言われ、嬉しかった。

「でしょ?これはイケると思ったんですよー!」

と調子に乗ると、

「褒めて、そのあと調子に乗るとこまで含めて、想像通りですよ!」

 

簡単に底が知れてしまう人間である。
底が丸見えの底なし沼©︎井上義啓
プロレスの作法を、web会議に持ち込むという荒技と、相手がしっかりセールしてくれ、結果しょっぱくなってしまうとこまで、全部プロレス的。
こんなしょっぱい試合ですいません©︎お前平田だろ

会議後、プロジェクトリーダーと電話で話し、ギャラの交渉。
交渉というか、「全部言い値でいいです」と徹底的に下手。自分の適当な企画の適正価格なんて、知らん。少しでも金が貰えるのなら、心底ありがたい。

「正直、コロナもあって案件自体の成立が流動的ではあるんです。けど、しっかり予算は組まれているんで、お支払いしますよ。そんなに卑屈になることないですよ。竹下さんには助けられてますから」

そんなこと言われて、調子に乗る私。
そこまでが想定範囲だ。

 

金曜日は、パワポ作り、Twitter予約投稿、買い出しと私書箱詣、読書で暮れていった。

 

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収入

72572円

 

使った金額

8/6
銭湯代:450円
配信チケット:2200円
ビオレ・ボディソープ泡サボン:527円
ビオレ・ガード髪洗えるボディウォッシュ:430円
果汁グミ マスカット:147円(二個分)
クリームソーダアイスバー:248円(二個分)
北海道練乳いちご氷:108円
ピルクル マスカット:150円
黒烏龍茶:108円
チェリオ・レインボーウォーター:100円
大塚製薬・マッチ ライチ味:140円
ヨーグルト&カルピス:100円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:800円(二個分)

8/7
銭湯代:450円
コインランドリー(洗濯+乾燥):1400円
おにぎり:242円(三個分)
ランチパック メンチカツ:149円
天ぷら:266円(二個分)
亀田・柿の種コク辛七味マヨ:214円
ボロニアクロワッサン:117円
ミニスナックゴールド:106円
ベーグル:119円
チキン南蛮マフィン:162円
キャベツメンチカツ:162円
とり丸くん チーズ:210円
ガリっとソーダ:124円
パインアメアイスバー:108円
シマシマウマウマバー:140円
フローズンヨーグルト140円
フローズンヨーグルト ブルーベリー:161円
セブンプレミアム・メロンミックス100%:181円
セブンプレミアム・烏龍茶:149円
黒烏龍茶:108円
アサヒ・十六茶:69円
コカコーラ・爽健美茶すっきり:160円
メグミルク・フルーツ:127円
チェリオ・セーフガード:100円

8/8
宿泊代:2900円
ハロハロ 果実氷メロン:376円
わらび餅こしあんぱん:130円
鶏皮包みチーズ:80円
二個カラ:40円
かき揚おにぎり:88円
おにぎり具しっかりツナマヨネーズ:88円
カフェラテワッフル:214円
ごまマヨチーズ:212円(二個分)
あわメロンゼリーブッセ:63円
みかんバー:124円
赤城・ブラック:147円(二個分)
ロッテ・ドールバナナフラッペ:129円
クリームソーダアイスバー:124円
セブンプレミアム・ロックアイスカップ:108円
セブンプレミアム・玄米茶:117円
メガ700エナジー:130円
濃いめのカルピス:130円
バナナオーレ:96円
大塚製薬ジャワティレッド:96円
塩ライチ:149円(二個分)
セブンプレミアム・烏龍茶:149円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:800円(二個分)

8/9
駐輪代:300円
ヤマザキ・大きなハム&タマゴ:108円
おにぎり ボロニアソーセージ:108円
ノザキのコンビーフポテトサラダパン:108円
ピロシキ:88円
ヤマザキ・カスタマ カスタード風味:108円
手巻寿司 ツナマヨ:108円
塩こんぶおにぎり:108円
つぶグミ ライフガード:142円
リスカ・チョコモナカ:65円
パピコ マスカット:151円
チョコクリームバー:124円
マイルドいちごオーレ:139円
黒烏龍茶:216円(二個分)
レジ袋:3円
レジ袋:2円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール12mm:400円

8/10
宿泊代:7400円(五日分)
映画代:2400円(二本分)
書籍代:1260円
駐輪代:100円
駐輪代:100円
ミニスナックゴールド:106円
カスタード&ホイップシュー:214円
キャベツミックス:147円(二個分)
自家製惣菜:324円(三個分)
ジャンボフランク:160円
焼きチョコブラウニー:138円
おやつベビースター:84円
カルビー・クランチポテト:106円
北海道練乳いちご氷バー:108円
やかんの麦茶:160円
メグミルク・フルーツ:106円
烏龍茶:100円
アールグレイティー:100円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:400円

8/11
コインランドリー(洗濯):200円
三河屋・大袋えび海鮮:257円
カルビー・クランチポテト:106円
黒豆おかき:95円
オイシス・もっちもっち明太子:171円
照り焼きたまごバーガー:73円
千切りキャベツ:73円
天ぷら:276円
自家製惣菜:106円
ケーキドーナツ:129円
お好み焼きみたいなパン:119円
コカコーラ・紅茶花伝ミルクティー:85円

8/12
コールスローサラダ:190円(二個分)
キャベツレタス:95円
カリカプリッツ 牛カルビ:85円
天塩屋 柚子こしょう味:149円
食べ方いろいろベビースター:149円
サッポロポテト つぶつぶベジタブル:75円
チップスター シーフード味:106円
かむかむ白桃:108円(二個分)
パルム チョコレート:75円
チョコモナカ:64円
烏龍茶煌:117円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:800円(二個分)

8/13
ふっくらバーガー:95円
長いソーセージロール:108円
ルヴァン ツナロール:75円
キャベツミックス:147円(二個分)
天ぷら:119円
自家製惣菜:108円
三幸・からり庵 海鮮しお:117円
マヨネーズあられ:117円
三幸・からり庵 天つゆ:117円
贅沢かきもち:117円
増量ピーナッツチョコ:108円
あの日夢見た雲グミ:158円
カルピスラムネ:129円
キリン・生茶:106円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:400円

 

所持金

38,071円

【西成のお店】お昼には閉店する定食屋。「たちばな食堂」

あいりん地区のメインストリート。
立ち飲み、角打ちの「小島商店」の隣。
早朝から、お昼過ぎまでしか営業しない大衆食堂店。

たちばな食堂

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メシを求める

西成に来て、体重が減ってきたと思ったのも束の間、最近は毎日、貯蓄を食い潰しているだけなのに、一丁前にメシは食うので、太ってきた。財布がカラになれば、畢竟痩せていくでしょう。いずれ。

今日は遅く起きたら来られない短時間営業の定食屋「たちばな食堂」へ。

その前に、三角公園へ行くと、炊き出しが行われていた。

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今日のメニューは豚汁のよう。プラスチック製のお椀を受け取り、思い思いのスタイルで食らい、洗剤とスポンジ、水が張られたタライでお椀を洗い、返却。

みんな笑顔で食事をもらい、整然と容器を返し、腹を満たしていく。
なんとなく、ユートピア
メシを食うときは、いつだって平和。

見た目がかなり若い人もいたが、この炊き出しの列に並ぶのは、なんとなく申し訳がないような気がして、今日は眺めるだけ。
金が無くなったら、お世話になります。
多分、もうすぐ。

注文してから焼かれる秋刀魚

少し、歩いて「たちばな食堂」の暖簾をくぐる。
そう広くない店内には、五卓のテーブル。それぞれに四脚の椅子。

先客は、二人。
テレビから流れる宮川大輔の世界の果てでの冒険を凝視している。
もう、ビール開けてんな。いいな。

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奥のテーブルでは、大将が伝票を整理している。
時間は、11時過ぎだが、そろそろ閉店時間が近い。

「これは、あそこから食べたいものを持ってくればいいですか?」

「そうやね。好きなんどうぞ」

店先のショーケースには、生の秋刀魚や鮭、漬物や奴、卵や薬味が並んでいる。

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丁寧にラップされた生の秋刀魚。
冷奴。

「それと、『小めし』でお願いします」

「はいー!魚焼くから、ちょっと待ってねー」

おばんざいとして、すでに焼き上がった魚が陳列されているような定食屋も多いが、こちらは焼き立てを提供してくれるようだ。いいぞ!

 

テーブルには、当たり前のように灰皿。ポコポコヘッド、島木譲二モデル。
お茶の入ったやかん。

秋刀魚の焼き上がりまで、一服しながら冷奴をつまむ。

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「はい、お待たせー」

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皮目の色付きよ。
美味いに決まってる。
醤油を垂らして。割り箸で魚をほじくるのは、結構むずかしいですよね。

ハラワタはすでに取り除かれているので、小骨だけを避けて。
肉厚というわけではないが、充分に秋の味覚を堪能。

小盛りでも、コンビニおにぎり二個分はありそうな白米。
みょうがを馴染ませて木綿豆腐を。

すぐに完食。

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「朝が忙しい店なんよ」

後ろのテーブルで伝票整理を続けている大将におあいそをお願い。

「ごちそうさまでした」

「ありがとうね。そしたら、…530円になりますー」

秋刀魚が250円。
奴が、100円。
小めしが180円。

焼き立ての魚を食べられて、満足感が高い。

 

「朝は何時からやってるんですか?」

「5時から。それで1時には店じまいよ。朝の方が忙しいんですー。5時からやっとる店はあんまりないですからね」

「また、早朝に来てみます」

「お待ちしてますー。ありがとうございましたー」

 

立場ない人のための出版社といえば、たちばな出版であるが、激安!とかではないが、清潔な店内で、落ち着いて焼き立ての魚をいただけるのは、「たちばな食堂」である。

美味かった。
宿帰って、寝る!

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たちばな出版のサイト開いたら、「立場ない人」よりも「座って読んでも」を推してますね。
座って読んでも、たちばな出版
どっちにしろ、ダジャレ。
一冊も買ったことないけども。

 

goo.gl

 

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※ 訪問日:2021/10/16

大分に行く②「人に頼りまくる旅」別府〜中津〜東中津〜福岡〜大阪

2021年8月1日〜8月5日

早朝5時半にフェリーを降りる。

同乗していた数組の旅客は、迎えの車で去って行ったり、思い思いの方向に散っていった。
当たり前だが、誰のお迎えもないので、しばし途方にくれる。
暇にあかせて、フェリー乗り場のクレーンゲームに課金しなかった自分を褒めてあげたい。

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まだ、バスも動いていない時間帯なので、レンタサイクルを行使する。

ちなみに僕は、30の時に合宿で普通自動車免許を取得したが、免許はあっても鉄の塊を衆人環視のなか、老若男女を殺害する危険を犯しながら、公道を走らせる能力と気概がない。
マンションを引き払う際に、トランクルームまで荷物を運ぶ際に、コーナンで無料貸し出しの軽トラを借りて運転してみたのだが、左折だけして駐車場に戻り、「ちょっと時間ないんで返します!」と宣言して退却した。
どうしても、バックする際の右左がわからなくなるし、ハンドルを不必要なレベルで切りまくるし、何よりも運転途中に、もうどうでも良くなる瞬間がある。何が出来るんだろうか、マジで。

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温泉街・別府の実力に服従する

一生、自転車を漕ぐのだな…と独りごちながら、別府駅まで移動し、街中にある温泉をハシゴ
これが想像以上に楽しかったので、別に書きます。
画像だけ。

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途中、八幡潮見神社に参拝。
とかしないで、一直線に社務所に行き、交通安全ステッカーを購入。
基本に忠実なオーバルスタイルだが、この丸形ステッカーにはオレンジ色ベースのものが多いので、朱色なら即買い。まったく、タメにならない情報。

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別府〜中津

鉄道により、別府駅から中津駅まで移動。
駅のホームで、「鶏めしおにぎり」を食らう。
博多でやわっやわのうどんを啜る際には、そのお供として「かしわめし」および「かしわめしおにぎり」を食うのがマナーであるが、大分では「鶏めし」。
「鶏」と「かしわ」は同義なので、結局は鶏だしで炊いた甘めのお米をふんわりと握ったものである。
結構、このふんわり感が重要なので、全国的にコンビニで売られているようなおにぎり版・かしわめしは、どっしり感が強いのでいただけない。ので、いただかない。

コチラの「鶏めしおにぎり」はふんわり名人であった。ふんわり名人は、きなこ餅がいただけける。お分かりいただけただろうか。

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東中津駅近辺に住む、天才クリエイターと合流。
今回の大分県訪問は、彼女と一緒に動画を撮影することが目的である。
小柄で、やや面倒くさいタチの女であるが、才能は確かである。
若さと才能、才能を持て余す若さ、行き場を求めて彷徨う才能、眩しい限り。

撮影のために、彼女がまとう衣装を買い求めに「ゆめタウン中津」へ。

ここの休憩コーナーで、カップリアルゴールドを飲む。

「この自販機だったら、絶対リアルゴールドですね!」

若い感性はよく分からない。

 

ゆめタウン中津」は、なかなかの人出。
ド暑い路上には人っこ一人いないが、モールに来ると地元民が全員集合しているという郊外都市のモデルケースは、ここ中津市でも常識である。

ここに来れば、場外馬券場はあるし、

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有害図書ポストはあるし、

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なんでも揃うはずなのに、衣装がなかった。

その後、ホームセンターなどを巡り、それらしい衣装を手に入れる。

「暑い、暑い!もう、アンタのアパート行こうや!」

「盛籠」の謎

ところで、「ゆめタウン中津」のエスカレーター下の一角には、慶弔時の花飾りとは一味違う明るい色調の花輪が並んでいた。

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この「盛籠」。
お盆時期にお中元的な意味合いで、贈答品を花で装い送る、大分県の風習であるようだ。
知らなかった。
ゆめタウンが教えてくれることは多い。
紙コップで飲むリアルゴールドの旨さと、盛籠の存在である。
「盛籠」と聞くと、なんとなく「置鮎龍太郎」を思い浮かべてしまったが、出身地は北九州市のようなので、ニアピン。

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東中津へ

「何にもないんで。ど田舎なんで、期待しないでください」

と事前に釘を刺されていたが、確かに東中津は絵に描いたような田舎町であった。

彼女は、絶対的ラバーと同棲しているので、愛を育む二人の居室にお邪魔するのは気が引けたが、これは仕事である、朝から温泉をハシゴしまくったが、あくまでお仕事として来ているのである。

からしばし歩き、彼氏と合流。
申し訳ないすね。お邪魔しますわね。すみませんです。

腹減ったな、ということで、二人が行きつけの、巨大なパフェが美味しいお店「ウォーターバレー」へ移動。
まさかのタクシー移動。

「こんな昼間に、歩いてたら、死にます」

若い才能は、優しく育てなければならない。
当たり前のように彼氏がタクシー代を払ってくれる。
ただし、これは声を大にして言っておきたいが、帰りのタクシー代は僕が払った。
流石にね。

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しかし、この栄養過多なパスタと、ヨーグルトドリンクのお代は、当たり前のように奢ってもらった。
流石だね。

食事をしながら、3人で歓談。

明日からの撮影の段取りと、これからの案件の展開などを話す。
彼氏は才能も含めて、丸ごと彼女を愛しているようで、眩しい。
目が潰れそうである。

途中、

「それ、もらっていい?」

とか、イチャついた感じも表出してきたので、眩しい。
耳を潰したい。

 

アパートは居室内は一応禁煙指定であったので、ベランダで煙草を吸いながら、取り留めのない話などして暑い午後をやり過ごす。

こうやってヤニを介してでしか話せないような気楽さもある。
やりたいことと、やれること。
そのための時間、時期など、若い頃は無駄に焦燥感に追い立てられるものだ。
僕も30になった時に、何者でもない自分を確認して、眠れなかったものである。
今や、一生何者にもなれないことを確認して、ぐっすり眠る訳である。

以前に彼女は『ウォレスとグルミット』好き、彼氏は「昆虫食」好き、という情報を掴んでいたので、前者はオークション系で探し、後者は西成のホテルで出会うGなどを捕獲してお土産として持参したかったのだが、前者は良さげな物が見つからず、後者は捕獲する瞬発力と勇気に欠けていたので叶わなかった。
「松山あげ」食うてください。

あわよくば、このアパートの片隅にでも泊めてもらえたら…
と画策していたのだが、彼氏にあっさりと、

「イヤです!」

と却下される。

なんだよぉ。
ただ、僕でも断るだろう。なんで、このオッサン、ブタ面してここにいるんだよ。
若い二人を尊重せねばならない。

こうやって、ハッキリした物言いをするべきなんだよな。僕も昔からそうしていればよかった。

夜まで東中津に滞在し、慌てて確保した「中津サンライズホテル」に投宿。
明日は、朝イチで再びここに戻って、撮影である。

「朝早すぎるのイヤなんで、ゆっくり来てください」

若い才能は、時に甘やかして育てていかねばならない。

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仕事した感じを装う

早朝に起き、ホテル併設のコインランドリーで洗濯。

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中津駅そばにある、「中津サンライズホテル」は楽天トラベルから3000円で、朝食付。

現場仕事に出かける装いをした方も多く、それなりの人数が朝食会場にはいた。
和食or洋食の選択で、「和で!」と頼んだら、調理のおかあさんが、

「ハイ!和ー!ワー!」

と、勝どきをあげ、良心的和食朝食をいただく。「おかわり自由」とのことで、白米をせびったら、

「ハイ!おかわりー!」

と、再び勝どきをあげてくれたので、なんだか僕もワッショイな気分の朝を過ごせた。ワー。

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ホテルのエレベーターには、長期宿泊客への注意書きがあり、よれば

「保健所の衛生管理規定による5日に1回の清掃」

とある。西成安宿では、そんなに清掃入んない。簡易宿泊所とホテル旅館では規定が異なるのかも知れない。

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中津駅から、一駅電車に乗り、東中津へ。

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駅から10分程度歩いて、クソ田舎という形容がふさわしい景色をやり過ごしながら、しかし、自分の故郷もこんな場所で、そしてけして嫌いではないのだということを確認しながら、天才クリエイターのアパートに到着。

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呼び鈴を押しても、まったく玄関ドアが開け放たれる気配がない。

LINEを送ったり、チャイムをびっくりするほど連打して、ようやく、びっくりするほど不機嫌な起き抜けの才女が現れる。
おはようございます。

料理の様子を撮影するのに、ブロック肉を購入するのを失念していたので、再びド暑い、ぬるたい空気に飛び込んで、往復30分かけて買い出し、など。

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かなりいい加減な仕事ぶりだったような気もするし、暑いから仕方がない気もする。

天才クリエイターにはご迷惑をおかけした。
「天才クリエイター」とか、小馬鹿にしているみたいな書きぶりだけれど、本当に天才的だと思っているので、承知しておいてもらいたい。ちょっと、撮影素材に不備があるかも知れないが、その天賦の才で成果物は上手くやっておいてください。

料理動画の成果物でカレーが出来上がったので、美味しく食べる。
食べたら、ヤニる。
二人して、ダラダラとダベっていると、愛しの彼氏が帰ってきたので、一人でできる構成作業などに勤しむ。お前らは、乳繰り合ってろや。

やがて、本当に寝室へ二人して行ってしまって帰ってこなくなったので、本当に乳繰り合ってしまったのではないか?と、出歯亀しに覗いたら、並んでスヤスヤと眠っていた。

21時過ぎまで、サイトの構成をそれなりにまとめ、置き手紙をして帰った。

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「中津といえば唐揚げ」のはずだ

翌朝も、少し残っている撮影をするべく、東中津に移動。

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昨日にも増してブーたれた寝起き面で現れた才女をモデルに、近所で撮影。

「暑いから20分しか屋外にはいられません」

という注意事項を頭に入れ、昨日来、軽くロケハンしていた箇所を捨てて、ド近所でシューティング。
お疲れ様でした。

本日は、彼女も含めたオンラインMTGの開催日。
せっかくなので、何が「折角」で「なので」なのか判然とはしないが、中津まで出てカラオケボックスに入り、二人して大声を張り上げ、メローイエローとカルピスを混ぜた飲料などで、潰れかけていく喉を潤す。
お互いがお互いで、全くジェネレーションの異なる曲群を歌い上げる訳だが、時々、ピントが鮮明に合う楽曲などもあり、声を合わせてシンガロング。
にしな『ヘビースモーク』がうろ覚えで、しっかり歌えなかったのが大変悔やまれる。

14時からは、カラオケボックス内でMTGに参加。

「あれ、そこ?カラオケですか?」

と秒でバレる。

「違います。コワーキングスペースだと思います!」

福岡へ

ところで、
中津
といえば、
唐揚げ
が有名である。

はずなのに、市中を歩いていても、そんなに唐揚げを扱っている商店を見かけない。
名ばかり唐揚げタウンか?そうなのか。

「私も意外と唐揚げ食べてないんですよ、まだ」

と、天才クリエイター。
まあ、君は中津ではなく、東中津に住んでいるから、東中津はからあげタウンではない。
ただ、せっかくなので「からあげグランプリ金賞」店で、テイクアウト。これは正真正銘、「折角」な行為である。

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駅前のベンチで、唐揚げを頬張りながら、これからの生き方などについて話す。

こういった機会に、人生という行路の先行者として、タメになる、或いは徳を積んだヒトとしてのアドバイスなど出来れば良いのだが、一切無内容な返信しかできなかった。
まあ、アナタには、アナタを信じている、アナタを必要としている人生の伴走者がいるから大丈夫。絶対に、僕のような無内容な人生にはならない。安心してくれ。

昼前には、彼女の元には上質な牛肉が定期的に送られてくるという話になり

「食わせてあげますよ!」

的な展開になったのだが、嘘をつかれた。
この喪失感は、金賞からあげでは埋められない。
また今度会えたら、食わせて欲しい。アナタが忘れても、僕は忘れない。

 

3時間ほどかけて、鈍行で福岡へ移動。

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目の前の座席の足元にカット野菜が転がっていた。
ゆっくり、食べればよかったのにね。

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昼間のオンラインMTGで、参加者のお一人に、今夜の宿泊を懇願したら、快く応じてくれたので、お邪魔する。

家庭持ちの同い年のおっさんであるが、入れ違いで、奥さんと子どもさんが部屋を出奔する様子に出くわす。

「なんか、人が泊まる話になったら、今晩は実家に行くって」

全然、「快く」「応じてくれた」訳ではなかった。
すみません。
宿代をケチるから、こういう事になる。
ごめんなさい。

と本当に思って、本当に申し訳なく思っていたのだが、彼の奢りの缶ビールを空けまくり、なかなかに進捗せず、逃げている西成暮らしの愚痴などを聞いてもらう。
まったく、申し訳なさを態度にあらわさない所業であった。

名古屋の会社の企画案件が上手くいっていたので、調子こいて「俺、天才す!」みたいな話に終始。よく、呆れずに耳を傾けてくれていたものだ。
すみませんでした。
彼は、同い年で、福岡の会社では机を並べて仕事していた。同じ時間モニターに向かっていても、僕はAVgleしか見ていなかったのだが。

まともに、家庭を作り、生活を編んでいる人と話すと、それが自分に跳ね返ってくるので落ち込む訳であるが、家庭を育んでいくのは、それはそれで当然気苦労は多いようで、ガキんちょとかと向き合うのは大変だよね。
でも、楽しそうです。頑張ってくれ。

深夜になって、布団を並べて就寝。

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福岡二日目

昼メシを近所の中華料理屋で奢ってもらう。

はなから、財布を持参せずに外に出た。確信犯にも程がある。

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昼間からビール。

彼はたいがい、瓶ビール。おっさんだな!
コロナで制限下だが、

「酒出して大丈夫なの?」

「大丈夫!大丈夫!」

豪快な女将さん。
適当に、酒のアテにと頼んだ「舞茸の天ぷら」が存外に美味であった。

夕方近くまで、東京オリンピックの女子バスケなぞを眺め、出発。
お世話になりました。
また、奢ってね。

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知人に連絡を取り、一宿を求めたところ、帰りがかなり遅くなるので22時頃で。とのこと。

レンタサイクルを借り、東区まで移動する途中、中洲で「元祖長浜屋」でラーメン一杯放り込む。

時間があるので、志賀島まで自転車を漕ぎ、愛媛の「松山あげ」をそっとドアノブにかけて、そっと去る。

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結局、40キロばかし自転車を漕いで、汗だく。

知人と合流し、一宿どころか一飯、一風呂、多量の酒類を掠めとることに成功する。
お世話になりました。

大阪へ戻る

しっかりと「青春18きっぷ」五日分を使い切って、小倉や下関、糸崎で途中下車し、糸崎の駅前で名古屋の会社のzoom打ちに参加する。

「なんで、外からなんですか(笑)」

と一斉にツッコミが入ったが、

「そんな日もあるんですー」

とやり過ごし、移動中にまとめた新しい企画案を提出。

西成に戻り、自転車で天満に移動し、南天満公園にて野宿。
明日は、ウーバーイーツで稼がにゃならん。

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nishinari-lives.com

 

使った金額

交通費:420円
レンタサイクル代:1943円
宿泊費:6000円
雑費:4206円
食費:3021円

 

所持金

4,027円

【西成のお店】看板のない理髪店に行き、床屋政談で盛り上がる。

住所は、西成区山王1-4-16

www.google.com

その店には看板がない。

窓ガラスに描かれたステンシルには、「親切〜」「ビー〜」との文字列がかろうじて判読できるけれど、店名はわからない。

「ビー ホニャララ」ってなんだろうか。
これが店名なのかも知れないし、突然「ビー・トゥギャザー!」と叫んでみている可能性もなくはない。

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エアコンの室外機、タギング、新世界国際劇場のポスター、古びた自転車。
アレが無い。
アレが無いので、何屋かわからない。

ただし、営業中にはアレが颯爽とクルクルしている。

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俗説によれば、動脈!静脈!包帯!フレンチ!のサインポールが店先に登場すると開店である。おそらくは高確率でここは床屋だろう。

髪が伸びるというカルマ

西成に来て、安宿でほとんど横になっているだけの毎日なのに、頭髪は伸びる。
サッパリしたい、短くしたい。必然、髪切り屋を求める事になる。

 

そこで、思い出したのはこの看板。

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「火曜日の朝8時半」に四角公園で整理券を貰えば、「いこいの家」さんで、無料散髪をしてもらえるようだ。

そこで、先日、四角公園に8時からスタンバイしていたのだが、半を過ぎても一向にそれらしい動きが起こらない。
在西成公園のもう一角、三角公園と比べて人影もまばらな四角公園。

近くで、遠い目をしていたオッチャンに、

「今日って、サンパツの日じゃないですか?」

と聞いたら、

「ああー、アレもうやっとらんのちゃう?どうなんやろ?」

とのこと。

なるほどですねー。

ちなみに、僕は大まかに言って、通算8年ほど福岡県で過ごしたのだが、博多の人が「なるほどですねー」とほざく時は、全く話を聞いていないし、理解もしていない時である。『博多の女<ヒト>』は11年連続モンドセレクション金賞受賞である。

納得できないまま、この試みを催している「いこいの家」に赴くと、現在はストップしているが、11月より再開予定とのこと。

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なるほどですねー。

 

西成近辺には安い理髪店がたくさんある。過去にも2軒ほど訪ねた。

nishinari-lives.com

nishinari-lives.com

 

次なる理髪店はどこか?

そこで前から気になっていた店に向かうことにする。
上記の看板のない理髪店は、「おふろや 和光」の前に位置する。
「和光」でひとっ風呂浴びた際に、番台の女将さんに尋ねたところ、「10時頃からやってるよ」とのこと。

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そこは確かに床屋であった

意外にスムーズに動く引き戸を開けると、店内奥のテレビの前に座っていた店主と目が合った。

「やってますか?」

「はい。どうぞ」

「ちなみにおいくらですか?」

「1900円です、いいですか?」

なんと!
想定外の価格設定である。
すっかり、西成相場に慣れている身からすると、倍付くらいの値付けに感ずる。

店内の右側に三脚のバーバー椅子があるが、手前の二つは箱ティッシュや、使われていないスプレー缶、錆びきった金属片(理髪道具なのかどうかも分からない)らによって、座面が埋められている。ので、唯一座ることを許された奥の椅子に座る。

黒縁メガネにストライプの半袖シャツを着た白髪のご主人が首にタオルを巻いてくれ、ケープをかけてくれ、散髪スタート!

入店前は、丸坊主でいいかな、と考えていたのだが、1900円なら調髪してもらいたい。

「横と後ろは刈り上げて、上は短めで残すような感じでお願いします」

「横ね、後ろもね、短くね」

「バリカンでいいですよ、刈り上げてもらって」

「ああ。バリカンでいいですか」

と、バリカンを肌にあてるご主人。
痛いな!けっこう痛いな…
油なのか、刃が古びているのか判然としないが、けっこう切れていない気がする。

ただし、腕は確かである。
軽く刈り上げたのちに、数種のハサミを使い分け、丁寧に切ってくれる。
窓ガラスのステンシルが「親切丁寧」であることは確定。
横の「ビー〜」は、「ビースト・ウォーズ」である可能性は残る。

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「そうなんかねぇ、分からんけど」が連呼される

「お父さんおいくつですか?」

「70」

「ああ、お元気そうですね。ここは何年ですか?」

「もう、親父からやから50年になるね」

「ああ、ずっとここですか?」

「そうですね。この辺もコロナでねぇ。大変よねぇ」

「床屋も影響ありますか、どうですか?」

「まあ、変わらんかなぁ。別にねぇ、お客もそんなに来んし、分からんけど」

「忙しさも変わらんすか?」

「そうやねぇ、どうなんやろねぇ。分からんけど」

取り残された街

丁寧な仕事は続き、順調に髪は刈られていく。

「昔は、暴動とかあってね。物騒なところやったけれど、この辺はもうほっておかれてるから」

「暴動とかの頃って覚えてますか?」

「まだ、小っちゃかったからね。怖おうて、ウチから出んかったですよ」

「そうですか、でもお父さん思春期くらいやったんちゃいますか?」

「そうなんかなぁ、分からんけど」

 

「この辺は、飛田も近いし、文化遺産みたいな街並みですよ。このお店も」

「そうなんかねぇ、でも暮らしとる分には分からんなぁ。再開発とかも、こんな路地裏までは及ばんからね。維新の会の『中華街構想』とかあったけど、この辺は関係ないもんねぇ」

「お父さんは、維新支持ですか?大阪では人気ありますわね」

 

丁度、店の奥のテレビでは国会代表質問が映し出されている。

 

「維新なんかなぁ、人気はあるんやろねぇ、どこでもいいけどねぇ。私らにとっては国政は遠いんですよ、いうたら市議会とかの選挙?の方が大事やわねぇ。分からんけど」

「この街がどうなって欲しいとか、ありますか?」

「どうやろねぇ、もうくたびれていくだけやわねぇ。この辺も若い人が全然おらんでしょ?暴動を起こす元気もないわねぇ」

 

その後、床屋政談的なトークが交わされたが、ほぼ「そうなんかねぇ」と「分からんけど」が連呼されて、内容はゼロであった。
それでこそ、床屋政談だともいえる。

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どっちかを辞めて、長生きする

1900円という高価格帯なので、是非ともシャンプーまで施して欲しかったのだが、
「壊れてて洗えませんのや」
とのこと。
髭はあたってくれるようなので、お願いするが、口元に置かれた蒸しタオルが臭う。
獣臭的な匂いで、閉口。
口元を動かして、鼻先からタオルの位置をずらす。

「休みの時は、ここから歩いて大阪城まで行きますねん。一時間くらいかなぁ。それが元気の素やね。どっちか辞めよう思うてね、10年前にタバコ辞めましてん」

「ああ、酒は残したんですね」

「そう、酒は味がするけど、タバコは味せえへんようになって、少しずつ本数減らして辞めましたわ」

「この店は禁煙?」

「いや、お客さんが吸うからね」

 

正面の鏡の横には大きな鉄製の灰皿があった。

 

「酒は辞められませんか?」

「昔は日本酒やったけど、今はチューハイ。辞められんねぇ」

「この辺の店に呑みに行くんですか?」

「いや、もっぱら家。店に行くとねぇ。ややこしいから」

「ややこしい?」

「飲むと人が変わる人が多いから、素面ではいい人でもねぇ、飲むと絡まれたりするから、特にこの辺の人はそれが多いわねぇ。だから店には行かん。中国人の娘が居るような店はうるそうてかなわんし。美人の子が多いから、良さそうやけどねぇ」

「若い頃は飛田も行きました?」

「いや、こんな歩いてすぐのところは行きません。行ったら顔見知りに会うてまう。行くなら遠くですわ。分からんけど」

 

「あと何年くらい続けられそうですか?元気そうやけど」

「どうやろ、ボチボチね。やれたらエエけどね」

 

眉と顔剃をしてもらい、最後にオーデコロンをふってもらい終了。
20分くらいだろうか。

床にタバコを捨てる

「お父さん、ちょっと一服してから帰りますわ」

タバコに火を点けると、親父さんは店の扉を開け、空模様を確認。

「今日は、雨なんかなぁ。湿気が多いねぇ」

灰皿を借りようと尋ねたら、床に灰を落とせばいいとのこと。
写真を撮っていいか聞くと、
「汚いから、あんま撮られたくないなぁ、いいけど」
すません!

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「失礼ですけど、思ったよりちゃんとした床屋さんでした!お父さんの腕も達者やし」

「まあねぇ、長くやっとるからねぇ、分からんけど」

 

バリカンの切れ味と、タオルの臭いはマイナスポイントだが、店構えから察する期待値は遥かに凌駕してくる散髪体験であった。

あと、使い終わったタオルを勢いよく流しにぶん投げる時の親父さんのムーブは70歳とは思えない力強さであった、分からんけど。

床に吸い殻を捨てて退散。
中国っぽいなぁ。こんなマナーが通用する理髪店ほかにない!

 

「しかし、おたく元気やなぁ」

「いやぁ。空元気でしかないす。ありがとうございました」

「おおきに!」

 

そういえば、結局店名を聞くのを忘れてしまった。
「ビー なんとか」
なんじゃないかなぁ、分からんけど。

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ちなみに、店先の新世界国際劇場のポスターは、勝手に貼りにくるそうです。
そんなことあるのか!?

 

宿に戻り、洗面場でセルフシャンプーをしました。
そして、「スーパー玉出」の鏡を利用してセルフィーしました。

次の散髪は、整理券もらって無料を狙ってみます。

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※ 訪問日:2021/10/13

 

<追記>

この記事をあげたら、TwitterMoonlight水晶Daybreak さんから、店名は

「ピース理髪店」

ではないか?
とのご指摘をいただきました。

そんな気もする。確かめに行くことは多分ない。
すぐ行けるけど。

大分に行く①「時間だけはある人」西条〜松山〜八幡浜

2021年7月31日

青春18きっぷ」という「JR鈍行一日乗り放題×5」の時間だけはあるが、金はない勢が用いるお得な切符を46歳になっても使っているとはな。
しかも旅程を検討して、節約のためのオプションとしての選択肢ではない。
断然、絶対、第一等のチョイスとして今回の旅に使用する。

高校時代とまったく変わらない。
「あの頃…時間だけは有り余るほどあったなぁ」みたい回顧は当たらない。
「今も、時間だけは有り余るほどあるんだよなぁ」現在進行形で。

今回の旅は、福岡の会社からの案件で動画を撮影に大分県まで。
西成から逃げたいのね。そうかもね。

nishinari-lives.com

愛媛県松山市経由で大分県中津市まで

JR新今宮駅を始発で出れば、15時には愛媛県松山市に着けるはずだ。
もしかすると、乗り鉄ガチ勢および18キッパーがダイアグラムを精査すれば、より早く到達できるのかも知れないが、大丈夫!時間だけはあるから。

 

そういえば、5年ほど前に「京都大学吉田寮」に宿泊したのだが、あてがわれた場所は京大生が夜を徹してダベっている大部屋で、まったく眠れないのでゴミが層になったような床にまんじりともせず、ただ横たわっている感じだった。
京大生たちの会話は流石の明晰さで、盗み聞きするのは楽しかった。
その夜いくつ目かの彼らの議題は、
「『時間』と『金』はどちらが重要か?」
僕は「どっちかな?」と悩んだのだが、彼ら(6人くらい居たと思う)は全員が即座に
「時間でしょ」
と答えを出していた。

時間をコントロール出来れば、金どころか、あらゆる事象が追いついてくる。自分次第で。
僕は、「そうなん!?」と驚き、続けて「時間の有益性」を次々に並べ立てる京大生の発言が続くにまかせて、納得した。

という訳で、僕にも時間だけはある、京大生と同じだけの。そして、勉学にも勤労にも勤しまないので時間を蕩尽できる。金はない。

 

愛媛県松山市には、杉作J太郎レコ発イベントを見に行くつもりである。
なんと、時間を有効活用してる。もう、死んでく。

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姫路あたりで、「車内にあたりめ的な芳香が漂っているなぁ」と感じていたら、あたりめの匂いであった。

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香川県に入り、乗り換えの時間を使って一服する。
もうずっと、鈍行の列車のなかで何服もしていたのにね、煙を出すタイプの一服。

ホームの端っこに灰皿を設置してあるような駅も減った。
当然の流れだが、僕のような時間を持て余しているような人種には、ありがたい設備である。
喫煙も結局、時間稼ぎだろうな。無駄に引っ張って時間稼ぎしてるだけの生活、全般。人生、一般。

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杉作レコ発、不発

電車移動中にradikoで、『杉作J太郎のファニーナイト』を聴取していると、昨日の放送で、「本日のレコ発イベントは中止!」と発表されている。
コロナの拡大による判断。
あららー、どうしようかしら。
有り余る時間を利用して、旅程を変更。
愛媛県伊予西条駅で途中下車。

西条市観光交流センターでレンタサイクルを借り、ブラつくことにする。
受付の方にコインロッカーの在処を伺うと、レンタサイクル返却までの間、荷物を預かってくださるという。時間はあるけど、金はない、体力もない。人の優しさが西条市観光センターにはある。お金の話ですけど。

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グローバル化するお守り

神風特攻記念館を擁する楢本神社と隣接する西條神社を訪ねる。

楢本神社には英霊が祀られているのだろうか。
バルチック艦隊を撃破した砲弾」を顕彰する碑の奥に、特攻記念館が見える。
が、その引き戸には鍵がかけられていた。引いても引いても無駄であった。もちろん押してみても。

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どことなく神妙な面持ちのふりをして、隣の西條神社にも足を運ぶ。

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僕が、神社に立ち寄る目的はただひとつ

「交通安全シール」

を手に入れるためである。
建立のいわれも、祀られている神性にも特段興味はない。興味の対象は「交通安全シールのデザイン」その一点。

御用の折にチャイムを鳴らすタイプの授与所には、数多くのお守りが揃っていたが、交通安全シールはなかった。中堅以下の規模感ならばサイトを開設していない神社も多いので現地まで赴いて、そもそもシールを作っていないことがわかることもある。残念であった。
もう一点残念だったのは、そのお守りラインナップ。

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ご当地キャラ「みきゃん」から、ドラゴンボール、トーマス、ハム太郎、サンリオ勢まで。
ここまで、独自色を失ったお守りたちも珍しい。一見豪華なようだが、浅草仲見世のお土産店の店頭と見紛う。残念であった。

 

そのまま山間部へ移動。

伊曽乃神社。

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広い境内には、またしても砲弾のモニュメント。
西条市は太平洋戦争時に空襲を経験しているようだ。なんとなく卑猥な位置に鳥のフンが落ちていた。

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神社を訪れた悩める方々の絵馬を、みうらじゅんマナーで見物。

反ワクチン派の主張が旗幟鮮明な絵馬。

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大喜利っぽく経年変化した絵馬。

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破魔鬼を見初める

残念ながら、ここにも「交通安全シール」の扱いがなかった。

が、「破魔鬼」という鬼面のストラップが売っていたので、買い求める。

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破魔矢」は神社の定番授与品であるが、「破魔鬼」には初めて出会った。

「破魔」には、悪魔を打ち破り、煩悩を断ち切る意味があるようだ。
家内の柱などに、毎年買い求めた「破魔鬼」を飾り、家を警固する存在とするようなので、西条市の家々には、玄関先の「犬シール」のように、こうした破魔鬼がズラっと居並んでいるのかも知れない。
柱の傷はおととしの〜的に、毎年子らの身長を測って記録していく際には、破魔鬼で背中を痛打することのないようにしたいものである。

ストラップとの名称の割には、割と大きい。

携帯電話がスマートフォンへ、その肌身離さず状態の座を譲ってからは、ストラップという商品の存在感も薄まった。が、どっこい「破魔鬼ストラップ」があるよ。

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ところで、神社で授与品を買い求めると、応対してくれた巫女さんや宮司さんに

「良いお参りでした」

と「ありがとうございました」代わりのサンキュートークをいただくのだが、僕はほとんど参拝することがないので、なんとなく申し訳ない気持ちになる。
申し訳なさを感じながらも、こんなに時間はあるのに、一切お参りはしないのだが。
破魔鬼購入に免じて許していただきたい。

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メロディー板は鳴らせない

行きしなに橋を渡る際に
「バチを大切に!」
という文言が記された注意書きを目にして、気になっていたのだが、

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西条市は、諸人こぞりて太鼓の達人という訳ではなく、この橋には「メロディー板」という金属片が取り付けられており、順にバチで叩いていくことによって「さくら さくら」を全奏できるようだ。

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しかし、バチが見当たらない。

どうやら「調整中」のよう。残念だ。こんなに時間はあるのに。
太鼓の達人』では「さくらんぼ」を軽快に叩ける、そんな僕なのに。

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ローカル・デザインを見る

地方に行くと、その土地ならではの表現を駆使した看板に出会う。
旅の醍醐味といって良い。
以下のように、

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愛媛民藝館でお土産を買わない

山を下り、川沿いに走り、愛媛民藝館へ。

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今日は、TV取材を伴ったイベントが開催されるようで、若干見学が制限されていたが、なかなか楽しい施設であった。

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一階の物販部に、エクストリームな張子が並んでいたので、お土産に数個購入したい欲求は高まったが、それなりの値段がしたので大いに悩む。
そして、断念。

時間はあっても、先立つものはない。

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西成生活を始めてから、「飾るもの」「そばに置いて愛でるもの」を購入しても仕方がないと思うようになった。どうせ毎日河岸は変わるのだし、それらを持ち歩ける訳でもない。
畢竟、「いつか死ぬ」ということなのだが、それでも虚しかろうが買い物をして、その時を愉しむという心持ちくらい持っていないとやってられない。
とは思う。

 

隣接する、西条郷土博物館へ。

民藝館とは趣きを異にする、西条の民俗や生物が詰まった館内。

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カブトガニの甲羅に顔を描いた、面の勢いが強い。
そして、カニの裏っ側はエグい。

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安政の大地震の際に窯に入っていた、焼き物の失敗作を展示しているのも良かった。

これを残したのは、震災の記憶というよりは、たくまざる形で出来上がったフォルムに魅せられた人が居たということだろう。
クッタクタのトッポギの連弾みたいで面白い形だ。

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充分に堪能して、民藝館と博物館を後にする。

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剥製大行進みたいなスポットとしては、岡山県
「つやま自然のふしぎ館」
が好きだが、随分訪れていない。

剥製の目。
あの黒目がちな、空洞の目。
生気を失った目の持つ負の力。
段々と恐ろしくなっていくんですよね、剥製の陳列を眺めていると。
生きてる内に行けるだろうかなぁ、あっという間に時間は過ぎるから、一期一会で触れていくしかないとは思う。どんなに時間はあっても、経過する速度は止められない。

シャッター商店街を行く

駅周辺まで戻り、商店街を散策。

ほとんど営業している店舗がない通りを歩く。

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会員制ではなく、常連制の「ナイトパブ トトロ」

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制服を扱う衣料店「ヤング 西条店」

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「ご自由にどうぞ」
ゾーンが出現したので、コチラの支給品をお土産代わりにしようかと一瞬考えたが、流石に相手が喜ぶ顔のかけらも想像できなかったので、やめておく。

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観光交流センターに戻り、レンタサイクルの返却手続きをしていると、「マンホールカード」の文字が目に留まり、一枚いただく。

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なかなか可愛いが、すでに758種類もあるようなので、コンプとか考えるべくもない。
時間はあるが、そんな時間はない。

松山市に入る

伊予西条から松山に入る。

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地元のスーパーで、「松山あげ」を大量に購入し、お土産用とする。

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杉作先生が週4でラジオ登板している南海放送と、中止となったイベントの開催地であった「モアミュージック」を訪れる。

去年来た時は、南海放送のウインドウに大きな杉作看板があったのだが、なくなっている!
絶対的な看板番組なのにな。どうした。

モアミュージックには閉店間際に駆け込み、マスターの大久保さんのご尊顔を拝見し、時間切れで退散。また、ゆっくり来よう。
「また!」なんてないかも知れんがな。

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八幡浜に向かう

再度の杉作イベントの開催を願いながら、再訪を誓い、19時前には松山駅からフェリー乗り場の最寄駅である八幡浜駅まで向かう。

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どんどん乗客が降りていき、夜のとばりが下りると共に、寂しさが増す。

旅に出ると、こんな不安とかりそめの愉楽と向き合うのが常であるし、旅が長くなればなるほど、自分の住まいへの恋しさも募る。
ただし、今現在は、西成で旅を続けているようなものなので、住まいもないし、何が恋しいのかなぁ。
「パークイン」のせんべい布団だろうか。

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深夜発の別府行きフェリーに乗る

八幡浜駅からフェリー乗り場までは徒歩で20分。
歩くには長い距離だが、出発まではかなり時間がある。
どこかでメシを食べて、時間を潰したい。

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商店街に到着したが、店の開いている気配は無い。

黒推しの店で「黒いイタリアン」というメニューを見つけ二階に上がるが、もうオーダーストップとのこと。
地元の子どもが課外学習で書いたと思しき壁新聞がステキなのに。
またしても、時間はあるのに、タイミングが合わない。

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仕方なく、来た道を戻り、松山の一大勢力スーパーマーケット「フジ」で惣菜を買い、駐車場のベンチで食す。

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タラタラと歩き、フェリー乗り場を目指す。

途中、ライト兄弟よりも早く有人飛行をするはずだった日本の飛行機の父、二宮忠八の生誕地を訪れる。

圧倒的な結果を出した人では無いけれど、挫折を知っている人なので、二宮忠八は魅力的だ。
植村直己もそうだし、僕は負けを知っている人が好きだ。
負け方が上手いとか、負けなりの輝きなんか微塵も考えずに、負けたことのある人。
その誠実さが、結果的に負けを輝かすのだろう。

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八幡浜港で、切符を買い乗船。

切符に「船内休憩」との印があるのは、航行後、午前3時前には別府に到着したのち明るくなるまで船内に留まれることを示している。

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土曜日だし、それなりに混み合っているのかも?と警戒していたが、乗客は僕を含めて6組ほどしかいなかった。

皆旅なれているようで、カーペットスペースにすぐさま陣取り、寝場所を設定している。
やー、やー負けないぞ!
僕も、コンセント付近にリラクゼーションスペースを確保。

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うつ伏せに寝ないとな。
また、いびきの騒音で迷惑をかける事になる。
結果的には、1時間ほど眠れた。イビいていたかどうかは、分からない。

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別府港に到着。

しばし、船内休憩。
大分県に上陸!は、ギリまだしてない。陸地は目の前。もうすぐ上陸します。

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使った金額

交通費:3350円
雑費:3604円
食費:2886円

 

所持金

19,617円