2021年5月28日。
以前、新世界国際劇場の支配人さんにお話を伺った際に、たまたま同日に取材に来られていた大手新聞社の記者さんは毎日新聞の方であった。
その記事がアップされている。
看板の特異性で興味を惹く
↓
劇場の歴史に触れる
↓
コロナ禍での取り組み
↓
地元ファンの声
↓
劇場のポジティブな姿勢
という流れで1500字付近でまとめる。
お手本のような書きっぷりでプロの手際を見せつけられる。
僕の半チクな文章とは一線を画すものである。
金をもらえるようなテキストを書くのは大変。
羨ましい。
支配人の冨岡さんの写真も笑顔。
笑顔を撮影しなければならない。
しかし、なぜカメラマンは
「笑ってください!」
と要求するのだろうか。
東京に居た頃、カメラマンのアシスタントをやっていたことがあった。
ある日、被写体となった古典芸能に従事する方が、
「私、撮影で『笑う』のはイヤなんです。ありのままでここに立ちますが、良いですか」
と仰り、俄然場は緊張感に包まれた。
なぜ、笑顔の写真を撮りたがるのか?
「笑った表情の方が、見栄えが良いですよ」
と同席していた記者が応え、ますます被写体からは笑顔が消えた。
撮影後、喫煙所で笑顔を拒否したその人と隣り合った。
「オタクらはいつも『笑って!』と求めるけれど、あれで素直に笑えるようになっている自分が嫌いなんですよねぇ」
と、深く煙を吸い込みながら話してくれた。
その時、僕がなんと返答したのかは覚えていない。
その日、記者からインタビューを受けた。
採用されるとは思っておらず、半チクな受けごたえをした。
のに、採用されていた。
記事内のまとめ近くに出てくる
看板の付け替え作業を見に来て写真を撮影していた同市西成区の男性会社員(46)
は、僕である。
「この看板の雰囲気は梅田や難波の劇場では味わえない。新世界という場所にも合っていて素晴らしい」と顔をほころばせていた。
のが、僕である。
スマホをかざして看板を撮影しているバックシャンも載っている。
白髪が目立つし、つむじが大きく、ハゲてきている。
客観視されると如実に現実を見せつけられて無慈悲。ノーマーシー。
確かにそんなことを言った気がする。
「顔をほころばせていた」かどうか?は自覚がないが、取材者の目からそう見えたのなら、そうに違いない。
しかし、身分照会をされて「西成区の会社員」と言ってしまったのは、いくらか嘘であった。
西成区には居るが、カンパニーに所属してはいない。
僕が所属しているのは、己の不甲斐なさのみ。
見栄を張りました。ごめんなさい。
この記事は、マイナーチェンジをさせつつ、3パターンで公開されている。
分かりやすい構成と内容で、発表媒体や時期に合わせて、最大効率を得られるように書く。
もちろん、被写体は笑顔で!
そんな、手堅い仕事に感服しつつ、
「そういう手堅さから離れて書きたいのかもなぁ」
と、このブログをやっている意味を逆照射されたように感じた。
そんなことを思った、西成区会社員(46)であった。
使った金額
マクドナルド・ハンバーガー:110円
マクドナルド・スパイシーチキンバーガー:200円
ミニスナックゴールド:91円
ミニルマンド抹茶クリーム:108円
元祖たこやき亭 まろやか:79円
エスセレクト・玉露入り緑茶:103円
タバコ・アメリカンスピリットメンソール9mm:400円
所持金
16,697円