2021年5月13日。
鉄は熱いうちに打て。
は、グズグズしてっと置いてかれちゃうぞ!
と言う意味で合っていますか?そこで、
火曜日に「新世界国際劇場」でご挨拶をさせていただいた、手描き看板を描かれる八条さんの元を忘れられないうちに訪ねることにする。
工房は、西成あいりん地区から自転車で10分ほどの距離。
明日は、現場仕事が入っているので、今日は取材日。逃げています。
母さん、僕は全力で逃げています。
天気は良好。
みんなちゃんと働いているんだろな。偉いなぁ。
ホテルを出る際に、清掃のお姐さんに
「結構、もう長い?シーツ替えようか?大丈夫?」
と声をかけられる。
「パークイン」はこういう事言ってくれるんだよなぁ。ありがたい。
土曜には出るので大丈夫です!とお礼をし、外出。
まさに、こんな低価格で泊まれて、ホスピタリティもあるなんて、抱いてもらって負ぶってもらうような所業である。ありがたし。
アポなし訪問
アポなしで突撃するのは、空振る可能性も高いし、何より相手の時間を奪うことにもなるが、個人的にはその方が好み。
事前に電話をして「お話を聞かせてください」とお願いすることで産まれる取材然とした形式ばった心理的ハードルがうまく作用しない気がする。電話口で断られるのも悲しいし。
当方はなんの影響力も無い個人ブロガーでしかないから、取材感なんかより、茶飲み話感で行きたい。
ご迷惑になるなら、その日は退散すれば良い。それで、顔を繋げるのならば問題ない。
お昼時を避けて、13時を回って八条さんのアトリエ「八條工房」に到着。
若い頃は自意識が邪魔して、初めて訪れる場所の扉をノックするのをためらっていたものだが、すっかりやさぐれたので、躊躇なくノック。
ノック!ノック、ノック!
室内の照明は灯っているがご不在の様子。
少しその辺をそぞろ歩こうかな、と歩を進め出すと前方から火曜日にも見かけた車が。
助手席の奥さんがすぐに反応してくださり、「火曜日に国際でご挨拶しました」と声をおかけすると、「そうですよね!どうぞどうぞ!」と工房の中に招き入れてくださった。
「突然ですみません!」なのに、お茶まで出してくれ、資料なども見せてくださった。
ありがとうございました!
「八條工房」への来訪と、八条さんへのインタビューは別記事にまとめました。
サブカル冷笑系の罪
ご自身の仕事に誇りを持ち、先代であるお父様へのリスペクト溢れた素敵な方だった。お話を聞きながら、コレは聞かねばと思っていた質問、
「似てないぜ、この絵」と弄られることについて
への八条さんの答えは、映画絵アーティストとしての誇りを感じさせるものだった。「一生懸命描くだけ。どう言われても仕方がない」
「何、コレ!www」
みたいな嘲りを込めた弄りに共感したり加担したりする下衆さは僕にも相当にあり、歪んだ楽しみ方として受け入れてはいるのだが、産み出した人への礼儀は欠いてはいけないと改めて感じた。
プロは報酬の対価として、さまざまな批判は甘受せねばならない面はあろうが、相手は生身の人間であることをネット空間では忘れてしまう。
愛情を冷笑がくるんでしまうような瞬間を楽しむのは卑怯なやり口かも知れない。
僕は自分の下衆さを重々認識しているけれど、戒められた。
補足
インタビューの稿からこぼれた内容をもう少し。
こちらは工業用ミシン。
かつてはビルの壁面などにかけられる懸垂幕の文字も全て手描きで、今も手がけられているそう。
このミシンで幕を仕上げる。
また、銭湯の浴場内に取り付ける広告も手描きで描かれていた。
それは、納品前のものだったので画像は載せれないけれど。
アトリエの隣のスペースは、八条さんの親父さんのさらにお師匠さんのご身内がかつて看板屋を営んでいた空間。
ここにある作品群は、八条さんの思い入れも強く、完成後何年か経って少しずつ筆を入れたりしているそうだ。
『マッド・マックス』かっけーなぁ。
ところで、八条さんのお名前と会社名「八條工房」で「じょう」の漢字が違うのは何でだろう?聞き忘れた。
また、「あれ聞き忘れましたー」つって再訪しよう。
そうしよう。楽しかった。
その言葉に、落涙してしまう
お恥ずかしい話だが、お話を伺っている最中こちらの仕事を尋ねられ、
「会社を辞めて、西成暮らししてるんです」
と答えた。
したら、八条さんは「へー!」と驚かれ、続けて
「でも、失礼やけど竹下さん明るいなぁ。朗らかやなぁ」
と仰ってくださった。
ディスイズ殺伐!
な毎日を送っていて、迷いながらウダウダしている今の自分のことを「ほがらか」と表現してくれたことに驚き、なんだか凄く沁みた。
正直、寝る間際に思い出して、泣きました。
弱ってんなぁ。ダサいぞ。
今日も、ちょこちょこと姑息に絶食ルールを破り、宿に帰って早めに眠る。
明日は4時起き!
寝る間際に、泣きながらこのブログのアクセス解析を見たら過去最高になっていた。
誰がこんな愚痴まみれの愚図日記読んどんじゃ、と思いつつ、冷笑されてもバカにされても、今自分のやるべき事をやるのだ!と決意を新たにする。
多分、明日には忘れるだろうけど。
今日はそんな決意で、眠るのだ。
使った金額
森永・大粒ラムネ エナジードリンク:171円(二個分)
ガーナ・リップル:108円
ビックカツ6枚入り:214円(二個分)
雪印・コーヒー:106円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール5mm:400円
所持金
2,352円