暮らす西成~大阪市西成区あいりん地区に潜伏する

住所不定無職。大阪市西成区のあいりん地区で働きながら生きていこうと思います。アンダーカバーか、ミイラ取りがミイラになるか。

どろぼう市探訪【2】 西成路上マーケット(2020年12月20日)

二度目の、西成「どろぼう市」

「新世界東映」を出て、土日の早朝から開催されているという「どろぼう市」に向かう。

途中、車のフロントガラスに求人票のような、「土工」「10000円」などと書かれたシートをかざしたバンを数台見かける。日曜日でも日雇い仕事はあるようだ。旧あいりんセンターで野宿していたであろう方たちが、

「今日は?行くか?」

「んんー、どうしようかと思って‥」

「寒いもんなぁ」

「いや、でも行くわ!稼げる時に稼がんと!」

と話している声が聞こえた。

「アンちゃん。ミンザイか?」

いつもの道に、人だかりができており、ダンボールやブルーシートを拡げた上に、さまざまな商品が並べられたフリマ開催中。

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まだ、朝5時を少し回ったくらい。
一体、何時から開かれているんだろうか。開店準備も一度覗いてみたい。

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骨董市的な側面もあるのか、

「アレ、入っとる?」

「おお!コッチや!見てくらはる?」

と、上客なのだろうか。地面には並べていない急須?みたいなモノを自転車の前カゴから取り出し、見せている店主。

一見、ガラクタにしか見えなかったが、アンティークだって、目利きでなければガラクタ同然だろう。僕にはその価値はわからない。

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おなじみの、ひと山100円の期限切れ弁当惣菜セットも売っていたが、上の画像のように集まった人たちが、

「もう、行かんもんね!わしは!」

「まあ、でもよう考えてみいや‥‥」

と話していて、僕が近づくと、うっとおしそうに話を中断して、軽く睨まれてしまったので、ハイハイハイって感じで後退しました。

今日は、クスリを扱っているショップが多かった。
しゃがみこんで、少し話を聞こうとしたら、ダウンジャケットにマスクをした30代くらいの男性が近づいてきて、

「アンちゃん!何欲しいん?ミンザイか?」

と尋ねてきた。

恥ずかしながら意味がわからなかった。
「ミンザイ」の意味が。

ベトナムの民族衣装ですか?」

とボケられなかった。悔やまれる。

 

なので、正直に

「ミンザイって何ですか?」

と聞き返したら、こいつアホなのか!って顔で男性は去っていった。

クスリの説明が聞き取れなかった

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このショップの赤い服のオッチャンが1つひとつクスリの説明をしてくれる。

「いっぱいありますね」

「そうよ。アチコチからよ」

「コレは、形でいうと痔ですか?」

「イヤ。コレは腰。腰」

睡眠薬はあります?」

「あるある!コレなんか、おっきなトコで使っとる、ハナデヒライテニュメニュメモンよ!」

「はあ。いくらですか?」

「50円!」

「一錠?」

「50円!効くよ」

「一錠単位でいいの?」

「それりゃ、あんた!ハナデヒライテニュメニュメモンやから(笑)」

片仮名表記の部分は、なるべく忠実に再現しているのだが、よく聞き取れない。
むずかしい。パッケージを見て、自分で判断できれば良いのだろうが。

そして、自分で発話してみて気付いた。
「ミンザイ」=「睡眠薬か!

50円なら、数錠買っても良かったが、買ったところで飲む気がしない。
他の所も見てくるわ、と言ってその場を離れる。

歩き始めたら、さっき「ミンザイか?」と話しかけてきた30代くらいの男性が、手に万札を握りしめて、通り過ぎて行った。

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「シャブはあかんのやろ?」

明らかに10代と思われる少年少女も、客として「どろぼう市」にはいた。
ビールを飲みながら、赤ら顔のオッチャンが、

「シャブは要らんのやろ?シャブはあかんのやろ?」

と髪を明るい茶色に染めた白いパーカーの少女に話しかけている。

「いらん(笑)!ヤバいのんは要らんわ!」

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海賊版かもね

違うショップでは、ドラマ『半沢直樹』の海賊版っぽいDVDを見かける。

とっくに放送、配信されているので、無地DVDに焼いたモノを買う人がいるのが不思議だが、店主のオッチャンは凄く推してくる。

「なんや、知らんけど有名なドラマなんやろ?ええでー」

「へー、コレいくらです?」

「一枚200やけど。五枚いっぺんに買うてくれたら700円でええよ」

「コレ、五枚で完結してるっけ?」

「知らん!中身は知らんで!」

不織布の簡便なケースに入れられた『半沢直樹』のカラーコピー丸出しの紙には「先行版」と書かれていた。

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東映映画の後は、松竹を観るのもいいだろう。

地下鉄の駅まで戻っていると、もうこの時間から作業服屋さんは店を開いていた。
日曜日も西成は、働く人々の街。働く人々が消費する街。

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¥1400「新世界東映」 西成安宿探訪 12日目

西成ホテル探訪・十二日目

 映画館は宿がわりになり得るのか?

1895年リュミエール兄弟が『ラ・シオタ駅への列車の到着』で居合わせた人々の度肝を抜いたとき。その上映場所は、映画館と言えるのか。珍奇なものごとを魅せる、体験させる「見世物小屋」であったのかも知れない。

映画館の誕生は、1899年アメリカ・フィラデルフィアで催された博覧会での、シネオグラフ館にもとめられるとされる。

以上、Wikiからの丸々引用です。

 

先週の金曜日には、「新世界国際劇場」で、眠れない一夜を過ごした。

nishinari-lives.com

じつは、新世界にはもう一軒、毎夜オールナイト上映を繰り返す老舗映画館が存在する。それが、

「新世界東映

女装の方々の魑魅魍魎を味わった記憶もぬぐい切れぬ、今晩。コチラを本日の寝ぐらといたします。

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 東映の遺産

コンビニ以外はどこも開いていない、通天閣のお膝元。深夜1時。
コチラはガッツリ開館中。

「恥かく、義理かく、人情かく」の三角マークの東映。その膨大なアーカイブのなかから、未ソフト化も含めて、二本立てで終日上映。

「恥かく〜〜」の出典は、かの夏目漱石。金を貯める金満家になるには、この三角術が必要という。金になりそうなら、思想信条無関係。ヤクザ、政治、宗教なんでもネタにし、パクリ上等、厚顔無恥でシャシンを作り続けた映画会社。

東京でも、すでに絶滅してしまった「毎日オールナイト」「邦画=東映専門館」である。
公開作品は、この時期に合わせて、
赤穂浪士(1961)』『唄祭り かんざし纏』

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朝5時終映。5時間空けてまた上映再開。これが365日。

ただ、「新世界東映の上映作品・上映時間をネットで知るのはひと苦労。大手の映画情報サイトには記載がない。かつて、自主上映も含めて映画情報を掲載していた紙の時代の『ぴあ』が、ある時ピンク映画の情報掲載をやめた際には、情報の価値を決めるのは誰なのか?という議論が起こったと記憶する。

ネットには、何でもある。
ように見えて、じつは誰かにとって必要な情報はない。誰にとっても必要じゃないかも知れない情報を、必要だと信じさせている、ように思う。もちろん、僕のこんなブログも含めて、必要じゃない。そして、僕は僕にとって必要な出来事を、見知らぬ誰かに向かって投げかけるのだ。

なんかカッコつけました。ごめんなさい。

「新世界東映」の貴重な上映情報は、以下のTwittermixiで発信してくれている方がいます。

twitter.com

とくにmixiMASAさんの日記」は、映画好きのみならず、おもしろいので必読です!
いますぐマイミク。いまこそマイミク。

ネットにあるじゃねーか。まあ、ね。僕も昼の仕事ではSEOとか考えて雇われコラムなんか書いているから、この情報は誰か?を想定していない。数字やデータを想定しているだけだ。と、落ち込むのです。

なんかグチってしまいました。ごめんなさい。

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モギリは女装の人

券売機でチケットを買って、カウンターに行く。
おお、女装子!とくに検温はナシ。「ああ、ここも女装地帯なのかしら」と少しボーッとしていると、

「お客さんは奥ですよ!」

と促される。

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この劇場には3つのスクリーンがあり、「日劇シネマ」「日劇ローズ」ではポルノ映画を上映している。いわばソコは、きっと出会いの場所。ハッテンする場所。土曜のこの時間だと最盛況だろうなぁ。

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インチキはお断り!
トイレの使用も分けているのだな。3番組見たかったら、その分の料金が必要なのだ。

『唄祭り かんざし纏』の上映開始は、1:10から。
少し時間があるので、館内探索。大丈夫す!「シネマ」「ローズ」には行かないです。もう少し勇気つけてから行きます!

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コインロッカーやAV販売棚があるのが特徴的。
喫煙所付近では眠っている人。先輩。僕も寝るのだ。寝に来たのだ。1400円といえば、西成安宿ではミドルクラスの料金だし。

しっかり映画を観ました

漏れてくる音を聞くに、なんか華々しいテーマ曲がかかってる。試しに、扉を開けてみるともう『唄祭り かんざし纏』が始まっていた!時間、適当なんかい!

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こじんまりしたミニシアタークラスの席数。
客は10人弱。前から4列目に腰掛けると、「新世界国際劇場」に比べて、イスがフカフカ。これは寝られそう。ただ、席の前後の間隔が狭いので、足を伸ばして、背もたれに体重を浴びせたおすみたいなリラックス感は得られない。んんー、厳しいかもしれない。寝れないかもしれない。

スクリーンの上部が、はみ出しており、画面全体が収まっていないが、慣れる。
どんな環境だろうと、映画は映画。IMAXに来た訳でもなかろうに。

そして、視界の中に「なにがしかの不穏なやり取り」が飛び込んでくることもないので、映画に集中できる。客席後方でカップラーメンを食っている音と匂いがしたことくらい。
当初、結構客が席を立つので、また「人探し」かい!と早合点したのだが、単に客の平均年齢が非常に高いので、お小水に立っているだけだと思われる。

それゆえ、映画を観てしまいました!ここは映画館だから。

『唄祭り かんざし纏』は美空ひばりのおきゃんな魅力と、関取・朝潮太郎(三代目)のデクった味わいが爆発していました。もっとひばりの唄声聞きたかった。ようやく、美空ひばりの素晴らしさに気付いた46歳の冬。
そして、「格闘家が映画に出る時の扱い」が、この頃から如何ともしがたいのが解った。格闘家はリングやケージで常に最高のパフォーマンスを演じているので、映画という定められた枠に押し込めると途端に色褪せてしまうのだろうか。そう振り返れば『Dr.コトー診療所』の船木誠勝は、かなり頑張っていたのだ。ありがとう船木。

眠りの世界へ

続いて、まったく入れ替えの時間とかなく『赤穂浪士』がはじまる。

館内の先輩たちは、がっつりスクリーン凝視派と足を前の席に放り出してグッスリ熟睡派の二手に分かれている。僕も後者に加わる。

赤穂浪士』は、重厚な語り口で魅せる忠臣蔵モノ。当時の湯屋の様子が、二階に個室があったり、湯女がいたりして興味深い。なぜなら、僕は「銭湯検定3級」を取得しているから。同じ試験会場には、山口良一もいた。同窓生。

時刻が3時近くなってきたので、いよいよ寝ることにする。
前述した通り、足を伸ばすほどのスペースがないので、身体を斜めにして寝やすいポーズを探す。もっと、痩せていればなぁ。今日も自分の肉塊を恨む。

 

いつの間にか、眠っていた。
途中、刃傷松の廊下、討ち入り決行直前、のシーンはチラ見できたので忠臣蔵を観た感は十分。
四十七士が橋を渡って行くラストシーンで目を覚ました。
身体が痛い。節々が痛い。

モギリの女装の方が、すっかり半分男に戻った体で、片手にゴミ袋を持って、扉を開け放ち入館。まだ、眠りこけているオッチャンたちの座席にハンマーパンチを浴びせて、叩き起こしていく。

結論として、「新世界東映」は寝れる。
映画館は宿がわりになる。

暖房も効いているし、他の客のウロウロもないし。映画がおもしろくなくて、体調がそぐえば。

おはようございます。
外に出ると、まだ5時前だった。
だいぶ巻いた。
チェックアウトの時間は、最強に早かった。

 

 

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新世界東映

Google マップ

宿代:¥1400

カフカやや狭め座席/前の座席までの間隔狭め/トイレ/すすり音/喫煙場所/暖房/自動販売機/映画館では寝ることもできる

 

清潔度 ★★★

フロント★★

サービス★★

価格  ★★

総合  ★★★

 

食費

コカコーラ・いろはす桃 130円
 

西成に落とした金額

計:1530円

 

西成土曜午前0時

忘年会みたいなものが、キライです。
一緒に呑みたくも無いメンツと、呑みの席を共にするほどの苦痛はない。

とくに親しくもない連中同士が、親しげなツラして、親しげなフリして、一献かたむけるなんざ、考えうる限り最悪の時間と空間と喉と胃袋のムダ使い。

金曜日も、なんと土曜日まで!社会通念を守らんと、昼の仕事関係の忘年会が執り行われ、参加せざるを得えませんでした。社会通念を守るならコロナに配慮して、中止してくれりゃいいのに。土曜日に至っては、コロナに配慮してクライアントのオフィスと、リモートの社員と、昼の仕事のオフィスをzoomでつなぐという、多元中継愚の骨頂陰鬱100%の忘年会が行われ、グウの音も出なかった。

結果的に、西成安宿探訪をサボる形になったので、夜は西成に向かいました。

終電後の景色

一旦、天満のマンションに帰宅してから、終電で「動物園前」駅に向かう。

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大阪メトロの清掃の方が今日1日の仕舞作業。ゴミ出し。
そして、シャッターが降りる。

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何度も宿泊してわかっていることですが、西成あいりん地区の夜は早く、朝も早い。
0時なんて言ったら、静けさクライマックス。
とは言え、今日は土曜日。日曜は現場仕事もないでしょうから、少しは人出があるのか?と想像していましたが、漆黒、暗黒、静謐の極みでした。

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ボランティアの方だろうか、トングとゴミ袋を手に、地区内を巡っていました。

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酒の自販機まわりにはサタデイナイトの盛り上がりの跡。
ローソンの前には、コップ酒片手の老若入り混じった集団。土曜日に西成宿泊をしたことがないが、いつもよりは夜遅くまで騒がしいのかも知れない。

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旧あいりん労働福祉センターの周囲は、廃棄物や段ボール、テントの砦が組まれ、おそらくは野宿生活の人々が、すっかり訪れた大阪の冬をしのいでいる。

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一台の大型バスを見つけた。

「いながきひろし事務所」釜ヶ崎

とある。

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ガラスが曇っているのを見れば、車内に人がいることがわかる。ホームレスたちを、この寒さから守るために用意されているのだと思う。

稲垣浩、という方はこの地でホームレス支援を長年やられている人のようだ。

sites.google.com

僕も先日、西成のホームレス支援ボランティアに申し込んだりしてみた。物見遊山で興味本位で、ドヤ巡りなどしている自分にとっては免罪符が欲しくて、申し込んだに過ぎない。
おのれのダッラダラした日常に刺激を与えたくてはじめた、西成安宿探訪。少しずつ、関わりを深めていく。少しずつわかっていくべきだ、と思ってる。

大阪府は、飲食店に対する営業時間短縮要請を市内全域に拡げ、12/29まで延長。

あいりん地区〜飛田本通南商店街〜動物園前一番街〜新世界ジャンジャン横丁
と進み続けると、土曜深夜に営業している店は、ほぼなかった。

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僕らの味方。
スーパー玉出」だけは、煌々と光を放ち24時間営業中。

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今晩は、2度目の映画館寝にチャレンジ!
行ってきます。

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【2020最新版】厳選!西成の安宿に持っていくべきアイテムたち

46歳の誕生日に始めた、西成安宿探訪も数えること10泊をこえた。

このブログをご覧いただいている皆様も、「来年はドヤ行ってみよう!」と思っておられることと存じます。

そこで今回は、これから西成ドヤ巡りをスタートさせる「あなた」のために、

2020最新版
西成の安宿に持っていくべきアイテムたち

をご紹介。
普段のわたくしのパンパンになったザックの中身をご紹介いたします。

※最近ブロガーの方々が「今年、買ってよかったもの!」みたいな有益で興味深い投稿をされているので、マネです。真似るは学ぶ。

コレが西成安宿に持参している一式だ!

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以上です!

さようなら!

 

 

 

はじめまして!
説明させてもらっていいいですか?話しますね?

拡げてみると結構あります。都市生活者、朝から夕刻まではオフィス的な空間で、キーボードを叩いたり、キーボードを叩かなかったりしている雇われ人足なので、ほとんど手ぶらで会社に行っていたのですが、西成に行きだしてからこの量に。

①ザック

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アメリカのmhm マイルハイマウンテニアリング社のSWITCH24というリュックサック。

スネークローダーシステムという3つのポイントで、S字型のファスナーラインどこからでも内部にアクセスでき、すべて開放すればガバっと開く。
このスタイルとしては、ミステリーランチのY字に開く「3ZIP」が有名ですが、バックパック作りのレジェンド、デイナ・グリーソンはmhmのデザイナーをライバルと目していたようです。

<参照>下北沢BOZEMANさんのブログより

bozeblog.exblog.jp


容量24リットルですが、とにかくポケットや収納が豊富。想像以上のモノを詰め込むことができます。ザックって、床から持ち上げるときに、持ち手に困るんですが、上部についているハンドルが便利です。もう5年以上使っていますが、縫製のほつれもなく、堅牢。

ビビットなツートーンカラーが西成で浮きまくっているのは自覚しているのですが、美輪明宏も「冬になると日本人は葬式みたいなカッコ。原色を着るべき」と言っていたので、従っています。

西成の安宿に行くというのは、低山ハイク並みのアウトドア感はありますから、大変頼もしいです。

安宿探訪をはじめたばかりの頃は、このザックが虫たちに侵されているような気がして、ザックも洗濯していた。けど、もうしてない。慣れました。

②着替え

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とりあえず一泊分の着替えを、グラナイトギアの底が防水透湿素材e-ventになっている「シルドライサック」に入れて、上部をロールしたあと空気を抜きまくると、かなりコンパクトにできる。防水なので、風呂上りのタオルを放り込んでも問題なし。

黄色のスタッフバッグは、そのままドヤの風呂場に持参。ボディソープやシャンプーの常備がない宿も多いので、チューブ式の洗顔料で髪も身体もやっつけます。もう、だいぶハゲてきたので、シャンプーに気を遣うべきな気はします。

当初、トラベルサイズのビオレUを導入していたが、すーぐなくなったので、ハトムギ洗顔フォームにした。

いまのところ一泊の装備。これから、長期逗留などを考えれば二泊分持参し、コインランドリー活用も視野に入れる予定。ドヤの共同炊事場で洗濯するのは迷惑だろうし。

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③防寒着

寒さとの闘いも、西成安宿の醍醐味。

イギリスのモンテインという会社のプリマロフトを使ったプルオーバージャケットを持参。ユニクロのウルトラライトダウンとかでもいいのでしょうが、個人的にダウンジャケットが嫌いなので(毛が出るし、洗うの面倒だし)。

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ドヤのなかで着るリラックスウェアなどは持っていかない。
宿ですれ違うオッチャンたちは大抵ジャージ上下などである。しかし、そんなもの持って行ったらかさばるし。なにより、わたしはまだ、西成安宿で「リラックス」という状態になったことがないのである。

④内履き

西成の安宿では、個室内まで下足を持って上がることがほとんど。同時に、館内は土足禁止なので、ホテル備え付けのスリッパを履くことになる。

これに少し抵抗がある、まだ。

布製だったりした場合など特に。その内履きでトイレから、風呂からすべて行き来するわけで濡れると厄介だし、衛生的にも心もとない。

ということで、マンションのベランダで履いていたビーサンを使っている。とはいえ、最近慣れてきて、備え付けのスリッパで過ごすことも多いので、やがて「持っていくべきリスト」からは脱落するかも。

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⑤身だしなみグッズ

一般的なホテル用語でいえば、アメニティグッズということになろうか。
ポーチに、携帯歯ブラシ、毛抜き、エコバッグ的な袋、レジ袋を入れています。
歯は一生もの。ドヤでもしっかり磨きたい。

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⑥マスク・ティッシュ・肌対策

ハンドクリームやリップは、冬の乾燥対策として。
マスクは数枚。
コンビニでもらえる濡れ手拭き、ポケットティッシュ
コレらはザックの小分けできる収納部に分けて入れています。

いまのところ、西成安宿部屋にはボックスティッシュがあったことがない。ゴミ箱すらないことが多いので、当然かも知れない。

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⑦メモ帳・ボールペン

なにかあったらすぐにメモる。
実際には、ブログのために安宿での会話や出来事を備忘的に書いています。
46歳なので、いまだに紙のテクスチャが好きなんです。

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⑧ノートパソコン

ガキみたいなナリですが、ステッカーチューンされたmacbookAirのだいぶ古いモデル。
昼の仕事で使っているので、その延長線で持参していますが、Wi-Fiが効いている宿では、いたしかたなく仕事したりしているのです。イヤだ。

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⑨電源・コード・モバイルバッテリー・イヤホン

何といっても、延長コード。限られた位置に、限られた数しかない電源を、自らの手元に引き寄せる必要がある。そこそこな重量ですが必須。

イヤホンはイタリアCarotOne「TITTA」
これで、なにがしかの動画を観たりします。なにがしかの。
サイドを押しこむとワンタッチで開けられるhumangear「GoTubb」というケースに入れている。

ほとんど使わないけど、一応モバイルバッテリー。

そろそろ、Wi-Fiの無い宿に備えて、ポケットWi-Fi導入すべきかも。

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➉防水バッグ

これは主にノーパソを守る目的。

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⑪折り畳み傘

モンベルの「ウルトラライトトレッキングアンブレラ」
驚異的な軽さ。それなりの強度。
傘を閉じて屋内に入る際に、いちいちケースにしまうのが面倒なので、防水のスタッフバッグに入れている。

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⑫財布・カギ

カギの束には、爪切りも付けてる。

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⑬ワイヤレスイヤホン

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⑭ライター

大阪・四天王寺のオリジナルライター。
たびたび、デザインと色を変えて発売されるので、行くたびに買っていたら数十レベルで溜まってきた。年末には新作が出る気がします。

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⑮クリアファイル

なんらかの紙情報をしまうモノ。

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⑯本

いまは、戦中の検閲のことが書かれた本を読んでいます。
読書感想文をみんなで書くサイトにも参加していますが、最近あんまり、はかどっていない。

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dokusho-note.web.app

⑰手ぬぐい

出雲大社の手ぬぐい。参拝してからも、とくにイイことはない。

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という訳で、
このようなアイテムたちと、毎夜毎夜、西成安宿探訪をこれからも続けて行きたい。

誰が見てるんだ?
でも、やるんだよ。

ということです。結局は。

あんまり寒い夜が続いたら、「電気あんか」とか持ち歩くのかも知れない。
これでも、結構重いんですけどね。

西成、あいりんで、このザック背負ったオッサン見かけたら、気軽に声かけてください!無視したらごめんなさい!

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¥850「ホテル アポロ」 西成安宿探訪 11日目

西成ホテル探訪・十一日目

寒い。
早く、天満のマンションに帰ってヌクヌクしたい。あくまで、毛布とだが。

しかし、今晩も西成に向かう。
ちょっとこのところ、Wi-Fiアリ」「清潔感」いわんや「暖房アリ」のなまぬるい西成安宿に甘んじてはいないか。自問自答。

今日の寝ぐらは1000円アンダーで行こう。そう決めて「動物園前」駅から地上へ。

ダイヤモンドからアポロへ

先日、「ホテル ダイヤモンド」で衝撃の独房感、寂寞の窮屈感を味わった一畳半。

nishinari-lives.com

 

一般的なドヤが三畳半の広さを誇るのに対して、ジャミロクワイの『virtual insanity』PVの、一番壁が迫ってきた時くらいのスペースが一畳半である。上手く伝わっていない気もするし、伝える努力も怠っていることは承知しています。

「ホテル アポロ」

「ホテル ダイヤモンド」の向かいに8階建のビルを構える。看板には850円の文字。

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往時の共同アパート感漂う入口を入り、右手にある受付へ。

「今日、850円は空いてますか?」

突然の来客に慌ててマスクを耳にひっかけて、50代くらいの男性が、往時のラブホテル的な高さのガラス引き戸を開けて対応してくれる。

「ありますよ。お名前は」

「竹下で。一泊でも大丈夫ですか?」

「いいですよ」

当たり前のように、カギは無し。男性はほとんどホテルの説明はしてくれなかった。
すっかり見た目も西成になじんできたのかも知れない。

「門限はないです?」

「9時でシャッターは閉めますけど、横のドアは開けてます」

部屋番「612」
正面のエレベーターを待っていると、風呂上がりっぽいオッチャンと遭遇。風呂もあるのか!説明してくれや!

「お風呂、その奥ですか?」

「そうよ。今日は寒いわな!」

「ホントですね」

 エレベーターは西成ドヤおなじみの、奇数階だけ止まるパターン。僕は5階。相乗りしたオッチャンは7階へ。

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ワンフロア階段を登って6階へ。
オッチャンも6階だったらしく、階段を降りてくる。

「ニイちゃんもこの階かいな?元気やな!おやすみ」

「おやすみなさい」

まだ、7時半だけども。

1.5畳、再び

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つくりはほとんど「ホテル ダイヤモンド」と変わりなし。いくぶん、フローリングの色調が明るい。そして、外に照明スイッチ。めんどくさいなぁ。

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部屋のドアの幅と、隣室の間隔がほぼ同じ。
ただ、テレビもねえ、このフロアは静かで夜中になっても隣の物音ひとつ聞こえてこなかった。監獄のようである。お巡り毎日ぐーるぐる。

内鍵、ハンガー、電源、灰皿、窓を開けても、すぐに壁。布団のシーツは十分キレイで合格点。
いつもテレビなぞ見ない生活を送っていても、ドヤではつい点けてしまうのだけど、最初からなければ見ることも叶わない。

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窓際の板の下には「下足入れ」があった。入口サイドにたたきのようなスペースすらないので、ココに入れるのだな。

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このタイプの入館証が西成安宿には多い。名前聞かれたけど「タケシタ」とすら入っていない。なんで聞いたんだよ!イライラしてはいけない。

ルーフトップがある

館内を散策。
トイレ、ガス台。和式ではあるが清潔さがある。ちなみに「ホテル アポロ」では、『ガス玉』のことを、『ガスコイン』と言っていた。元イングランド代表の名サッカープレイヤー、ガスコインも酒でトラブルを起こす人であった。西成っぽい。

試みに8階まで上がってみると、屋上が解放されていた。1.5畳のこのドヤに住み続けるとしたら、ときどき屋上に登りたくもなるだろう。住人の方のものだろうか、洗濯物が冬空にたなびいていた。

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ちなみに8階のエレベーター前にすごく淀んだ空気を感じた。霊障のたぐいだろうか。幸い僕には霊感はない。ゆったり感のある服が好きだ。

電気あんかは高価

外出した際に1階に降りて受付付近を確認したら、1階のみWi-Fiがきているみたい。レンジやポット、風呂もあるし1.5畳に納得できるならコスパは高い。僕は、モチ納得しています。

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「ホテル アポロ」の料金体系は3パターン。
980円ならテレビが付き、1550円出せばエアコン+冷蔵庫がもたらされるようだ。

そして、戦慄を覚えたのが、この貼り紙。

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部屋代より高いじゃないか!
ただ、「販売中」のようなので、冬の西成安宿巡りに、電気あんかを加えるというのはアリかも知れない。これ以上、荷物を増やしたくはないが、今夜の暖房無しの宿での一泊の具合で、購入する決断に至るかも。

フローリングの罠

西成ダイエット継続中のため、少しばかりの食料を買って戻ると9時を回ってしまった。ヤベ、寒い夜に備えて湯に浸かりたかった。ギリギリになんとか撮れたのが、下記画像です。バスクリンぽい色味。

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洗い場含めて、3人入ったらイモ洗い状態かなぁ。しくじりました。

先日お世話になった「ホテル ダイヤモンド」もフローリング敷きの1.5畳で布団の下に敷くマットレスも用意されていて、確かにフカフ感はあった。
でも、正直ただでさえ狭い部屋に、こんなもんいるかいな!と憤っていたのだ。イライラしてはいけない。

しかし、理由はわかった。

フローリングは底冷えがスゴい。シュゴい

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布団もペラッペラだしなぁ。
電気あんか、か。電気あんかなのか?
そんな贅沢はダメ!
もう受付も閉じているし。イラついても、オラついても、仕方がない。

夜中に寒さで眠れず、ボーッと入り口の横のコンセントをながめていた。

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コンセントのくぼみやビスが「顔」に見えてきた。シミュラクラというやつだ。
孤独が溜まり溜まって、表面張力を突き破るようなことになったら、このコンセントボーイと会話し始めたりするような気がする。

映画『キャスト・アウェイ』で孤独な無人島生活を送るトム・ハンクスが、バレーボールをウィルソンと名付けたように。

画像に加筆してみたら、ペニーワイズっぽくなったので、その名はペニーとしておきたい。また、機会があれば会おうペニー。

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なかなか眠れなかったし、底冷えの怖さを十分に感じる夜だった。しかし、持参していたプリマロフト系の服を重ね着すると、いつの間にか寝ていました。

ただ、このブログを書くためにスマホの画像フォルダ見直していたら、夜中に起きて写真撮ってたようだ。
さみしかったのかも知れません。ペニーに会いたかったのかも知れません。

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ほの明るい6時過ぎに退出。

天満のマンションに帰って、二度寝して、昼の仕事に遅刻しました。
気をつけます。

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 ホテル アポロ

Google マップ

宿代:¥850

一畳半/コンセント3口/トイレ共同/風呂共同(21時まで)/布団/毛布/鍵有(保証金¥1000)/内鍵/喫煙/灰皿/お盆/一泊OK/夜間外出可/Wi-Fi(入口付近のみ)/ハンガー/ハンガーポール/自販機(ジュース)/翌朝8:30時まで/エレベーター(奇数階のみ)/屋上/電子レンジ共同/ガスコイン/電気ポット共同/電気あんか販売中/フローリング/電気スイッチ(外から)/下足カゴ/ペニーは友達

 

清潔度 ★★★★

フロント★★

サービス★★

価格  ★★★

総合  ★★★★

 

食費

チーズスティックケーキ 108円
春日井製菓・豆極み 絶品のり塩味×2  210円
コカコーラ・紅茶花伝 90円
キリン・生茶ほうじ茶 89円
レジ袋 3円

 

西成に落とした金額

計:1350円

 

¥1400「ホテル 大阪」 西成安宿探訪 10日目

西成ホテル探訪・十日目

 前回のブログは、変化球を投げて、これまでで一番たくさんの方に拙ブログをご覧いただけて、うれしかったです!

nishinari-lives.com

 

ただ、このブログの本懐は「安宿」を体験し、巡ること。
この記事からまた、一気に見てもらえなくなるんだろうなぁ。と思いつつ、今晩は記念すべき10泊目。頑張っていきます。まっしょい。 

今日の大阪は最高気温が10℃程度、夜半には3℃になるらしい。確かに寒い「動物園前」駅から地上に出るときに、行く手を遮るように吹き込む風が痛い。今日の寝ぐらは数日前にお高い部屋しか空いていなかった。

「ホテル 大阪」

再チャレンジ。

 ミドルクラスのルームを確保

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看板が屋内に入れられているから、満室なのかな。と心配になるのだが、突撃。

「今日、1200円の部屋空いてますか?」

「ああ、1400円なら空いてますよ」

「いいです!そこで。お願いします!」 

ここ「ホテル 大阪」の料金体系は3パターン。

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今日の寝ぐらはBタイプ。ミドルクラスのお部屋です。

「ちなみに、1200と1400はどこが違うんですか?」

「1400だと冷蔵庫が付きます」

「1800だと?」

「他の部屋は畳なんですよ。1800だとフローリングになります」

畳文化はいい。それは否定しない。しかし、西成安宿における畳は、これまでの全ての宿泊客のカルマを呑み込んでしまったような負の因果を放出しているのだ。600円プラスする意味は十分わかる。
ただ、その程度の違いか。掃除キチンとしてあるといいな。

「初めてですよね。ちょっと説明しますね」

50歳ぐらいとおぼしき、受付の男性は、カギの保証金が1000円であること、シャワーは22時まで、門限が0時、チェックアウトは9時、朝は7時から受付が空いていること、など教えてくれる。注意書きのペライチとカギを渡され館内へ。お世話になります。

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ここは男性専用の宿。「賭博・薬物使用・売春」などの違法行為は禁じられているとのこと。当たり前だが、ホテトルを呼んだりしてはいけない。ヤクブーツはやめろ。

2階に上がるとドアの前に内履きが並んでいない。これだけでもドヤ感は薄くなる。少なくとも、靴を置くスペースが室内にある、ということだ。古めのマンションみたいな感じ。

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畳だっていい。清潔ならば

おなじみの三畳一間。プラス靴置場。万年床じゃないことが、一定の掃除されてる感を漂わせる。実際、ほとんどホコリや毛髪は気にならない。そして、机の上に冷蔵庫。テレビのスイッチがコンセントサイドにダイレクトにあるというトリッキーさはあるが、電波状態も良し。地上波デジタルのみ。電源の数も十分で、作業机もある。いくらか不安定だがWi-Fiも効いている。ちょっとパスワードが投げやりだとは思う。

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暖房のある幸せ

前述した通り、今日の晩は冷える予報。空調が効く部屋だといいな、と思ってはいたが館内一括空調のようで、部屋にいても快適。実際、僕シャワー上がりにTシャツ一枚でコレ書いてます。もう、真夏のようだ。早く春になって欲しい。そして、夏なんてこないで欲しい。

廊下に出て、デジタル温度計を見たら館内温度は17℃。真夏と言って、すみません。しかし、部屋の中はさらに暖かさを感じる。
窓を開けたら、すぐ壁があらわれて、そこにシルエットで浮かぶ己の姿が愛おしくなった。

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シャワーの罠

共同便所に、おなじみのガス台。6階建ての他のフロアにも行ってみたが、5階はちょっと高級なトイレとシャワーだった。ドライヤーなんかもあったので、料金体系の違うフロアなのかもしれない。ただ、ドライヤーなんて生涯2度くらいしか使ったことないので、羨ましくはない。髪を早く乾かして、なにかいいことあるんですか。

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「ホテル 大阪」は楽天トラベルでの予約も受け付けているようで、楽天予約者専用シャワールームなども存在した。カギもIT上級者はBOXに返却すれば良いようだ。
まあ、大阪観光に来て、このホテルに泊まった若人などは、それなりに落ち込んでしまったり、この世の終わり感を覚えるかも知れないので、せめて専用シャワーで差別化を図って欲しい。大丈夫だ、ここは、西成の深淵ではない。

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僕は1400円のミドルクラス宿泊者なので、ルールに従って、2階にあるシャワーを使うことにする。ボディソープやシャンプーは常備されていないとのことだったが、固形石鹸は置いてある。少し、ほんの少しだが抵抗があったので、持参のビオレUで全身行こう。

と、シャワールームの蛇口をひねっても、一向にお湯が出てこない。水圧は十分ある。しかし、もうマッパになっていた僕の、肌には体感冷水しか当たらない。冷たすぎて、逆に熱さを感じるくらいになってきた。ヤバい!
まだ、22時前なのに、もうお湯出ないんでしょうか?冷たい、痛い。ギブアップする。「ギーブ、アッッッップ!」かつての『PRIDE』の島田祐二レフェリーの声が耳元でする。

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震えながら、服を着ようとしたら、壁際に給湯スイッチを発見!

もう一度、服を脱ぎ、無事シャワーを済ませました。「アクショーーン!」と膠着を攻めるような島田祐二レフェリーの声がまた聞こえた。

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ガス玉チャレンジ

いったん、部屋に戻って受付時に渡された注意書きなぞ眺めていると

「コンロを使う方は『ガス玉』をフロントで購入してください」

のテキストに目が止まる。ああ、アレを使うには「ガス玉」がいるのか!あと、フロントじゃなくて受付な。

「20円」

この生活をはじめてから知った文化。便所併設のガスコンロ。それを使うための「ガス玉」。10円玉2枚。フロントじゃなくて受付に行き、

「ガス玉もらえますか?」

「え?ああ、20円です。2階のが壊れてるかも。動かなかったら、他の階行ってみてください」

見てください。コレがガス玉。「投入物」と印字された銅貨。

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便所に行き窓際のガスコンロの下にあるメーター兼マシンの投入口に投入物であるところのガス玉を入れます。(確かに2階のヤツは壊れていたので、4階でやっています)

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栓をひねるとガスが吹き出る音がするので、備え付けのチャッカマン的なヤツで火を灯す。

ああー、点きました!点きました!

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ただ、何も調理するものはないので、タバコ一本吸いました。
ガンガン他の宿泊客が、便所してる横で調理するのは、まだ抵抗がある。慣れるかも知れません。慣れないような気もします。

今は、コンビニやスーパーで、レンジアップした温かい弁当などを手軽に食せるようになっていますが、かつてのドヤにおいては、仕事を終えて温かい食事を作るのに欠かせないのが、このガスコンロであったのだろう。こんな寒い夜など、きっとこのガスコンロとガス玉は大活躍したはずだ。

横打ちも載せておきます。結構長い時間燃えていました。ガス玉チャレンジ終わり。

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あの人は、今日はいなかった

少し、外出する。先日出会った「4日間なにも食べていない人」は、この間の場所にはいなかった。今日は、なにか奢ってあげたかった。足を伸ばして、あの人の行きつけの惣菜屋に行っても良かった。一期一会。もう、会えないのかも知れない。

nishinari-lives.com

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今日の通天閣は青かった。
この間まで、「コロナ赤信号」という意味で赤くライティングされていたのだから、青いライティングは「コロナ警戒解除!の青信号」という意味なのかと思ったら、この青色は「医療従事者に感謝!」という意味らしい。一貫性に欠けると思います。

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ホテルに戻って、各階のエレベーター脇にある豊富な漫画ラインナップなど確かめていると、「マダニ」情報の貼り紙が。南京虫だけでなく、ダニ系も部屋にいる可能性があるんだ。仕事に行った皆さんが部屋に持ち帰ってしまうことがあるのだな。バグズ・パニックは続く。
11、「ツツガムシじゃなくて良かったとあきらめる」
との記述に「ホテル 大阪」さんの愛を感じる。良い宿だ。『女帝』もあるし。

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 よく眠れました。
深夜には暖房が切られていたようで、結局寒くて目を覚ました。
朝方に、布団にくるまるのは、どの西成安宿も同じ。
朝の受付には、ご老人が居て、カギを返して保証金1000円を取り返そうとしたら、

「ハイ、マエナカさんですねー」

と呼ばれたので、もしここで僕が「マエナカ」を任じてしまったら、「竹下」は保証金を受け取っていないことになり。「マエナカ」が保証金を受け取れない、という事態になるのではないか?と瞬時に計算しつつ、

「いや、竹下です。220の」

と申し出て、脳ミソの活動を終えました。
今から、活動を終えた脳ミソで、昼の仕事してきます!

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ホテル 大阪

Google マップ

宿代:¥1400

三畳/テレビ/コンセント3口/トイレ共同/シャワー共同(22時まで)(石鹸)/布団/毛布/鍵有(保証金¥1000)/内鍵/喫煙/灰皿/お盆/冷蔵庫/テーブル/一泊OK/夜間外出可/Wi-Fi(ちと不安定)/ハンガー/棚/テーブル/自販機/翌朝9時まで/エレベーター/漫画たくさん!/門限0時/暖房ギンギン/電子レンジ共同/ガス玉/電気ポット共同/紙コップ/コインランドリーが隣

 

清潔度 ★★★

フロント★★★★

サービス★★★

価格  ★★

総合  ★★★★

 

食費

森永・ポテロング ごま油としお味 89円
森永・ジャンボバニラモナカ 98円
コカコーラ・紅茶花伝 90円
キリン・生茶ほうじ茶 89円
タバコ・アメリカンスピリット 400円

 

西成に落とした金額

計:2076円