フィジカルにデジタルで答える
大阪での天満にあったマンションを引き払ってから、手紙を受け取るということがなくなった。
同時に、通販でモノを買うという行為も減った。
「減った」
という段階に留まっているのは、Amazonで購入したモノはコンビニ受け取りが可能だから。
理想的には、西成の街に出て必要なモノを過不足なく買って消費していくべきなのだが、Amazonの大海には目当ての商品が溺れるほど溢れている。
ちなみに、西成の商店街ではテレホンカードは手に入る。
ココで買えるモノや体験はあるのだから、どっちが偉い訳でもない。
同時に、ムダにネットを渉猟し、必要でないモノを探し、必要を見つけ出して購入することはなくなった。
ただ、「モノを買う」という行為の晴れやかさというか、自分のために金を使うことがもたらしてくれる充足感もなくなった。
「要らないモノ買っちゃったなぁ」
と嘆息するときに失っているのは金銭だけれど、失敗体験や、自らの審美眼を見極める経験も得ているに違いない。
連絡よこせ
西成暮らしを始めるにあたって、
誰かー!
僕は今日も生きているんです!
と叫ぶためにこのブログを開始した。
そして、何処かの誰かから、ブログを読んでレスポンスして欲しいと思い、かりそめの住所である個人私書箱を開設した。
デジタルで発信している己が、フィジカルな応答を求めることに矛盾はある。
しかし、その手間を相手に求めるのが僕の浅ましさ。
逆だったら、絶対やらないね。
めんどくさいし。
当社は、電話番号も明らかにしようと思っていたんですが、ちょっとまだ踏み出せていません。チキン。チキンめ。
ご返信
先日は、はてなブログ仲間である
ノーファイトさんから封書をいただきました。
なんと!
吉野家の優待券が同封!
¥300が3枚ということは、限りなく四桁に近い、限りなく紙幣に近い封入物ではないか!
ないのか!そうだ!
ありがとうございます!
吉野家にはこの間行ったばっかりですよー。
もちょっと早く送ってくれよ。チッ。
嘘です。大切に使います。
「このおまんまが食べられるのは、ひとえにノーファイト様のおかげさま、おかげさま」
ただ、手紙の文面で名前が、
木下キノ
になっていました。チッ。
嘘です。
木下も竹下も、アボガドとアボカド程度の差異しかありません。
もしくは、ビビンバとビビンパ。
誰かが自分のために、わざわざ手紙を投函してくれ、中身を吟味してくださること。
とんでもなくありがたいこと。
孤独と向き合う暮らしだから、なおのこと。
ありがとうございました!
ただ、優待券とか申し訳ないです。正直なところ。
また、お願いします。正直なところ。
同じブロガー(僕は全く弱小新参なので“ブロガー”とか言えませんが)なので、あらゆることをネタにする気持ちは分かってくださると存じますので、書くことはご容赦くださいね。
「表現者にとって“他人事”っていうのは無い」
を想起していただければ幸いです。
ありがとうございました!
毎週よこせ
毎週ハガキをくれる人もいる。
コレもデジタルでやりゃあカンタンなことだろう?
と思うわけだけど、その人は、向田邦子の『字のないはがき』というエッセイを地で行くように、文面はマルかベケのみを送ってくれるはずだった。
しかし、マルペケのみのハガキを受け取ったならどうだろう?
僕の方の精神が崩壊しそう。
受け取る想像範囲が広大すぎて、情報の解像度が低すぎて、かえって悩んでしまう。
そこでご温情で文面やイラスト付きで、その週のブログに対する感想などを送ってくれています。ありがとうございます。
ここで、ご返信します。
>今、わたしは採集に興味があり4月は潮干狩りをする予定。西成では何か採集できるのだろうか?つくしとか…?
西成を何処だと思っていますか?
山梨とか?軽井沢とか?
採集できるのは立ちションしてるオッチャンの後ろ姿くらいです。
>体こわさぬよう、そしてこれからは脱水症状などにも気をつけて!
ありがとうございます!
夏も頑張ります!
って、今の時期から言わせないでください。チッ。
>最近、映画『すばらしき世界』を観ました。役所広司が演じてた主人公も、全然、西成に居た未来があったかもなあ、など想像してしまいました。
西川美和監督の映画『すばらしき世界』はとても面白い映画でした。
刑務を終え出所した主人公は、前科持ちという肩書きと、自らの直情的な性格の置き所が分からずシャバでの暮らしに悩みます。
僕も、西成入所前に観ましたが、少しこれからの自分を重ねてしまいました。
今一番観たい映画は、『まともじゃないのは君も一緒』です!
きっとキュンキュンする映画だと思います。
映画を観てリンクする現実を想うのも一興、現実から遊離するのも一興。
今は後者に救われたいのです。
ところで、毎週ハガキをくれると言っているのに、少し遅れ気味ですね。
少しの遅れが積み重なると、徐々にサイクルが乱れていきます。
責めていません。責めています。
責めています。責めたことありません。チッ。
かく言う僕も、ブログの更新が遅れたり、手紙を取りに行けなかったりしています。
続けることは大変ですね。
とにかく、今は西成暮らしを継続することに注力します。
「毎週」ハガキありがとうございます!
あと、絶対に水性ペンで書かないで!
雨っていう自然現象を知っていますか?
チッ。
募集中
という訳で、絶賛、お葉書・お手紙・ご進物・お中元募集中。
吉野家優待券を越えてゆけ!
未公開株券とかで!
竹下キノ
540–0004 大阪市中央区玉造1−4−14